2019 J1第6節 サンフレッチェ広島vsガンバ大阪 レビュー

サンフレッチェ広島 3-0 ガンバ大阪

           終
         制作・著作
         ━━━━━
          ⓃⒽⓀ

 えーっと。この試合のレビューをする必要はあるのだろうか?という気持ちを抑えて今週もちょっとだけ書いてみようかなと。さすがに細かいところまで書く気は起きなかったので気になるところだけいくつかピックアップして短めにまとめていこうと思います。笑

スタメン

 ガンバ・広島ともにメンバー変更なし。広島はここまで5試合すべて同じスタメンで臨んでいます。一方のガンバは、前節の敗戦を期にスタメンの変更もあるかという報道もありましたが結局同じ11人を揃えてきました。

なぜ同じスタメンを起用したのか?

 やはり今節のゲームでまず気になったのはこの部分です。広島は5節まで一貫して同じスタメン、同じサッカーを継続しています。541で強固なブロックを作り、すべてのゲームで徹底してボール保持にこだわらず、ワンチャンスをものにして最小得点差で勝ってきているチームです。
 一方のガンバが採用した4231は、川崎戦や神戸線の前半のように相手にある程度ボールを持たせる前提でしっかりとブロックを組んでブロックの中で相手からボールを奪い、トランジションで強みを出すという狙いのあるオーガナイズです。
 ボールを持たせたい広島に対して、ボールを持たないときに強みが出るガンバのオーガナイズ。持ってくるコンセプトからしてズレているような気がしますがなぜこのスタメンを持ってきたのか。
 サブメンバーのコンディションが相当に悪いのか、それともボールを持たされる状況でもこのサッカーで何かできるようになってほしいという思いがあったのか、いずれにせよこのスタメンを持ってきたことは結果的には失敗だったと言えると思います。

弱点があぶりだされた3失点

 今日の3失点は3失点ともガンバの弱点というか悪癖が炙りだされたような失点だったと思います。書いててすごく悲しい気持ちになってくるのですが、1失点目の状況を図解してみました。

 まずはサロモンソンにボールが入ったところですが、左サイドハーフに入ったアデのプレスバックがめっちゃ遅い。藤春が1対1なのにジョグで戻っちゃいます。倉田ならおそらく全速力で戻ってたシーンでしょう。
 んで次に藤春のクロス対応。藤春は1対1のシーンだとボールホルダーに寄せられずに結構簡単にクロス上げさせがちです。藤春が1対1で寄せられずにクロス上げられちゃうシーン、相手の狙いどころにされてるイメージです。寄せて遅らせることができればもしかしたらアデミウソンのプレスバックが間に合ったかもしれない。
 そしてヨングォンとドウグラスヴィエイラが競り合って流れた後の野津田への対応。これがほんとに良くなくて、背走してる野津田に対して三浦と菅沼と倉田の3人でアタックにいってしまいます。
 三浦が背後にいる柏のマークを放した結果どフリーでシュートを打たれてしまいます。菅沼は前を塞げてるし倉田はプレスバック間に合ってるので、三浦があそこで野津田に行く必要はなかったと思うのですが、サイドバックでのプレーに慣れていないのか、三浦個人の特性的な部分もあるのか。前節神戸戦の2失点目も、三浦のあいまいな寄せが起点になってしまったので、何か整理がいるような気がしています。
 ⇒(4/8 23:17修正)×三浦 ○小野瀬でしたァーーーッ!!!!申し訳ねええ!!!!図から何から完全にミスってます。ホンマすんません。後で図も直しときます。とりあえず三浦選手に全力で謝りたい。イキり散らしてすいませんでした。noteは取り消し線使えないからこういうときの対応に困りますね。ホンマすんませんでした。今度からもっとちゃんと確認します。
 上記の前提の上だと広島のウイングバックの上がりに対してどうケアするのか構造的に共有されていなさそうだったガンバの準備のエラーという部分がより浮き出るような失点になりますね。。4バックだと確かにあの位置に上がってきた柏は浮く
前提なので小野瀬選手はよくプレスバックしに戻ってきたとも言えるのですがじゃあなんで柏放して野津田に寄せたの??という点は変わらないのでやっぱりエラーはエラーなのですが。。
 改めて申し訳ありませんでした!!!

