【連載第1回】「顔だけじゃ好きになりません」を読んでみて思ったこと <その前に「世界でいちばん大嫌い」とはどんな漫画だったのか>

↓↓ くっそネタバレしてます。(くっそとか言ってすみません)↓↓


安斎かりん「顔だけじゃ好きになりません」を今年1月に読みはじめて、既刊6巻までを読みました!以下、思ったことをまとめます。

その前に!

「顔好き」と比較したい作品があるので、まずその漫画がいったいどんな漫画だったのかをさくっとまとめたいと思います。

それは、

「世界でいちばん大嫌い」日高万里

版元ドットコムさまより。画像きれーー!

です!



「世界でいちばん大嫌い」とはどんな漫画だったか

なぜ「顔好き」との比較にこの漫画を選んだのか。…それは、、

この漫画くらいしかラブコメを読んでいなかったから。。

3年経てば中学生が高校生になってしまう、変化の多い10代のあの時期、本誌連載をふつうに読むだけで初回から最終回まで並走することはかなり困難でした。コミックスを買わなくてはひとつの作品でさえ全篇読破は無理と言っていいと思います。しかし使えるお金も、コミックスを収納する自分の場所も限られている我々は、よーく吟味して「どの漫画のコミックスを買い集めるか…」を決めたのでした。。。一体何巻まで連載が続くのか…繰り返し読むに堪えうる面白さなのか…部屋の本棚に置いておいても家族から変に思われない内容だろうか…などなど、検討する点は多かったのです。


「世界でいちばん大嫌い」(日高万里)とは1997年から2001年まで「花とゆめ」で連載していた少女漫画。
平たく言うと、高校生と社会人(美容師)の年の差恋愛漫画で、美容師のお仕事漫画でもあったりする。登場人物の服装や髪型など、さりげないファッション性が魅力。


…が「せかきら」の概要です。
しかし、特徴的なのはヒーローの造形で、

ヒーロー(杉本真紀。↑の書影の左の人物)は美形キャラなのですが

  • オネエ言葉である

  • 過去(というか家庭環境も)がなんか重い

という特色があるのですよね~
この訳あり感がなんとなく「顔好き」の奏人先輩にかさなりますよね。




そして恋愛面ですが、「せかきら」も基本的には

  • 序盤から両想い

  • いろいろとすれ違いや解消すべきタスクが重なり、交際開始までに時間がかかる

といった感じです。「顔好き」は展開は思い切りスピーディーではあるのですが、心情面をじっくり育てているところを見ると傾向としてはこれと重なるような気がします。

しかし「せかきら」は時代のせいか、交際を始めるまでに、進路のことをはっきりさせたり…相手の家庭環境の問題を乗り越えなきゃいけなかったり…(うろ覚えなので交際→プロポーズまでに生じた課題もごっちゃにしているかもしれません)問題ひとつひとつが現実的重みをもっていて、そこは「顔好き」とは違った価値観の漫画だなーと思わさせられます。




また、「せかきら」の魅力として、

  • 主人公の友人たちのサイドストーリー的恋愛模様(扇子と本庄や新とミハルなど)が読み応えある

  • そもそも秋吉家シリーズの長女の作品であって、小さいころの兄弟姉妹全員が登場する

といった友人関係、血縁関係の存在感が圧倒的で、こういったところは「顔好き」とはまったく違う社会構造でお話が成り立っているな~と感じます。
血縁関係については、登場人物たちの性格が年齢とともに変わっていくのを作品間で越境しながら描いているので、なかなかリアルというかスケールを感じるというか、「せかきら」を読むだけでも「ああ、この頃は兄弟姉妹みんな小さくて仲良かったんだなあ~」としみじみしたりします。(別にその後家庭崩壊したってほど仲が悪化した訳でもないのですが)


あと血縁の話がでたので、ついでに地域性に着目すると
「せかきら」は主人公たちの住む街=「地名はわからないけれど地方都市」、そして杉本が仕事で上京するなどして「東京」も出てきます。
「顔好き」は都道府県はわからないのですが、たぶん渋谷や吉祥寺にすぐ出られるような都内?都市部の高校のお話なんだろうなあと読んでて思います。
「せかきら」は一時期主人公たちが遠恋をするなどして、自分たちの住む町←→東京という物理的距離がさし込まれてくるんですよね。
でも「顔好き」はそもそも「SNSという画面越しからリアルへ」がテーマな漫画なのもあって、そういう物理的距離みたいな「彼方と此方」は今のところでてこないんですよね~今後の展開でもなさそうだなーという感じです。




これでなんとなく「せかきら」の概要を説明し終わった気がするのですが、あとは「顔好き」の内容を中心に取り上げながら、「せかきら」も参照しつつ、「顔好き」を読んで思ったことをまとめようと思います。

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