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抽象フィルムの先駆者ノーマン・マクラーレン

NoteにはYoutubeやvimeoの動画を貼れるということに今更気がついたのでノーマン・マクラーレンという映像作家を取り上げようと思います。

ノーマン・マクラーレンはスコットランド生まれ、抽象フィルムの先駆者の一人と言える人物で現代の作品にも多大な影響を与えています。このビデオを見ると彼が実験していたアイデアが形を変え今でも使われているのがわかるのではないでしょうか。

マクラレンがアニメーション部門の責任者を勤めていたNFB(カナダ国立映画制作庁)のサイトでも彼の作品を色々見ることができます。

アニメーションの本質を簡潔に捉えた下記の言葉が有名です(Sense of Cinemaから引用しましたがあちこちで見つかると思います)。

“Animation is not the art of drawings-that-move, but rather the art of movements-that-are-drawn. What happens between each frame is more important than what happens on each frame.”

アニメーションとは動く絵ではなく、描かれた動きである。フレームとフレームの間に起こることが、それぞれのフレームの上で起きることよりも重要だ。

Synchromyという作品を見てみましょう。

To produce the film's musical soundtrack, McLaren photographed rectangular cards with lines on them. He arranged these shapes in sequences on the analog optical sound track to produce notes and chords. He then reproduced the sequence of shapes, colorized, in the image portion of the film, so that audiences see the shapes that they are also hearing, as sound. (Wikipedia)

オプティカル・サウンド(optical sound)とは音を光学的に記録する方法のことで、これを用いると音声を映像用のフィルムの上にバーコードやQRコードのような画像として焼き付けることができます。
この映像の音は線を引いた長方形のカードを並べて写真にとりそれをオプティカル・サウンドとして用いることで作られました。さらにマクラレンはその形に色を付け映像にしました。つまりこの動画の鑑賞者は聞いている音を形として見ていることになります。

最後にバレーの動きを多重露光することで作られた1968年の作品Pas de deuxとこの作品を含めマクラレンの作品をベースにして作られたThe national ballet of CanadaのFrame by Frameを貼っておきます。

これは直接的な例ですが、最初に書いたようにマクラレンの影響はミュージックビデオなど様々なところに見つけることができます。映像の歴史、そしてアイデアの元として知っておくのも悪く無いと思います。



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