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報道番組志望の新卒社会人が1年間ADとして働いてみて感じたこと

こんにちは。菊池樹(きくちたつき)と申します。
テレビ朝日映像という映像制作会社でADとして働いています。
昨年の6月から1年間、テレビ朝日系列の報道情報番組で働いていました
そんな私が、実際に1年間テレビ業界で働いてみて感じたことをnoteにまとめてみました。

なぜテレビ業界で働きたかったのか

学生時代、私はテレビ番組をほとんど見ていませんでした。
YouTube等の動画共有サービスやNetflixなどのサブスクリプションサービスで映像作品を楽しむ時代。私のように“テレビ離れ”している若者は少なくないと思います。(現に私の友人たちもテレビはあまり見ていなかったと思います・・・。)
そんな私がなぜテレビ業界で働きたいと思ったのか。
それは「ニュースを作ってみたかった」から。その1点に尽きます。

私の場合、バラエティ番組はほとんど見ていませんでしたが、ニュースだけは毎日見ていました。というより、私の家庭では朝食を食べるときに、当たり前のように朝の情報番組が流されていて、「見る」というよりも当たり前のようにそこに「あった」という感覚の方が強いかもしれません。その中では、世の中で起こっている大事件をスリリングに扱った緊張感溢れるVTRや、中高生の間で流行っている美味しい食べ物、今日の運勢など、多種多様な情報が福袋のように凝縮されていて輝いて見えました。

他にも「普通では出会えないような人と関わる仕事がしたい」「リアルな現場の雰囲気を直接感じたい。それを伝えたい」など理由は多々ありましたが、テレビ業界、報道番組を志望した根底には朝の食卓や夜に見ていたニュースの世界があります。

入社した「テレビ朝日映像」という会社について

その後、就職活動を経て、実際に入社した「テレビ朝日映像」という会社は、このような番組を制作しています。
○「羽鳥慎一モーニングショー」「大下容子ワイド!スクランブル」などの情報報道系番組
○「徹子の部屋」「今夜はナゾトレ」「ノブナカなんなん?」「じゅん散歩」「人生の楽園」などのバラエティ・ドキュメンタリー番組

その他にも制作に関わっている番組は多岐に渡りますが、私が「テレビ朝日映像」に入社した理由は2つあります。

①テレビ朝日の情報・報道番組のほぼ全ての制作に関わっている!


私の目標は報道番組の制作に関わること。
テレビ朝日映像という会社はテレビ朝日で放送されているほぼ全ての情報・報道番組の制作に関わっている会社です。そういった意味で自分の行きたい報道系の番組に配属される可能性が高いですし、何よりしっかりとしたノウハウを持った先輩たちから直接指導を受けることができます。これは長年、報道番組の制作を請け負ってきた歴史ある会社だからこその強みです。

②報道番組だけじゃない!バラエティ、YouTube配信までジャンルを問わない番組制作


またこの会社には報道番組に限らず、オールジャンルの番組制作実績があることも大きな魅力でした。
上述した番組以外にも「ARK Streaming Studio」と呼ばれる、自社で収録・生配信までできるバーチャルスタジオも完備しており、アニメやゲームなどの配信番組も制作しています

自分の進みたい方向が変わったとしても、選択できるレールがたくさん残されている。それが「テレビ朝日映像」という会社で働く魅力だと感じています。

実際に配属されたのは・・・?

そのような動機で「テレビ朝日映像」に入社した私ですが、最初の配属先は、なんと私の希望通り朝の情報番組でした!
ついに念願だったニュースの世界へ。
そこには私の予想を上回る大きな学びがありました。

① 経験がなくても面白いアイデアを提供することはできる


私がまず担当したのは、若者向けのテーマを扱うコーナーでした。
配属されて間もない私にできることは企画になりそうな面白い現象を探すことだけだったので、そこからはTwitterやTikTokなどのSNSや新聞を読み漁り、とにかくたくさんネタを出しました。
配属されて2週目の時に、私が出した「リモート同棲」というネタを当時のチーフディレクターが面白がり、企画の体裁を整えてネタ出し会議に提出してくれました。後にチーフから「企画通ったぞ。」と言われた時は、現実味が全く湧きませんでした。
私がそこで感じたことは、面白い企画を考えるのに年齢や経験、知識は関係ないということです。テレビ番組は1人で制作しているわけではありません。たとえ自分にスキルや経験がなかったとしても、ネタが面白い。アイデアが面白い。と周囲に思ってもらえれば、そこには頼れるディレクターたちがいて、そのネタの種を萌芽させるためにチームとして奔走していきます。
経験がないからといって、尻込みするのではなく、まずは企画を出す、アイデアを提案することが、テレビ業界では求められるのです。

参考になるかはわかりませんが、自分の場合は日常で見かけた面白い人や行動からネタを探しました。それこそ「リモート同棲」というネタは、ファミレスに行った時に、近くにいた学生が友達と電話を繋ぎながら1人で何時間も勉強している姿を見て思いつきました。
企画の種はどこに転がっているか分からないですよね。映像制作会社に入社した1年目の人や入社を考えている人は、日常で見かけたものやSNSのトレンドでなんとなく気になったものをメモ(メモしておかないと確実に忘れます!)して、そこから発想していくことをお勧めします。

② テレビの影響力はやはりすごい


スマホが台頭したことで、テレビの視聴時間が減少していると言われる現在。「テレビはオワコン」などという言説を耳にすることも少なくありません。
ただ実際に内側でテレビというメディアに触れ合って感じたのは、やはりテレビの影響力には絶大なものがあるということです。
前述した「リモート同棲」というネタは、そのワード自体、世間では全く認知されていませんでしたが、放送されてすぐにTwitterのトレンドランキング2位まで浮上していました。
テレビがマスメディアとしての機能をいまだに失っていないことを実感した瞬間でした。だからこそ、そこに関わる私たちには、大きな責任が伴います。
制作スタッフは、テロップやナレーションにミスがないか1文字1文字注意深く確認し、伝える情報に誤りや偏りがないか放送される直前まで資料を精査し議論しています。
テレビは短時間で多くの人に情報を拡散できるメディアです。だからこそ、ただ面白いものを作ればいいというわけではなく、その社会的責任を認識し、リスク管理を行わなければないということを徹底的に叩き込まれた1年でした。

私は7月から、報道情報番組から離れ、YouTubeやアニメの配信番組などテレビ以外の動画コンテンツを制作している「デジタルソリューション部」という部署に配属されました。報道番組では経験できないこの部署ならではの学びにたくさん出会えています。

noteでみなさんとその学びを共有することで、自分自身のアウトプットに繋げていけたらと思います。
よろしくお願い致します!

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