大学院生は金が少ない

 私は大学院生である。正直あまり進学する気も無かったが、成り行きで院生になった。大変なことも多いがスネをかじりながら楽しく院生生活を送っている。私は大学生時代は理工系のことについて学んでいた(それ以外も学んだが)。院では人文系の院に進んだ。正直ウチの大学院は私をとったなと感じる(面接もあったがあの受け答えでなぜ合格にしたのかは未だに分からない)。両方知っている人間として感じていることについて書いていこう。

 理工系の良いところはお金がかからないことだと思う。この視点は学生目線の話である。教授目線であればお金は沢山かかる。私のボスは1000万円する機械を一括で買うなら700万にまけてくれると言われてとても悩んでいたし、私は研究で1000万円以上する機械を何回も動かしていた。しかし、学生目線で言えば金はほとんど使わなかった。試薬は教授の研究費からでる。試験管もビーカーも洗浄用のアセトンも蒸留水も全ては教授の研究費である。自分で使った金といえば白衣くらいであろうか。これも講義の学生実験で購入したものだから研究室に入ってから買ったものではない。ともかく理工系は金を学生目線では使わずに卒業したなと感じる。

 では人文系はどうなのだろう。私は学部時代に人文系にいたわけではないから学部時代に使う金は正直分からない。しかし、現状使う金として学部時代より使っている。研究に使う本は図書館にないことも多々あるのでそうなると、図書館に頼んで他大学から取り寄せることも多い。そうなるとそこで出費がかさむ。一回の料金は500円前後のことが多いが塵も積もればなんとやら、あっという間に金が飛ぶ。さらにこれは手元に置いておいた方がよいなという本は購入することもある。たまにジュンク堂にいって購入することも多い。そうなるとあっという間に金がなくなっていく。正直こんなに金が飛ぶとは思っていなかった。学部時代は良かったなぁと思うこともしばしばである。大学は総合大学であったので先輩の話だと、早急に資料が必要で取り寄せている暇がない時には新幹線に乗り、国立国会図書館に資料を取りに行っていた。初めてその話を聞いた時には「やべぇなこの人…」と思っていた。しかし、現に人文系にいるとその気持ちがよく分かる。理工系にいたら一生分からなかった気持ちだろう。

 大学生は金がないと言われる。金がない理由に飲み笑やファッション笑に金を使う学生もいるが、真面目に学んでいても金が吹き飛ぶことも多いことを知ってもらえると少し嬉しい。

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