第88回あなたにとって価値があるものは?


1、価値を生み出すとは

落合陽一氏のインタビュー記事より

戦国時代のことを考えてみましょうと。千宗易(千利休)とかはむちゃくちゃなことをしているわけですよ。勝手に「わび茶がいい」ということを戦国大名にインストールしまくって。

落合陽一氏は時の人ですが
著書『日本再興戦略』にも
歴史からの着想が随所に見られました。

今日はこの価値を生み出すという観点から歴史を考えてみようと思います。

2、生み出された価値の例

価値のあるものと価値のないもの、それは多分に主観的なものです。

であれば千差万別。人それぞれ全く違った価値観でもいいはずです。

ですが実際には社会や生活様式といった属性に影響されて、ある程度、価値観が共有されることになります。

例えば縄文時代の翡翠。

良質のものは日本では新潟県の糸魚川市でしか採掘できません。

にも関わらず日本各地で出土しているので

翡翠が価値のあるモノとして広く流通していたことがわかります。

古墳時代になると前方後円墳という高い塚をもったお墓を作ることに価値が見出されます。

古代はなんといっても仏教。経典を納める塚を築くことや寺院を建立することが有力者のステータスになります。

中世では床の間に高級な陶磁器や掛け軸を飾ることが大名たちの憧れになり、冒頭で紹介した落合氏の言うように茶の湯という文化の中で見出された価値は暴騰し、

織田信長の有力武将であった滝川一益が一国一城よりも名器の茶碗を欲したという話は有名です。

いずれの時代も価値を生み出す側はその優位性を利用して、地方や下位の存在をコントロールすることができたのです。

3、現代人の価値観を考える

翻って現代はどうでしょうか。

価値が高いモノとされるのはなんでしょう。幸福を享受するためには何がひつようでしょうか。

縄文時代のように光輝く宝石を身につけることでしょうか。

古墳時代のように誰もがひれ伏す巨大な構造物をつくることでしょうか。

古代のように来世で生まれ変わる極楽を現代に表現することでしょうか。

中世のように粋な骨董品を飾って承認欲求を満たすことでしょうか。

なんか現代に近くなるにつれて、心象風景も近くなっているようにも見えますし

何も本質は変わっていないようにも思います。

多様化が進んで画一的な価値観がなくなっているのが現代の特徴かも知れません。

少なくとも私は、新しいことを知ることに最も幸福感を覚えますし、自分の好きなものをもっとアピールして仲間が増えることが望みです。

新たな価値を生み出す側にはとうてい向いてないかも知れません。

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