最適化時代における、体験の価値

インターネット上のサービスは、ユーザーにとって確実に使いやすいものになってきています。

2,3年前の経済誌ではビッグデータという言葉が、ある種バズワードのような形で広まり、今ではそのデータをどのように使われるか、という文脈で「AI(人工知能)」という言葉が広まっています。

インターネットのサービスを利用するにあたり、僕達のデータは様々な形で採取(搾取ではなく)されています。

Amazonや楽天、音楽サービスのSpotify。SNSツールであるfacebookやInstagram、twitterなどは、優秀なシステムエンジニアによって、ユーザー個々に応じた、最適な情報を届けるようになりました。

Amazonや、facebookについても、最新の情報がピックアップされているのではなく「ここ最近で投稿され、且つあなたに近しい属性の人達が積極的に見ている情報」を提供してくれるようになりました。

広告なんていうのは、その最たる例です。ユーザーの購買行動や、インターネットの閲覧履歴などを分析され「今まさにあなたが必要な情報」を届けるという、圧倒的な最適化が進んでいます。

しかし、先日Spotifyで音楽を聴いていたら、全く知らないアーティストの音楽を聴いて、すごく興味を惹かれた音楽がありました。

もちろん、興味を惹かれる前段階において「ぼくが好きであろう音楽」という確からしいレコメンドはされていたと思いますが、まんまと良いなと思い、そのままそのバンドのライブに行くことを決めました。

Spotifyを使っていると、無料会員ではない僕には広告が入ります。
その広告の中で印象的だったのが

「予定調和では生まれることの無い、音楽との出会い」

という言葉でした。

***

ライブに行くこと自体、とても久しぶりで、地下に位置するそのこじんまりとしたライブハウスは、音楽のそれ同様のアンダーグラウンド加減が絶妙だった。非現実的な感覚を味わうには充分だ。

カウンターでハイネケンを注文した。
音楽はもちろんだけれど「ハイネケンを瓶ビールで飲む」という感覚が、ぼくのライブ体験の価値を増幅させていた。

まばらに入場してくる女性の香水の香りや、ライブハウス独特のカビ臭さが、感情を昂(たか)ぶらせた。

地下に位置するゆえに、遠慮なく響き渡る渡るベース音は内蔵まで響き渡る。


インターネットをさ迷っているだけで、これまでとはまったく違う体験できるような気がしているが、相変わらず人間の五感は、視覚や聴覚だけで得られる刺激なんてたかが知れていて、触覚、味覚、嗅覚にももっと刺激を与えた「体験」を欲しているのだと思う。

最適化されているだけでは、五感は満足しない。

最適化された世の中で「分かった気」にならず、もっともっと五感を遊ばせよう。

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土屋

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