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大火に包まれた王国を救え『バーフバリ 失われた伝説 シーズン2』

 「#バーフバリ旋風」は一切の衰えを見せることはなく、『伝説誕生』の完全版や『王の凱旋』IMAX版の公開がアナウンスされるなど、民の願いがことごとく叶い続ける奇跡の作品『バーフバリ』。その前日譚なるアニメシリーズも、二ケ月連続リリースにより完全な形での視聴が相成った。日本マヒシュマティ王国民とバーフバリの蜜月は、まだ終わることはないようだ。

 物語はシーズン1衝撃のラストから続く。プラダン・グルの策略によって、毒に侵されたカッタッパの意識は戻らぬまま、無法者たちはマヒシュマティに近づきつつあった。その脅威から国を守るため、無法者に襲われたジュワララジャムの街を訪れたバーフバリは、壮絶な闘いを繰り広げる。一方、バラーラデーヴァとプラダン・グルは結託し、マヒシュマティを手中に収めるべく暗躍を続けていた。バーフバリに想いを寄せる隣国の王女ヤマグニもまた、その毒牙の餌食となり―。

 ついにマヒシュマティ陥落への策略を露わにするプラダン・グル。なぜ王国を憎むのか、その力のルーツとは何なのか。隠された歴史が明かされ、決着の時がついに訪れるシーズン2。

 前回のシーズン1よりも世界観は広がり、あのカーラケーヤ戦を彷彿とさせる無法者たちとの合戦や、海賊船に潜入するエピソードなど、スケールの大きい冒険が繰り広げられる。我らがバーフバリは今回も無類の強さを披露し、王国を守るため最前線で闘い民を奮い立たせるなど、理想の王を体現するアマレンドラならではの所作が眩しい。その威光が強すぎるあまり、潜入というものに基本向いていないことが判明するのも、クンタラ編同様である。

 前日譚ならではの楽しみとして、映画本編とリンクしたシーンも多く見られ、思わずニヤリとさせられる展開も見どころだ。前述の無法者との合戦はもちろん、あのバラー戦車の意外な出所が明らかになるなど、『伝説誕生』に至るまでの道筋が垣間見える。

 そうしたメインストーリーの傍らで時折描かれる、バーフバリとバラーラデーヴァの関係性の描写こそ、ついつい考察や妄想を巡らせてしまう。兄に絶対の信頼を寄せるバーフバリに対し、優れた弟への敵対心を秘めつつも友好的な態度を示すバラーラデーヴァ。その危うさの元に成り立つ一時の共闘など燃える場面もあれば、アーカンシュに近づくバラーラデーヴァなど、続くシーズン3への火種となりかねないシーンも。後の展開を知るからこそ感じる不穏さに、思わず背筋が凍る思いを隠せない。

 王国に迫る危機はついに牙を剝き、民の命と誇りが狙われた時、我らが王は立ち上がる。悲しき別れを経てもなお、真の王たる若きアマレンドラ・バーフバリと、その従者カッタッパ。その深い絆を思わせるエピソードの傍らで、なおも燃え続けるバラーラデーヴァの炎。完結編となるシーズン3では、どのような変化を見せるのだろうか。期待に胸躍らせつつ、アニメでも王を、引き続き称えよ!!

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