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デザインシステムの近況

少し前の記事になりますが、FigmaがまとめたState of Design Systems 2018という記事を入り口にデザインシステム関連の情報を色々眺めてみます。

Figmaのような会社がデザインの動向についてきちんとまとめているというのはとても良いですね。デザインツールを作る側にとっては重要なユーザ調査です。

まずは見出しだけひろって全貌を眺めます。追って色々関連記事をまとめようと思います。

デザインシステムはまだ幼児期

Design systems are still in their infancy

デザインシステムはまだ幼児期(infancy)。infantはまだ歩けないくらいの子供ですね。Brad Frostのatomic designや2014年のMaterial Designから数えてもまだ5年(half decade)。

デザインシステムを正当化するのにチームはいらない

You don’t need a team to justify a design system

デザインシステムを正当化するのにチームはいらない。専門のチーム無しでもデザインシステムは始められる。いかにハードルを下げるかは個人的にも気になっているので後で掘ります。

デザインシステムはプロダクトの後で

Design systems usually come after products are built, not before

理想的にはプロダクトと同時にデザインシステムを構築したいところですが、実際には半数以上が既存のプロダクトを元にシステムを作ったと回答しているようです。

最も一般的な成果物はコンポーネントライブラリとスタイルガイド

Component libraries and style guides are the most common artifacts

「デザインシステム」のような言葉は誰かがつけたただのラベルです。上記のように歴史も浅いので人によって解釈や期待する内容も異なります。この調査ではそんな部分にも踏み込んで、現場では実際に何が作られているのかを調べていています。まあ期待通りの回答ですね。

「成果物=デザインシステム」という勘違い

....but artifacts do not a design system make, which is the number one misconception about design systems

 一方でデザインシステムについて誤解されていること(misconception about design systems)についての質問では大多数が、静的な成果物がデザインシステムそのものと同一視されてしまうことを挙げたそうです。

A design system is, at heart, a systematic approach to design, and component libraries or other elements are merely (living) outputs of the system.

デザインシステムとはデザインに対するアプローチです。コンポーネントライブラリや他の要素は単なるシステムからの生きた(living)アウトプットです。ここでは表象的な成果物だけでなく、背後にある原則(principles behind)や考え方のドキュメンテーションの重要性が強調されています。

「デザインvsコード」から「デザイン& コードへ

Today it’s design vs. code, but tomorrow it’ll be design linked with code

the source of truth(正解、実質上の決定事項)がどこにあるべきかという質問に対して55%がデザイン、45%がコードと答えました。意図されたデザインが神か、実際に実装されたものが神か、という議論は未だに意見が分かれるようです。

一方で多くの回答者がデザインシステムの次の大きなステップはデザインとコードの統合にあると考えているようです。デザインと実装をつなぐ役割がより重要になると同時にデザインツールやプロセスの進化にも拍車がかかりそうです。

クリエイティブな自由度

Creative license is encouraged. Design system managers can’t be the dictators of design — they must be the servants, supporting different products instead of policing them.

ここでのlicenseはいわゆる「ライセンス」というよりはより一般に「権限を与えること」です。システムを管理する人は使う人を支配したり見張ったりするのではなく、使う人に奉仕し様々なプロダクトをサポートするのが仕事です。

多くのチームが必要に応じてガイドラインから逸脱することを認めていること、マテリアルデザインがよりブランド表現の自由度を上げる方向へ舵取りしたことなどが触れられています。

始めるなら今

The best time to start is now

多くが、デザインシステムを始めるなら「今」だと回答しています。待つ理由はない、すぐやってみよう。

まとめ

デザインシステムという概念がどのように捉えられ、実践されているかについてよくまとまった記事だと思います。ぜひ原文を読んでみてください。 最初にも書きましたが、面白いリンクや関連記事もあるので少しづつ読んでいきたいと思います。


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