2失点目は図解するとこんな感じです。

 柴崎のゴールは確かにゴラッソでしたがどちらかというとこちら側のエラーによる影響が大きかったと思います。
 シュートに至るまでに右サイドで密集の局面があるのですが、そこに至るまでのシーンで倉田が川辺に寄せた結果、バイタルエリアにあるスペースがぽかんと空いている状況。そこに柴崎が入りますが、アデミウソンは途中まで追いかけるものの柴崎のマークを外してしまいます。結果的に柴崎がバイタルエリアでフリーで受けられる状況になり、ここから前を向かれてシュートを打たれてしまいます。
 アデミウソンが埋めておけるはずのスペースでしたが、ガンバの4231はカウンター時に逆サイドで浮いてるアデミウソンにボールを運ぶというのが攻撃セオリーの一つでもあるため、そちらを優先するという判断があったかもしれません。
 ただ、この日の広島は3バックだったのでそもそも逆サイドで浮けたかは分かりませんし、もしアデミウソンの前残りを許容するんだったら倉田が簡単に川辺に寄せて真ん中空けるのおかしくね?ともなりますし、全体的にちぐはぐな感が否めない。

3失点目も図解しますが、ここもガンバの悪癖が出た部分。

 ガンバの被カウンター時によく見るのですがとにかくふわーっと人に寄せがちでスペースの意識が希薄な印象です。
 このシーンではすでに菅沼が減速に成功し3人で囲めつつある渡に対して矢島がふわーっと寄せてしまうことでパトリックへのパスコースを開けてしまい、そこから逆サイドに走り込んだ川辺に流されて失点。寄せずにバイタルを埋めてれば渡のパスをカットするかパトリックに寄せて簡単にパスを出させないぐらいはできたかもしれません。
 とあるJクラブのコーチによると、入口であるビルドアップと出口であるアタッキングサード・ディフェンシブサードでのチームの振る舞いは再現性が高いので必ず詳細に分析するとのことです。マイナスへの折り返しから既に今期3失点ぐらいしているので今後も狙われそうな気がしています。

まとめ:これからどうする?宮本監督

 4231を持ってきた時点で、宮本監督の狙いは「0-0での時間をできるだけ長くしてカウンターで勝機を探る」というものだったのでしょう。広島もホームですし、0-0の時間が長く続けば前にも出てきたでしょう。早々の2失点のせいで、そのプランははかなくも崩れることになるのですが。。
 0-2になってからガンバはヤットをボランチに倉田をサイドハーフにアデを最前線に回して442のオーガナイズに変更しますが、0-1の時点からこれをやってれば2失点目もなかったかもしれないし、そもそもそれを言うなら開始時点からこれでも良かったような。。
 前半は広島も3点目を取るのか引くのかやや統率がとれていない状況だったので、ポジティブトランジションの局面から2度ほどいい位置でのシュートチャンスを迎えることができましたが、後半は完全に後ろ重心になった結果ガンバのストロングであるトランジションの局面はほぼ作れなくなりました。サイドにボールを運ばされて延々効果的ではないパス回しをさせられ確率の低いシュートを選ばされという悲しい時間が続いていきました。541を崩せないガンバのオフェンスにも言及しようと思ったのですが辛くなってきたのでやめます。。笑
 前節のまとめで、今のガンバのサッカーが現状のスタメンに最適化しすぎていると書きましたが、今節を見ているとそうした結果弱点も定まりやすくなってしまった感があります。多様性のない種がひとつのウイルスで絶滅しちゃうみたいな感じですね。
 宮本監督は気持ちの部分に言及していますが気持ち云々の勝負に持ち込む以前の構造的な問題がなかなか解決されない感があります。なので気持ち発言はカモフラージュだと思います。思わせてくれ。
 次節は大事な大事な浦和とのナショナルダービーですがこのままチームを放置しておくとは思えません。ルヴァンカップを挟み、宮本監督がチームにどう大ナタを振るっていくのか。2連勝と調子のいいU-23からの選手起用があったりするのか、そのあたりに注目しながら引き続き応援していきたいと思います。

その他、気になったあれこれ

・川辺に目をつけてたうちの新強化部は正しかった……。旧強化部の十八番である誠意の2年連続オファーを新強化部が引き継ぐことになるのか、来季オフに注目です。ただし残(ry

今日は短め!次の浦和戦では筆が乗るようなスーパーなゲームを期待しています!!!!!

ちくわ(@ckwisb

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?