見出し画像

第50回 新緑の季節に

1、導入

6月は町に修学旅行生が多くやってきます。

近県の小学校六年生でしょうか。

町内の小学6年生も、毎年6、7月にお寺を案内するようになりました。

6年ほど前でしょうか、

当時はお寺の大修理が佳境で、大屋根という本堂全体を囲った足場に登って修理の状況を見学できるようになっていました。

町に視察に来た方々を度々案内している中で、

100年に一度の大修理ですからね!

と必ずアピールしていました。

県から派遣されてきた社会教育主事という教員出身の先生が同じチームにいて

ふと

子供達にもこの光景を見せたいですよね。

とぼやいたところ

すぐに動いてくれて

町内の小学6年生に現場を見せることができました。

それから修理が終わりに近づいて、特別感がなくなっても

町の歴史文化を代表する寺院を知っておくべきだ、

という考え方で今まで継続し、定着してきました。

2、男子と女子の違い

先日もとある小学生を案内していると、

と言っても今回は後輩学芸員さんに任せて私は後ろから見ていただけですが

同じ6年生でも男子と女子ではだいぶ雰囲気が違うことに気づきましした。

男子は友達とふざけあったりしている一方で

女子は自分達が固まって説明を聞いているために通路を塞いでいることに言われなくても気づいて、

後続の観光客を促したり、展示ケースのを見えるようにスペースを空けたりしていました。

大人でも中々できないことと感心してしまいました。

3、わかりやすい言葉を選ぶこと。

一方で3年生も街中探検みたいな行事で同じお寺を少し訪れます。

こちらも学芸員が案内します、とのことで仕事を受けました。

担任の先生は

何回見てもいいですから、

とか

何か一つでも記憶に残ってくれれば、

とかおっしゃっていましたが

何を話していいのかすごく悩みます。

少し先生と原稿を打ち合わせたところ、3年生でもわかる言葉で伝えることは予想以上に難しく

文化

という言葉にしても、大人だとなんとなくわかったような気になってしまいますが

子どもに伝わるか、というと考えてしまします。

大事なことを万人にわかりやすく伝える工夫。

私自身とてもいい勉強になります。

4、不思議なチカラ

ちなみに、先日案内した六年生が

意外にも展示されていた「能面」

に興味を持ってくれていました。

不気味さから怖がっていた子もいましたが

子どもの素直な感受性からの学びも多くあります。

身分の高い人が教養として実践した能。

幽玄の世界を表現する道具にも人を引き寄せる不思議な力があったのでしょうか。

劇にはチカラがある。

今日は一段ととりとめのない話で失礼しました。

#コラム #わかりやすく伝えること #劇のチカラ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?