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"槍使い(ランサー)"

『俺の最後は女に刺されるって決まってるんだよ』

DAC 2015 両日卓
キングダム&ドラゴンズ (DM:Sazaki さん)

19レベル
ハーフエルフ 男
ウェポンマスター/ファイター
(マルチクラス/パラディン)

聖騎士だった男。
その男がどこから来たのか誰も知らない。

どうやらどこか遠い所から彼の国に来たのだという。

すらりとした眉目秀麗な
黒髪のハーフエルフの男。
槍を操り強さを誇る、銀の竜バハムートの忠実なる僕。
その姿に女たちは憧れた。

だがしかし、男は実際、無類の女好き。
契った女は数知れず…。

そんな男がある日、戦場である女に出会う。
それはバハムートの美しき女騎士。

その日、彼は不覚にも手傷を負い、動けなくなっていた。魔女軍の兵士が彼に襲いかかったその時、女騎士は、その身を挺して彼をかばい、そして彼の傷を癒やし、彼を救ったのだった。

その日以来、轡を並べて戦う2人。

「この前はすまなかったな。」
「礼などいらないわ。あなたを助けたのはババムートの加護よ。」
「そのつれない素振り、たまらないな。」
「いい加減にして。」
「おいおい、美人が怒ると迫がつきすぎるぜ。」

とかなんとかいいつつも、
やがて2人は、恋に落ちた(割愛w)。

恋など無縁な男だと言われていたが、
ついに年貢の納め時かと、仲間には軽口をたたかれたが、彼は何も言わなかった。

彼女には1人の小さな娘。
戦で死んだ、彼女の亡夫の忘れ形見。
父親を亡くしたショックで、言葉を失っていた。

彼女は、夫を救えなかった自分を許すことができなかった。そして娘が言葉を失ったのは自分のせいだと、神に操をたてていたのだった。

彼は彼女に思いを告げる事はなかった。
彼の女好きは変わることはないかのようにみえた。

しかし2人が親しくなるにつれ、小さな娘は次第に彼を慕っていった。
ある日 娘はついに口をひらき
お父さんになって、と
小さな声で彼に告げるのだった。

彼女は泣いた。
神は私をお赦しになったのかもしれない、と。

彼は彼女に思いを告げて、
2人は結ばれたのだった。

彼は彼女とその娘を命に代えても守り抜く、と、
バハムート神と、彼女の亡夫に誓いをたてた。

命の借りは命で返すものだ、という彼の身を案ずる彼女に、彼は軽口をたたいた。

「簡単には死なないさ。なにせ女に刺され慣れてるからな。」
「どういうことよ、この女たらし。」
「相手がどんなに狂乱しても冷静に対処でき」
「馬鹿じゃないの。」
女は呆れてモノも言えない。彼は続けて言う。
「ほら、心配するだけ無駄だろう。」

彼女は一瞬口を結び、それからため息をついた。

「だったら私たちだけじゃく、聖騎士として『この国』を守ってみせて。刺され慣れてるから、簡単には死なないんでしょう。」
「…手厳しいなぁ。」
男は困ったように頭をかいた。

「私は、この子のように悲しい思いをする人がこれ以上増えてほしくない。だから、この国を守って欲しい。」

娘の頭をなでながら、彼女の瞳が揺れる。

「あなたならきっとできるわ。」
「…仕方ないな。」

彼は言って神にではなく、
彼の愛する妻に「この国を必ず守る」と誓ったのだった。

「…約束、破ったら許さないから。」
「うーん、お前に刺されるなら本望だがなぁ。」
「あら、メッタ刺しよ。私はババムートより怖いわよ。いっそ神に誓っておけば良かったって後悔するわよ。」
「ははは…精々がんばるさ。」

そして彼は
「彼を守る」と誓いをたてようとする彼女を、
その、2度目の誓いを、
頑なに許さなかった。

戦乱の中、ささやかな幸せの日々は続き、
やがて彼女は、彼の子を身ごもった。

大切なものを与えたもうた神は
それを守り抜く力も与えてくださる。
彼は疑うことなくそう信じていた。
たとえ相手が魔女であろうと。

バハムートの加護の元、幸せな日々は続く
筈だった。

ある日、ローハンに魔女の軍勢が押し寄せる。

彼はローハン近くの戦場で、聖騎士長として指揮をとっていた。
ダスクビリアは魔女軍に決戦を挑んでいた。
戦況は有利、王都を守るために、仕掛けるなら今しかないと思われた。

