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旅と美術館

私が参加しているメンバーシップ「オトナの美術研究会」で先月から始まった執筆企画「月イチお題note」。
今月のお題は「旅と美術館」です。

フランス グルノーブル美術館

私は10年ほど前まで毎年のようにフランスに行っていた期間がありました。
フランスの中でも特にパリには世界的に名の通った美術館がいくつもありますが、今回取り上げるのはフランス南東部グルノーブルにあるグルノーブル美術館です。

グルノーブル美術館

グルノーブルについて

グルノーブルはパリからTGV(フランスの新幹線)で約3時間、アルプス山脈の麓に位置する人口15万人ほどの街で、アルプスの雄大な自然を堪能出来る一方、数多くの研究機関や教育機関が集まる研究都市としての側面を併せ持っています。 

この街を訪れた目的

私がこのグルノーブルを訪れた目的は、当時のサッカー日本代表でもあった松井大輔選手が、この街のプロサッカーチームであるグルノーブル・フット38に所属していて、彼が出場するフランスリーグ・アン(日本のJ1リーグ)の試合を観戦するためでした。

この時の2009-2010シーズンは、松井選手がグルノーブルに移籍してきた最初の年にあたり攻撃の中心選手として期待されたものの、チームは開幕11連敗を含む14試合勝ちなしというドン底の状態にありました。

しかし、この日観戦した試合で私の声援が届いたのか開幕15試合目にして初勝利を掴むことができ大満足でスタジアムを後にしました。(調子に乗ってチームのウェアまで買ってしまいましたが、今でも大切に持っています)

翌日、私はグルノーブル美術館に行くのですが、当時の私は美術にそれほど関心があったわけではないので、どうして地方の公立美術館の(しかも)常設展を見に行ったのか不思議で仕方ないのですが、唯一考えられるのは他に行くところがなかったからかもしれません。(グルノーブルの皆さんスミマセン)

グルノーブル美術館は素晴らしい

グルノーブル美術館は1798年に設立されフランスで最も長い歴史を持つ美術館のうちのひとつで、イタリアルネサンスから現代アートまで幅広くカバーし、年代順に分かりやすく展示されています。

その中でも私の記憶に今でも残っているのは、各年代でまとまっていながらも、どの年代も3~4枚程度しかなく、しかも小品が多いため地方の公立美術館であることを実感するのですが、よく見ると各年代を代表する画家の作品が揃っていたりするので結構侮れないのです。

そう、この美術館を一言で表すとしたら、パリにあるルーヴル美術館とオルセー美術館とポンピドゥーセンターを足してギュギュッとコンパクトにした感じなのです。
そのため、ただの地方の公立美術館と思って入ると、逆に期待を大きく裏切られることになります。(笑)

余談ですが、この美術館には併設するレストランがあり、ビストロ料理の定番メニューであるステーク・フリット(牛ステーキのフライドポテト添え)を初めて食べたのはここでした。

その他の観光スポット

実は美術館に行く前にグルノーブルで一番の観光スポットであるバスティーユ城塞に行きました。
このバスティーユ城塞は市街地から川を挟んだ小高い丘の上にあり、16世紀からグルノーブルの軍事と政治の中心地でした。

ここには市街地側からロープウェイで行くのですが、透明な球体が4っ連なった独特の形状をしています。
実際に乗ってみると、思った以上に標高差があるのと、なぜか球体のドアが少し開いているので、到着するまでドキドキ感が止まりません。

しかし、頂上に着いてしまえば、グルノーブル市街を一望する大パノラマと、天気がよければ(ここ重要)遠くモンブランまで見ることが出来ます。

あとがき

今月のお題が「旅と美術館」に決まった時は追体験しやすいように国内の話のほうがいいかなと思ったのですが、旅先で出会った美術館として真っ先に頭に浮かんできたグルノーブル美術館を取り上げてみました。

日本からグルノーブルに行こうとすると時間もお金も掛かって大変ですが、もし何かの機会に訪れることがあれば、バスティーユ城塞からの美しい景色だけでなく、グルノーブル美術館のギュギュッと詰まった魅力をぜひ堪能してみて下さい。


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