見出し画像

押井守のサブぃカルチャー70年「石ノ森章太郎の巻 その2」【10月号 押井守 連載第6回】

連載第6回となる今回のテーマは、前回に続き「石ノ森章太郎」。『009』が大好きすぎる押井さんだが、いつの間にか話題は『攻殻機動隊』にそれてしまい、制作秘話を明かしつつ、ガンオタ魂に火がついてしまう…。
取材・構成/渡辺麻紀

連載第0回(無料)はこちら

前回の連載第5回(「石ノ森章太郎の巻」)はこちら


ガジェット系の理屈を映像化するのは大きな課題
『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』のときは…


――前回に続いて石ノ森章太郎の『サイボーグ009』(1964年~)についてです。

日本人はサイボーグに抵抗がないからね。『エイトマン』(1963~1965年)、『009』、『仮面ライダー』(1971年~)……改造人間大会ですよ。改造人間に抵抗がないのは日本の文化の特徴と言ってもいい。

――ということは、西洋の人たちは抵抗がある?

宗教的、倫理的な問題があるから。人工臓器の問題にしても日本人はわりと平気なようだし、基本的に日本人は身体をいじくることに抵抗がない。それで日本のヒーローにサイボーグ系が多いんです。
これは考察に値する問題だと思うよ。だって純然たるロボットのヒーローとなると『鉄腕アトム』(1952~1968年)くらいなんじゃないの? 人間が操縦している『鉄人28号』(1956~1966年)や『マジンガーZ』(1972~1973年)等を別にするとね。等身大のヒーローはイコール、サイボーグなんですよ。
そういう先鞭をつけたのが石ノ森。ちゃんとサイボーグのボディの設計図もあって本格派っぽかった。加速装置とかもね。

――奥歯がカチっと鳴るんですよ。あれはかっこよかった。

ここから先は

3,112字 / 1画像
「TV Bros. note版」は、月額500円で最新のコンテンツ読み放題。さらに2020年5月以降の過去記事もアーカイブ配信中(※一部記事はアーカイブされない可能性があります)。独自の視点でとらえる特集はもちろん、本誌でおなじみの豪華連載陣のコラムに、テレビ・ラジオ・映画・音楽・アニメ・コミック・書籍……有名無名にかかわらず、数あるカルチャーを勝手な切り口でご紹介!

TV Bros.note版

¥500 / 月 初月無料

新規登録で初月無料!(キャリア決済を除く)】 テレビ雑誌「TV Bros.」の豪華連載陣によるコラムや様々な特集、テレビ、音楽、映画のレビ…

TV Bros.note版では毎月40以上のコラム、レビューを更新中!入会初月は無料です。(※キャリア決済は除く)