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気象学の講演に参加しました

今回は気象学です。テーマは台風の観測の話でした。毎回面白い講演で捗ります。


話を聞いて、大事だなと思ったポイント

今回は書く順番を変えてみます。個人的な感想から先に書きます。
読んでいる人に役に立つだろうなってポイントを書いていきます!
興味が湧けば、その後の講演のまとめにも目を通してもらえると良いかなと

①台風の被害は大きく風と雨と分かれていて、それぞれの発生箇所と気をつけるタイミングが異なる。
台風は勢力を表す基準としてhPa(ヘクトパスカル)があります。
これは周辺より数値が小さい方が強くて、これは気圧を変化させているエネルギー量を表しています。もちろんそのエネルギーが大きい方が危険です。

エネルギーが大きい台風は、それだけ強い風が台風を中心に発生します。
強い力で大気がかき混ぜられてる感じですね。この辺りは気象ニュースでよく言われていますし、台風が近くなると風もだんだんと強くなるので警戒もできると思います。

ここで気をつけるのが竜巻だと思いました。
竜巻は暴風地域とは発生場所が異なるそうです。台風はかき混ぜられている大気の一番端の場所が一番不安定な状態になるそうです。
その不安定な場所でよく起きるそうです。
そして、中心地点より400km離れた地点が統計的に多いと聞いて驚きました。そこまで離れているとおそらく油断しています。
〜から〜kmの位置を北上しています、とニュースで言われているキーワードに気を付けてみて頭の片隅に置いておくといいかなと思いました。

竜巻が起きたらどうするのって感じですが、車が飛んでいく映像など見たことあるので、まだ台風が遠いから、遠ざかったから、と無闇に外に出て移動しないようにするくらいでしょうか。

②雨量は台風の勢力と比例しないこともある
相関関係ではないって表現の方が合っているかもしれません。
雨の降水量は大気に含まれている水分量に依存します。
そして空気に水分が多いのかどうかが勢力と関係がありません。
水分量だけの分布をモニタリングすると、太平洋から大量の水分を含んだ雲の流れを連れて北上している台風があるようです。
このパターンの台風は進行方向の東側、上が北なら右です、に多くの雨を降らせるようです。
この引き連れている大気の流れが作り出す、多く雨を降らせる環境が、近年よく聞く線状降水帯です。

そしてゆっくり進行の台風だと余計に降雨量が多くなる傾向になります。
台風自体の勢力が強くないのに、雨の被害がひどいのはこれなのだなと理解できました。
水分量のモニタリングは公開されている情報から集めて予想するのは面倒だと思うので、台風が自分の場所の左を通って行く際は雨に気をつける、という意識が大事かなと感じました。

なぜ気象学で台風なのか

この部分を最初に話されてました。
理由は被害の金額の大きさが大きいから、でした。日本は台風が多いですし、保険による支払い額もダントツで多いようです。
でも歴史的には研究できる環境と分析できる情報が取れなかったので台風研究は最近始まった学問だと言われていました。

歴史的にどう研究されてきたのか

歴史の書物にも台風だろうなと思わしき表記があるそうで、昔から日本は台風と共に歩んできているようでした。
それが古事記レベルに古い資料にもあるという事実が驚きでした。
近年急に現れたものではなくて地理的に日本付近は台風と浅からぬ縁があるようです。
強すぎるものなので神格化されていたり、抗うものではなくどうやり過ごすかって観点だったようです。

最後の方に、台風が全くなくなったら逆にどうなるんですか、と質問がありました。
・海をかき混ぜてプランクトンを発生させるメカニズムに関わりがある
・熱エネルギーの循環に寄与
・水資源としてかなりの貢献
この辺りが問題になるようでした。農作に関しても雨量が大事でそれと共に歩んできているなと感じました。
何にしても極端に増やしたり無くしたりするのは問題が発生しますね。

取り組んでいる観測方法

ジェット機で台風に突撃して観測地点を一定距離ごとに決めて、観測機器を投入してデータ収集。これを行なっているそうです。

文字だけだとやばい感じがしますが、台風は天候変化している空間の限界高度が決まっていて、ジェット機の飛べる高さでは雲はあっても天候が荒れていることはないそうです。
そして上空から機器を投入していくと、ちょうどその変化している中のデータも取れるという作戦です。

日本だけでなくて他の国も研究しているそうで
アメリカは実測の観測がしたくてプロペラ機で強い空気の層に突撃しているそうです。(要するに低空域の観測)
ジェット機とプロペラ機の高度と氷に対する強さの違いからそうなっているのでは、との見解を聞きました。


課題と展望

まず研究の環境に関して、ジェット機を日本が保有して研究に活用することが非常に難しいのでそこを解決させたいと言われていました。
そのために研究を周知させる必要があって、今回の講演もあったのだなと思いました。

そして台風の予測の内容としての課題は
進路予測の精度や技術は上がっているけど、勢力(強度)の予想ができていない部分でした。これは統計的に予想した勢力と実際の数値との開きが変わっていないデータの提示がありました。
具体的に1987年からそれが顕著になっていて、その分かれ目の原因が観測をやめたからという大きな要素があったそうです。

パソコンのシミュレーションで予測しても勢力の変化に関しては今の技術ではズレるそうです。なので足りないデータ、何が要因なのかを実測でデータ収縮したい、という流れでした。
さらに雨の予測が難しいそうです。

なので個人としては、予報が外れたよーと当てにしなくなるわけではなくて、今の制度では進路は当たるけど強度予測はまだまだ改善途中と覚えておくのが大事かなと思いました

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