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良いロゴの条件(2)

評価の軸をもつというのはデザイン見る上でも、自分で作る上でも重要なことです。軸をもつと物事を客観的にみて比較できるようになります。また例えば軸が間違っていたり不足していたりしても、「その軸では言い表せない何かがある」ということに気づくことができます。システムを持たずになんとなく主観的に見ているとなかなか先に進むことができません。そう言った意味でもこの記事は役にたつかなと思います。

前回に続きWhat Makes a Great Logoから、後半部分、具体的に良いロゴの条件を説明している部分を読みます。部分的にしか拾っていないので、ぜひ原文も読みましょう!

良いロゴは記憶を元に手で再現できる
Great Logos Can Be Recreated by Hand, Off Memory

If one is not able to replicate the logo, it’s a sign that it isn’t ‘structurally’ adequate for it to be stored in long-term memory, which can be caused by complexity or banality.

もしロゴを再現することができなければ、複雑(complex)だったり平凡(banal)だったりして、長期記憶に残るには構造的に適していないデザインだということです。

ロゴは構造的に安定しているべき
Logos Should Look ‘Structurally Sound’

前回、soundは「理にかなった」という意味もあると書きましたが、それを構造に当てはめると「無理のない」、「安定した」というイメージになります。同じ単語に違う意味があるというよりは、英語を話す人の中では一つの意味だけど日本語にすると文脈によって言い換えたほうがしっくりくる、という感じだです。

Humans are attracted to language and symbols that adhere to organization, alignment, and symmetry.

秩序だっていること(organization)、整列(alignment)、対称性(symmetry)など良い構造を示す言葉として挙げられています。一方で次の段落では、構造的に適切(structually fit)かつ新規性(novelity)があることが必要だとも言っています。

The logo must then be both structurally fit and novel at the same time.

創業者がそのロゴを好きであるべき
The Founder Should Like It

この節は面白いので原文を読んで欲しいです。大雑把にいうとロゴの好みはかなり主観によるので、組織だったプロセス(structured process)と好み推し測るためのディスカバリーセッション(‘discovery’ session)が必要になること、スタートアップとリブランディングでは考え方が違うことなどが書かれています。

The designer must respect the founders' taste, while the founder must respect the designers time.

デザイナーが創業者の好みを尊重(respect)し、創業者はデザイナーの時間を尊重すること、良い理想ですね。

話題になること
It is Remarkable

Remarkableは意外と訳に困ります。remark(意見などをいう、気がつく)が元なので、言及に値する、良い意味で目立つ、注目に値する、非凡な、といったイメージです。「話題になる」はどちらか言えば意訳です。ここでは文脈から面白くて話のタネになるという感じかなと思い。

vocabulary.comの説明がしっくりくるので引用します。

Something remarkable is unusual, exceptional, interesting, or excellent. Remarkable things get your attention. If you take this word literally, you can figure out the meaning: remarkable things make you want to make a remark about them.

良いロゴは多義的(ambiguous)で興味をそそり(intriguing)、時として話のネタになります。

Great logos are ambiguous, intriguing, and often remarkable.

ambiguousは曖昧と訳すとネガティブに聞こえますが、ここでは色々な意味に取れる、複数の意味を重ねて持っている(ので良い)というニュアンスです。文字にも鳥の形にも見えるロゴが例に挙げられています。

まとめ

どうでしたか。これらの視点を元に色々なロゴを見てみると発見があるかもしれませんね。ありきたりな締めですみません。


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