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ハハノヒに…

母の日。私は息子らから一度もプレゼントを貰ったことがない。

子供たちが小学生のころマンションでは日中人がいないので切り花はすぐ枯れるからカーネーションを要らないと断ったことがありそれから何かにつけ

「俺らがこどものころの純真な気持ちを受け取らなかったからもうやらない」

ということでそれ以来一度も「いつもありがとう」のことばもない。

まぁ、改まって感謝して欲しいアピールというのも違う気がするがそれにしてもふたりとももういい年齢なんだからちょっとは気にしてくれてもいいんじゃあないか?

何かが欲しいというわけでなく、せめてその辺りは私の代わりに家事をしてくれるとかでいいのだけど。

平日は仕事で週末は家の掃除。掃除や食事の支度を変わってくれるだけで、ものすごくうれしい。

休日に朝から掃除でなくどこかに出かけて帰ってきたら家の中がピカピカだったらきっと感激するんだけど…。

そんなことをつぶやくのだけど聞いちゃいない。

ふたりともそれぞれバラバラに画面の前でゲームに明け暮れている。

でもまぁ、それぞれの部屋はそれぞれで掃除をしてくれるし私がするのは居間や廊下やトイレなどの共通の場所だけになったからこの子たちが幼かった時期より随分楽になった。

次男も大学生になったので自分の部屋の掃除も洗濯も協力的だ。

子供が手がかからなくなると逆に実家の両親が色々と出来ないことが増えてきて日々一緒に暮らす妹たちからSOSが届く。

大人の出来ないというのは、肩代わりしてやる方にストレスがかかる。

かつて自分ができていたことが出来なくなった人はプライドがあるのか自分の思うとおりに行かないと文句を言うし、いつもこちらのやることを見張っている(妹談)。

親にとってはいつまでも子供は自分の所有物らしく、言いたいことをいう。

そんな訳で妹たちは週末にギブアップしてしまう。

私もGWに一緒にいて良くわかった。

母はよその人にはいい顔をする。嫌味なことを言わず文句があってもいう事を聞く。その分家ではわがままを言う。何かといえば

「一緒に住んでくれなくて結構。出ていけ」

これを言われ続けると本当に出て行きたくなる。なので下の妹は週末は部屋から出てこない。顔を合わせると嫌な気持になるからだろう。父は文句を言う人ではないから、母がいないときに父の世話をしている。

母の言葉に傷つくのは分かる。私も息子たちの幼いころは帰宅が遅いので実家に子供たちをお願いしていたが、次男が中学受験して今の家からの方が通学が楽なので私たちとの生活に戻った。

「子供がいるとからだがしんどい」

と少し前から母が言い出したこともあり、それならいい機会だと。

それまで私は毎夕食の後かたずけと子供たちとの入浴と寝かしつけを日課にしていた。それでも私が帰宅する(職場から一旦自分の家に帰宅し、それから実家に車を飛ばしていた)までは大変だと分かっていたし、子供たちの小さい頃は保育園の送り迎えを全て頼んでいたから本当にずっと大変な思いをして育ててくれたことを知っていた。

(それまでは週末だけ子供と一緒に過ごした。正直車で片道30分というのはそれほど近くもなかったが若かったし、仕事が今より楽だったから続いた。主人はいつも夜中に帰宅するハードワーカーだったし、単身赴任を何度もさせてきたから全く子育てをあてにできなかったしその気持ちにもならなかった。あてにしてはかわいそうだと思っていた)

息子たちと暮らすのは妹や私の両親にとって大変だったろうが楽しくもあったろう。大人だけの生活になってからはあちらの方から理由をつけて家にやってきた。

子供たちが大きくなってくるとやれ庭の木を切れ、部屋の模様替えに手伝えと言って息子たちはその度かり出された。彼らは自分たちの時間が減るのは嫌だったが、幼いころの恩義を感じて出かけて行った。

息子たちが私の両親のために実家に足を運んでくれるのでもしかしたらこれは日々母の日の様なものなのかもしれない。

そう思うと母の日の感謝なんてことを要求するのは間違えなのかもしれない。

そんなことよりここまで立派に育ってくれてよかった、育ててくれた私や主人の両親や妹たちに感謝しないとならないのだろう。

息子たちはどちらの実家にとっても唯一の孫であり甥っ子たちなので、夏休みや冬休みは幼いころからひと月やふた月主人の実家に行って過ごしていた。北海道と遠いので一度行くと長く過ごす。そんな生活は彼らにとっては幼いころから当たり前だと受け取って過ごしていたろう。

子供の夏休みは私にとっては母親業の夏休みであり普通の母親とは違う生活を過ごしてきたと思っている。その時期は自分のために時間すべてを使えていたから。

息子たちはみんなに育ててもらった。彼らが優しくて人のことを思いやれる人間に成長したのはたくさんの人の手を借りて育ったからだ。

母の日の感謝なんて言って貰う必要もないのだな、ここまで来てふとそんなことを思ってしまった。順調にここまで育ってくれて本当にありがたい、ありがとう。息子たちがいてくれることが何よりのギフトだった。

まだまだたくさんの記事を書いていきたいと思っています。私のやる気スイッチを押してくださーい!