何色でもないもの

今まで自分がそうだったから、理解はしてたけど実感していなかったこと。

なにも知らないはまだ何色にも染まらずこれから染まっていく状態

25歳になった僕だけど、ツアーと称して好きになった街に行ったりはじめましての街に行ったりしている。20歳のあの頃僕が見ていたもの、思い描いていたもの、社会世界全体はいまじゃまるっきり違う。

この足はもう損得感情なしには動くことを拒んでた。賢く生きたいと強く願っていた、屍になりながらも彷徨っている人間を何人もみてきたから、いずれ自分もああなるかもしれないととても怖かった(もちろん今も怖い)

つまりは好きとか、そういうのじゃ採算とれないと行けないなって。そこで楽しい思い出作りしにいくにはあまりにも高価で貴重な時間を削らないといけないから。

ミュージシャンは我が身の保身に走らない人間のほうが突き抜けて素晴らしい音楽をつくったりする、または理想をカタチにしようとする。理想は現実と照らし合わせた時、その溝をどれだけ埋めるか頭を抱えて立ち往生してしまうけれど犠牲や決断をしていくことで近づくことができたりする。

そう実感したのはとある旅の道中にきいた話、今武道館をもソールドアウトさせるあのバンドは、メジャーの事務所に入る時、支えてくれたライブハウス、マネージャー、仲間を全部切った。なぜかって自分達が上に行くためにつるむ人種を変えたかったから、そこに仲間だの、馴染みのあるだの、上にいくために環境を一新させるためにしたらしい。批判やそれがよくわからないカタチで噂話となったりそういうのはあったけど結局バカ売れしたからその声がかき消される程声援が増えたってだけ。

僕はこの話を聞いた時問われた

「tunaはこの話を聞いてどう思った?不愉快に感じたり、胸糞わるく歯切れの悪い感情に見舞われたんとちゃうか?でもな、俺は正しいと思うねん、仲間や馴染みやいうてもな、其奴らが飯食わせてくれるわけちゃう。決断や、全部切らないと自分達の行く道には邪魔になるとかウザったらしい思う時、自分の道で突っ走りたい時人の顔色伺ってたらダメなんよ。誰に文句言われても、批判や誤解をされても進みたいと決めたら進むんよ」

もやもやしてうまく返事ができなかった、なんとなくわかるけれど、もやもやを無くしたかった。そんな僕の表情をみて続けた。

「その目で見てきた事、人と人の繋がりを大事にする事は素晴らしい事なんやで、せやけど馬鹿正直に人の面倒をみる必要あらへん。もっと自分のために生きる事も必要言いたかっただけや。びびんな自分がしとることに、例え話にだした其奴らが悩みもせんと決断したわけちゃうと思うねん、でも他人に言われるがままだした答えちゃうと思う、せやなかったらあんなに売れてないと思う、大きな犠牲ってのはそう言うことや。誰々が〜とか、社会が〜言うて言い訳すんの嫌いやろ?かっこ悪いやん、かっこ良く生きたいやん。本質を見抜け、時代に流されて流行りに無理に乗ろうとしなくてもええねん、そんな器用な奴がする事や、器用やないからこその戦い方があるねん。本質を知れ、もっと前のめりになってもお前はええねん。」

「でもな、ワシもその例のバンドの話聞いて関係を断ち切るなんて多分決断できひん思う。ワシはそれがありきの音楽やからな、だから売れてないねんなきっと。やから正解がないことやから、お前が正解思う方に進め、ビビっても臆病になってもええけど最後の最後にはちゃんと正直になれ。」

まぁ、知らんけどと語尾につけて手持ちのハイボールを飲み干した。


何度も言われてきた、自分のために生きろって事。それに実はすごい反発を抱いてた。
なにもわかっちゃいねぇ、人と人の繋がり大事とか、ご縁とか、助け合いとか、そういうの大事にできないんならなんの為の音楽なんだと思っていたから。だから真逆の人間にはすごく攻撃的に構えてた。でも今この記事を書いているのはそうじゃないなっておもったから。
というのも僕は自分で立てる自信がなくて、縋ったり、弱さを見せ合ったり、決断を先延ばしにしたり、要するにそういうの無しだと生きられなかっただけなんだと思う。文章にすると難しい、本来の助け合いは依存も、癒着もなく、お互いが自立したうえで成せることだと思った。その上で僕はそういう類の話を言い訳に、自分から大きな組織の一員となったようにしてその殻にこもった状態から脱出することを拒んでいた。自分の為に生きろって言葉にピンとこなかったけれど、それはワガママにって解釈ではなく1人の自立した人間にならなければならないといけないといわれてたのかもなと今は思う。

今回のツアーはそういった出来事に沢山であった。だから、ひとつ決断するとライブを少し休もうと思う。まったくやらなくなるわけではない、毎月8〜10本してたライブが1〜2本になるだけ。

そして今できた新曲と、あわせて新しい音源を作りたい、旅の道中模索してたどういう作品集にするかってこと。作品を作りたい、だからそれを完成させたい。

人から嫌われたり指差されたり、あいつは終わったとか、前は一生懸命やったのにと言われるのが怖い、ライブというものを少なくする=活動の衰退と思っているから。でも今はやりたいことが見つかった。

沢山怖いことがある
でも臆病なまんまでも進みたい。



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