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忍び寄る不安、そして決意: Day 30

このお話は、「ある日夫婦が逆転したら」というマガジンのvol.3です。

前のお話はこちらのマガジンからどうぞ↓↓↓


朝起きると、朝ごはんのにおいがただよってくる幸せ。

支度は自分のものだけをすればよくて、

宅急便の再配達指定も

学校や保育園の提出物も

呼び出しも、みんなやってくれる人がいるなんて、人生で初めてかもしれません。


今までは、一人で朝の支度も夜のお世話もみんなやっていて、

忘れ物をしたり、

提出物が遅れたり、

呼び出しがあってもすぐに駆けつけられなかったり・・・・・・。


いつも何かに追われていたのが嘘のように楽になりました。

支えてくれる人ができたから。


毎日、お夕飯を家族全員で食べられて、「おいしい〜!」と喜んで、

とても幸せな時間で、

毎日が楽しくて、

ずっとこのままの時間が続けばいいのにと思っていました。


その間、何度か夫は会社に呼び出されていました。

あまり多くを語らなかったところを見ると、良い話ではなかったのだと思います。


結局、退職の手続きをしてもらえたのは、退職期日の前日。

競合避止の全ての対象企業が明らかになったのも、この日でした。


その間、転職活動はできず。。。


結局、行く先が決まらないまま退職期日を迎えました。


やっと転職活動ができるとはいえ、翌日から無職、無給の日々が始まります。


「どうなるかわからないけど、

 私のお給料分だけで家族四人、暮らしてる人だっているもの。

 何とかするよ。」


完全に強がりだったと思う。

でもとりあえず笑顔で毎日そう言っていました。


そう言ってさえいれば、いつかこのトンネルを抜けた時に、

みんなで笑っていられるような気がして。


この頃、とにかく笑っていました。


日々、「ありがとう」を欠かさずにいよう。

今ある幸せを大切にしよう。

笑顔でいよう。


小さな決意で不安をかき消して、その先にある何かをつかめる日を待っていました。

ある日突然夫婦の役割が逆転(!?)した共働き夫婦+息子2人の家族のドタバタ劇。心がついていかない、でも、刻々と状況は変わる・・・この先家族はどうなるの⁈