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夢眠ねむさん

2019.3.31
夢眠ねむさんが芸能界を引退する。

全員がアニメオタクのアイドルがいるらしい

5年前、わたしのでんぱ組.incの知識はその程度しかなかった。
朝の情報番組ででんぱ組.incの生パフォーマンスを見て、何となくYouTubeを開き、何となくでんぱ組と調べ、1番上にあった動画を何となく開いた。
その動画のタイトルは、「でんでんぱっしょん」。

世界が、変わった。

でんぱ組を好きになったのは中学生のとき。
その時は高校受験でとにかく勉強勉強だった。だからあまり深くでんぱ組のことを好きになることは無かった。
受験が終わり、ふとテレビをつけると、でんぱ組が地元にコンサートに来るという宣伝がしていた。
でんぱ組が、来る!?こんな田舎に!?
小学校の時好きだったAKBは、それこそ握手会などで会いに行きやすいアイドルとして確立していたが、握手会、ライブは全て都会。ド田舎に住んでいたわたしにはアイドルに会うという発想が無かった。
うそ、でんぱ組に会えるの!?
胸がときめいた。
しかし、その願いは叶わなかった。親に反対されたのである。自分で稼いだお金で行きなさい。親の言い分はこうだった。
ごもっともだと思った。そして、このことでさらにでんぱ組に会いたいという気持ちは積もっていく。
高校に入学して以降はもうでんぱ組のことしか考えていなかった。YouTubeでMVを見て、CDを買って、メンバーのSNSを見て。充実していた。
でも、高校生活は全く充実しなかった。
中学の友達が1人もいない高校に入学した人見知りのわたしは、案の定友達が1人も出来なかった。
お弁当は同じクラスだった従兄弟とその友達と食べていたが、一言も話さず食べ終わったら即退席しトイレにこもりスマホをいじる。グループとかペアを作ってくださいと言われると当たり前だけど余り物扱いだし、クラスメイトに面と向かってこんな人いたっけと言われたこともある。
わたしはなんでも一人で行動するのがわりかし好きなタイプだ。でも、高校はそれを許してくれなかった。生きづらかった。家に帰ると従兄弟が私が友達がいないということを親に伝えたらしく、ほぼ毎日友達できた?と聞いてきた。バイトも始めたけど、いわゆるブラックバイトで、明らかに最低賃金の時給に見合ってないきつい仕事をした。
平日は学校。週末はバイト。帰ると家。
居場所がなかった。わたしはいじめられていたわけじゃないから、別に被害者ではない。だから誰にも相談できなかった。馬鹿にされるのが怖いから。毎日ベットの上で泣いていた。
死んじゃおうかな、と思った。かなり追い詰められていた。

そこに、一筋の光が現れた。
でんぱ組がライブツアーで隣の県に来ることが決まった。なけなしのバイト代でチケットを買って、2時間電車に揺られて、初めてライブを見に行った。
めちゃくちゃ整番が悪かったから小さくしか見えなかったけど、とにかくきらきらしていて。でんぱ組って、ほんとにいるんだなあって。楽しくて楽しくて幸せでしょうがなくて。その時はまだコールも覚えていなくて、次行く時はちゃんと言えるようにしよう!って思って。
生きる意味ができた。
高校1年のときは握手会にも行った。コールも覚えてワンマンにも行った。ねむさん、えいちゃん、りさちゃんのツイートを見てキンプリを見てプリズムの煌めきに圧倒されたりもした。相変わらず友達はできなかったけどそんなこと忘れるくらい楽しかった。
2年になると世界が一変した。友達が出来て、でんぱ組好きなの?と話しかけられるようにもなった。クラスにも居場所ができた。でんぱ組のライブにもたくさん行った。たくさん遠征もした。バイトもやめた。

3年の夏、もがちゃんがでんぱ組を脱退した。
絶望だった。信じられなくて、涙も出なかった。からっぽの心のまま、でんぱ組が活動を再開し、根本、ぺろりんが加入することが発表された。瀕死状態なのに、殴られた気持ちだった。でんぱ組を、信じることが出来なくなった。

大学に入学し、そこそこ友達も作り、新しくバイトを始め、新しい生活がスタートした。でもやっぱり何かが足りなくて。何が足りないかは分かっていたけど、言えなかった。私のプライドに反するからだ。

バイト中、有線からみりんちゃんの声が聞こえた。
でんぱの曲だ。
私の求めていた音楽。
みりんちゃんのくせが強いけどアイドルらしく、りさちゃんのかっこよくもありつつ時に可愛く、ねむさんのおっとりほげーっとしていて、大好きな推し、彩音ちゃんの愛してやまないかわいいかわいい、そんな歌声があった。ぺろりんのもがちゃんにすこし似た儚い歌声、根本のよく通る高音の落ちサビ。
でんぱ組はまだ生きていた。
でんぱ組の曲が聞きたい。
止まっていた時計が動き出した。

ある日、バイトから帰ってくると衝撃的なニュースが目に飛び込んできた。
ねむさんの卒業、芸能界引退だ。
死ぬほど泣きながら夜ご飯を食べた。
ライブに行こう。そう思った。

でんぱ組.incがいなかったら、わたしは今ここにいない。これは決して過言ではない。

1/7の卒業は今までのライブで1番良かったです。
ありがとうねむさん。
ありがとうでんぱ組.inc。
これからも、応援しています。

#日記 #エッセイ #でんぱ組 .inc #夢眠ねむ


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