人の後ろ姿におもう
後ろ姿と言うのは無防備なものだと他人の後ろ姿を見て感じる。
襟がめくれていたり、ストールの下に長い髪があったり、ストッキングが伝線していたり、コートのベルトがねじれていたり。
少しだけ自分の姿に気を使うことが出来れば気がつけることばかり。
それだけ朝に時間をかけられない人が多いと言うことなのだろう。
先日の出勤時急いでいる親子を見かけた。
母親の上着の裾はめくれ上がり、小走り気味に駅へと向っている。
後ろを小学一年生とおぼしき男の子が走ってついてきている。だが子供の歩幅では小走り気味の母親に追いつけない。
体に対してランドセルはとても大きい。
小学一年生にとってランドセルは重いだろうが母親の方は後ろを確認することもない。
先に駅についた母親は券売機で切符を買っている。
なるほど男の子にはこれから行く場所の定期券がないらしい。
程なく息子が到着すると子供用切符を渡していた。
男の子は私の前をピヨピヨと改札を鳴らしながら通っていった。
母親は相変わらず先を行く。多分電車に乗り込むまでの時間のことしか考えていないのだろう。
子供の方は母親を見失うまいと必死について行っている。
私はこの光景を見ながら、なぜこんなに余裕がないほどギリギリの朝になったのだろうか?と考えていた。
いつもより出かける時間が早いのだろうか。
子供がなかなか起きなかったのかもしれない。
母親もまだ大丈夫だろうと思っていたが殊の外息子の歩みが遅かったのかもしれない。
小さい子であればあるほど時間に余裕を持った行動をしないとならない。
私もいつもギリギリの人なのでこの時のおかあさんの気持ちはわからなくもない。
だけどこれは今日だけだといいなとこの坊やの事を考えながら思った。
余り急かせた毎日では可愛そうだ。
おかあさんの方も上着の裾はめくれたままだし。
これって仕事にも通じるな、と思う。
時間の余裕を見て色々なことをしていかないと期日に間に合わなくなる。
「まだ大丈夫」は命取りになる。
時間の余裕がなくなると人はケアレスミスを起こすし、そのミスの為に更に時間がかかってしまう。
だから日頃から時間の余裕を持てるよう下準備はしておかないとならない。
今朝のおかあさんの場合なら、朝の仕度なら最小限でいいように前の晩に用意しておくべきだろう。
早朝起きるのは大変なので、夜眠ると決めた時間は必ず眠る。そうしないと疲労が蓄積されて朝は時間に起きられない。子供が小さいとそちらを優先してやらないとならない。
私も同じことをしてきたから仕事と家庭の両立の大変さは分かる。
10年後には随分楽になる。若い今だから大変な事が出来る。若いうちには体力があるから。だから頑張って欲しいなと思う。
人の振り見て我が振り直せではないが、私も時間にもう少し余裕を持って出かけようと今更ながら思った朝であった。
まだまだたくさんの記事を書いていきたいと思っています。私のやる気スイッチを押してくださーい!