「ババムートの加護は我らにあり!王都に攻め込ませるな!」

そして彼らは戦を制した。
大勝といえた。
彼は誓いを守り通したのだ。
これで魔女軍を挫くことができたはずだ。
ババムートに感謝し、意気揚々と帰路につこうとしたその時、彼らは王都ダスクビリア襲撃の報をうける。

かの戦場は、囮だったのだ。
激しい後悔と焦燥感に馬をかり、彼が王都にとって返したときには、すでに王都は火をかけられ魔女軍に制圧されていた。
戦火の中、からくも家にたどり着いた時には、妻子は無残な姿をさらしていたのだった。

「何故なのだ、ババムート…!」

彼は多くのものを失い、国を失い、家族を失った。
妻子を守る誓いも、国を守る誓いも失った。

王族たちも散り散りになり行方がわからなかった。

大切なものを失ったのは彼だけでなく、彼の部下たちも同様だった。彼はなんとか生き延びた部下をとりまとめ、王都からから逃げおちた。

すまない、と言葉少なに詫びる彼を、悲しみと失意の部下たちは、責めることはできなかった。

だがその日以来、ハーフエルフの槍使いは姿を消した。

「俺は何一つ、誓いを果たせなかった」
という言葉を残して。

彼の部下たちは彼の身を案じ、また反乱軍を編成するため彼の姿を探し求めたが、その日以降、彼の行方は杳として知れない。

全てに絶望して自ら命を絶ったのだとか
単身、魔女の首を狙っているだとか

そして、とある人は言う。
失われた王家の姫君、アンバーの隣にその姿を見た、と。

容姿はみすぼらしくなってはいたが
使い込まれ磨き抜かれたその槍は、かの聖なる槍。
戦場を駆ける“槍使い(ランサー)“ は
聖騎士長シュヴェルトその人だった、と。

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勝手に盛りすぎてすいません (;´Д`)

元パラディンなのでパラディン、マルチクラス。

マルチクラスの1日毎で、ナイトリィ・インターセッションをとっていますが、これは彼が嫁と出会った日に、嫁が彼をかばって助けてくれたパワーです。

ナイトリィ・インターセッションは、彼が使うことができず嫁と娘を守れなかったパワーであり、嫁が元旦那を守れなかったパワーでもあり、嫁が自分を助けてくれたパワーでもあって、彼にとっては特別なパワーです。
今度は彼が聖騎士として姫(王国の未来)を守ることに使えればいいなー。と、こればかりは運ですがw
というわけで、完全にロマンでとっていますw

出身はフェイワイルド、育ったのは人間の村。
旅先でババムートの教えに触れ、ダスクビリアで聖騎士になった、という経歴。

家族を殺されダスクビリアを出てからはしばらく放浪し、信仰を捨て過去を捨て、酒浸りだったりしました。
少し立ち直ってからはやはり身分を隠したまま、各地の小さな反乱勢力に協力して魔女軍の馬車なんかを襲撃したりして日銭を稼いだり勢力を削いだりしつつ…
でも仲間を得ればまた自分のせいで仲間を死なせるかもしれないという恐怖もあり、どこにも属することなくソロ活動。

死に場所を探して単身魔女に挑もうとしたりするも、皮肉にも神の加護なのかなんなのか、ギリギリのところで命を長らえたり。
(もしかしてチャーミングに助けられたのかも。)

そんな中、姫の噂をきいて「国を再建する人間はやはり王家の血筋が相応しく、魔女を倒した英雄がなるほうが、国民の支持も得やすいものだ」と、陰ながら姫を守る事を自らに課した。

かつてあった国は守れなかったので、せめて国の未来(アンバー)は守りたい、という思いです。
(このままじゃ死んだ嫁に顔向けできませんしね。)

死に損なったら
「俺の最期は女(嫁)に刺されるって決まってるんだよ」
という謎のキメゼリフを吐きたいと思います。

嫁さんの名前はテオ。
娘の名前はフィロス。
彼の本名はシュヴェルトといいます。

(余談
テオフィロスで神に愛されたもの
シュヴェルトは剣という意味。)

長々とお付き合いありがとうございました!

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