第398回 人類全てが幸せに生きられる未来

1、生きづらさを抱えている人に届けたい

本日ご紹介するのはこの本

また、歴史と関係ないじゃないかとご指摘があるかもしれませんが、

誰かに話したくなる読後感を抑えきれないのでここに記しておきます。

モカさんは

経営者、漫画家、元男性のトランスジェンダー、そして飛び降り自殺からの生還者として無償で人々の悩み相談に応じる人

とちょっと聞いただけでは像を結ぶことができない経歴を持っています。

本書のダイジェスト的な内容がネットニュースの記事にもなっていました。

実は私はTwitterやtiktokで見かけて気になったクチです。

簡単には理解できないものに引き寄せられてしまうことってないでしょうか。

でも大丈夫。

センセーショナルな事象についての記述もありますが

落とし所はとても優しいところです。

2、目次

第1章 日本社会の一番の闇「自殺」と向き合う

第2章 飛び降りたあの日

第3章 迷い続ける10代

第4章 年収一千万円

第5章 「女の子」になる

第6章 夢の漫画家、そして鬱

第7章 貢献に生きる

第8章 これからの理想の世界

第9章 600人の悩みと向き合い、見えてきたこと

第10章 悩んでいるあなたへ

第11章 モカとは何者か

3、「貢献」こそが幸福のカギ

モカさんは1986年生まれですので、若干33歳ということになります。

それでいてこんなに濃厚な半生だったのか、

と驚くようなエピソードが散りばめられています。

そんなに歳の変わらない自分と比べてしまうとちょっと恥ずかしくなりますね。

15歳でネットアイドル?的な立ち位置で存在感を示したところや

イベントビジネスで成功して、会社経営まで順調にいっているところなどは

ちょっとしたノウハウとしても学ぶところがありますが、

本題は

一度は世界の不条理を全て自分が抱え込むような精神状態にまでなっていながら

誰かを救おうと活動するようになったのか。

というところではないでしょうか。

書名にあるように、モカさんは2015年のある日、マンションの12階から飛び降り自殺を試みます。

そこに至るまでの経緯は本人のTwitterへの投稿が本書に引用されているので

まるで今目の前で誰かが助けを求めているように心を揺さぶられてしまいます。

死に切れず、全身の痛みに苦しみながら気づいたのは

生きることをつらいと思うからよりつらくなるんだ。痛いことから意識をそらすために今やっているように、楽しいことを考えることが『生きるヒント』になるのではないか

ということ。

今まで何が一番楽しかったか。

それは

他人のために何かをし、喜んでもらえた時だ

と気付きます。

それはマズローの五段階欲求説に根拠が求められています。

それが無償の悩み相談に繋がり、

好きなことをして生きるための学校を作ろうという発想になり

働けなくても、お金が無くても、住める。駆け込み寺のような、家々を作るという計画です。ベーシックインカムを、お金ではなく衣食住を提供して実現させるという試みに繋がるのでしょう。

まだまだ悲惨なことが多い世界に差し込む一条の光のような清々しさを感じます。

4、実現したい社会

いかがだったでしょうか。

本当に実現するの?という感想を持たれるかもしれませんが

それは今後の成り行きに注目する、という楽しみができたと捉えてみましょう。

さて、翻って私はどうするか。

モカさんの活動に共感はしますが、私にできることはあまりなさそうです。

それより感じるのは自分が実現したい社会についてのイメージが明確で

次々に言語化して、実践を行なっていることに驚嘆してしまいますね。

まずは自分が実現したい社会をもっと明確に言語化して

そのために必要なことを小さいことでも少しずつ積み上げていくしかないですね。

幸いにして今の所モカさんに相談したい悩みはない私ですが

大切な人が生きづらさを抱えて悩んでいたらぜひおススメしたいと思います。

読者のみなさんはどんな社会だったらいいと思いますか?

そんな壮大な話をしてみたくなりますね。


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