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Portfolio.No16 花束

現在、銀座中央ギャラリーで開催中の

哲学者の薔薇園企画「空に溶ける闇に浮かぶ」

出品作品「花束」について・・

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花束にしては、何か悲壮感漂うイメージに見えるかもしれません。

私の絵の中は陰陽が有ります。

「花束」・・そう花束とは、地に根が張り咲き乱れる園から選定してイメージの通りアレンジし人にプレゼントするものだと思いますが・・

私は摘み取られるものの視点から描いています。

芽吹き、根を張り、葉が茂り、蕾を成して

開花

花弁がしおれ落ち

種となり

地に帰り

また芽吹く巡回を繰り返す

輪廻転生というモノがあれば、少し似ていると思います。

その一生を成せず摘み取られ種を成すことも無く花弁が腐り終わる

家に飾ていた薔薇をみて不意に過った事でした。

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花には迷惑かもしれませんが、花が枯れるまで飾る事にしています。

見た目が変わり、次に香りが変わってくる。

花の死臭というのでしょうか・・ああ終わるな・・という香りです。

身内が亡くなった時も、その人から長年嗅いだことのない香りがして

嗚呼、本当に居なくなってしまったと痛感するのです。

私は花の一生と、人の一生をよく重ね花と女性像を描く時が有ります。

介護施設で働いていた事も関係しているかもしれませんが・・

ご利用者様の人生を夜更け聴く事が良くありました。

夢に溢れた若い頃、恋をして結婚して子供を成して成長を見守り

やがて老いを感じ伴侶とこれからどうしようと未来を想像した時に

病気になってしまわれた事

とても辛い話なのですが、なので言葉が響いたかもしれません。

「やりたい事があるのなら、身体が動くなら諦めない方が良い」

その頃は身内が亡くなり、絵が思うように描けなくなって果ては何も浮かばなくなり・・好きだった画材店の仕事も身体を壊して・・家に閉じこもって数年・・人の役に立とうと資格を取り介護の道で生きて行こうと思っていました。

人の役に立つ・・

響きは良いかもしれませんが、絵ばかり描いていて身内の病気に気付けなかった後悔もあったかもしれません。そんな思いで介護に従事していたら膝を悪くし、ある朝片足が動かなくなり、離職・・3年間杖を付き・・自暴自棄になり・・何もしたくなくなりました。

自分の理想の人生が途端に摘まれるときの心情というのは

言葉にならないものです。

またもう諦めた事が不意に目の前に現れる事もあります。

私に関していえば「絵を描く」という事ですが、それには今回の主催である

由良瓏砂さんとの出会いが関係していますが・・長くなるのでまたの機会に・・

陰陽というのは

いつか摘まれるかもしれない人生

なので今ある人生を大切に歩んでいこう

という意味を込めました。

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終わる人生に喝采を

新たな一生に祝福を

愛をこめて

花束を

「花束」

作品サイズ:301×211㎜ 額サイズ:424×348㎜

インク・ケント紙

*画像の無断転載禁止


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会場風景提供:小松晋一朗

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*ご来場はマスク着用にて宜しくお願いいたします。

*記載修正:出展者によるギャラリートークは配信のみとなりました。

会期中出展作品について紹介しようと思います。

「アネモネの心」についてはこちら

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