第125回 町を活性化させるための土台

1、日本と海外を繋ぐ橋

今日はとある研修会でインバウンドについて学んで来ました。

講師は株式会社ライフブリッチ 代表の櫻井亮太郎氏。

同社は

・YouTuberを使った観光プロモーション

・カタカナ英語を使った実践的な接客英語研修

・編訳という単なる翻訳にとどまらないマーケティング事業

などを手がけているそうです。

櫻井氏は仙台の温泉地秋保で古民家レストランも手がけられているとのことでした。

息もつかせぬ軽妙なトークと豊富な熱量で、すっかり魅了されましたので

少しでもシェアできればと思います。

2、お客が何を求めているか

まずはデータに基づいた現状把握。

インバウンド観光客が増えたといっても、東北に来るのはそのうち1.3%にとどまっています。

インバウンド観光客が増えれば、宿泊費など地方で使ってもらうお金が増える。地方にお金が落ちれば、そこに雇用が生まれる。雇用が生まれれば都市部からのUターンIターンの人材が戻りやすくなる。若い人材が家族で戻ってくれば少子化の流れも少しは食い止められる。

そんなストーリーが描かれていました。

そこまでうまくいくかいな、と思ってしまいますが、地域の人たちが理解して、インバウンド観光客を受け入れるようになるためにはこのようなわかりやすいストーリーが必要になるのかもしれません。

現在、日本へのインバウンド観光客は2800万人ですが、東京オリンピックの影響でもっと増えると予想されています。

これまで日本を訪れる観光客は、少なくとも日本文化を理解しているか、理解しようとするほど好きな方が多かったかもしれません。

しかし、オリンピック目的で来る方の中には日本にはそれほど関心のない層も含まれるでしょうから、より一層の気配りが必要となる、とのことでした。

そこで出てくるのがカタカナ英語。

例えば売店の定員さんが最低限伝える必要のあるセリフを徹底的に簡素化して、日本人に馴染みのある言葉に置き換えてしまう。

実例を挙げられないと伝わらないと思いますが、そんな言葉で、という表現で、従来よりネイティブっぽく聞こえてしまうものなんです。

今回の研修での実例ではありませんが

What time is it now ?
(いま、何時ですか?)

を「掘った芋、いずんな」

と言ったらそれっぽく聞こえる、見たいな感じですかね。

3、地元が伝えたいことは何か

そして実例。

日本人がオーストラリアにコアラを抱きに行くように、宮城県は蔵王町のキツネ村に外国人がおとずれている、とか

日本人が和食と思っていなくても、外国人は和牛やとんかつ、焼き鳥などの肉料理を好んで食べる、とか

日本土産として、1番人気のお菓子は「キットカット抹茶味」だとか

小ネタが次々と披露されます。

そして個人的にもっとも刺さったのは

編訳

という部分。

現在は翻訳ソフトなど、様々なツールの精度が向上して、日本語を直訳することは容易になりました。

しかし、それでは本当に伝えたいことが伝わっていないこともあります。

何を伝えたいのかを考えて、編集した上で訳すことが必要です。

五大堂を Godaido Temple と訳したところで何も伝えられていないのです。

それと、歴史文化だけではインバウンド観光客の心を掴むコンテンツにはならないということ。

例えば歴史に裏打ちされた体験活動とか、食文化とか、地元の方の暮らしとか

そのように他のコンテンツを支える土台になるのが本来の歴史文化の役割だと再認識しました。

わが町が取り残された観光地にならないために考えるべきことは多いですね。

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