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グラタン

かつて家で作ってくれたグラタンは、ほうれん草とベーコンのグラタンだった。レシピはB6サイズの冊子に載っていたものを見ながら作っていたと思う。今にして思うとあれは乳製品メーカーの配布ものだったように思う。

ほうれん草は茹でてお浸しのサイズに切っておく、ベーコンもそれに合わせたサイズと、具はシンプル。そして主役はホワイトソース。
小麦粉をバターで炒め、牛乳で伸ばして行く。
その冊子には「ダマにならないように」と書いてあった。それがとても大切で、だがそうならないようにするのが大変そうに思えた。
バターの溶ける匂いが甘く感じられるようになったら、小麦粉を投入。焦げ付かないように手早くかき混ぜる。
沸々し始めたら牛乳を少しずつ入れて伸ばして行く。
金属の平べったく楕円の器にバターの塗って、ほうれん草とベーコンを敷き詰める。
出来上がったホワイトソースを流し込み、パン粉、粉チーズをかけてトースターへ。1皿ずつしか作れないけれど、焼き目がついたら出来上がり。

程よく焦げ目がついた、パン粉と粉チーズ、熱々のホワイトソースとペーコンの塩見が美味しかった。

家で食べるグラタンはこの「ほうれん草とベーコンのグラタン」しか知らなかった。ポテトグラタンや、マカロニグラタンなどいろいろなバリエーションがある事を知ったのは外食をするようになってから。さらにご飯が入ったライスグラタンやドリアの存在も驚いた。おかずとご飯を一つにしてしまうのって何だか日本的な発想に思えたけど、イタリアでも米を食べるので、小麦文化の地方と米文化が混じり合う地方だとあり得るレシピ?

慣れてくると分量も計らず作るようになっていたので参照することもなくなったが、跳ねた油と蒸気でヨレヨレになってもあのレシピ冊子は長らく台所のコンロ前が定位置にいた。他のページに何が載っていたが思い出せないけれど、そんなグラタンの思い出。

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