AC版スペランカー忘備録 ~ありがとうミカド編~
死して屍拾うものだし。The-U.JINEです。
みんな、スペランカーは好きかな? 僕は好きだぞ! 未だにスマブラSPにスペランカー枠が残されていると本気で信じているくらいだ。好き過ぎてちょっとおかしいんだ。放っておいてくれ。もしくは生暖かい目で見守ってくれ。
今日(2019年9月15日)未明、変なタイミングで目が覚めてしまったので適当にYouTubeの動画を漁って睡眠導入剤にしようと思ったんだ。これ結構動画を作ってる人に対して失礼だよね。でも小説とかも睡眠の準備運動扱いされるしね。許してくれよクリエイター各人!
で、見たのがこの動画さ。
【高田馬場】ミカド春のシューティング祭りスペランカーVS宴帝 20190423
高田馬場にある超有名なゲームセンターミカドで、春のシューティング祭りと称してアーケード版スペランカーをスコアカンストまでプレイする、という趣旨。(プレイヤー:宴帝氏、解説役:やすべえ氏※、進行:イケダ店長)
※初稿でお名前を間違えていました。お詫びして訂正いたします。
スペランカーはシューティングじゃねえだろ、なんてツッコミはベタだし野暮だ。動画中で「弾を撃つし自機が一撃死するのでシューティング」と言っている。かつて僕も同じ理屈にたどり着いて「スペランカーのSTG化、イケるのでは?」と考えたことがある。思考の収斂だ。
ズバリ、睡眠導入剤として見たのは大失敗だった。プレイが面白い、トークが面白い。そして僕はスペランカーが大好き。興奮して眠れなくなった。
この動画、動画中でもイケダ店長様(実際すごい人なので様付けすることにした)が仰っているが、アーケード版スペランカーの攻略・資料動画としての価値がモノスゴク高い。スペランカーといえばファミコン版が有名で、ファミコン版と比べるとアーケード版の情報は非常に少ない。ネットでも誌上でも。天と地……いや、陽の下と地下(アンダーグラウンド)くらいの差がある。マジで。
2013年のTozai Games「スペランカーコレクション」(PS3/Vita)で初移植されるまで生き残っている基板を探すくらいしか合法で遊ぶ手段がなく、このタイトルを機に当時の開発者たちの貴重な証言が掘り返される形にはなりました。感涙&垂涎モノです。
(これなんとかSteamでも遊べるようになりませんかねTozai Gamesさん。資料の類は大人の事情が働きそうだし最悪オミットしてもいいので……)
これが出るまではジオシティーズとかinfoseekの個人サイトで情報取り扱ってるトコがあったような気がしますが……如何せん僕も、この頃AC版の情報を調べる機会がなかったので定かではありません。前者も後者もサービスが終了しちまったしな。情報は永遠じゃあねえんだ……。
今も昔も、頼みの綱はスペランカー考古学の権威にして礎を築いたクソゲー処理概論です。スペランカー考古学を嗜む者なら一度は隅から隅まで読んでおくように。
ああ、つい熱くなってようわからんことを書き連ねてしまったぞ。ミカドの動画を見てアーケード版スペランカーの素晴らしさを再見すると共に、気になったことを書き留めておこうと思っただけなのに。
というわけで、ちょっとした気付きや知識を記しておこうと思います。自分自身の、そして未だ見ぬスペランカー考古学者への刺激になると信じて……
●スコアカンストで残機無限エクステンド
今回の動画での一番大きな収穫。知らなかったそんなの……仕様なのか? バグなのか? 16進数の都合のやつ? ファミコン版スペランカーが256週目で0週目に突入する的な……スペランカーコレクションで検証しなきゃ……
●ファミコン版とアーケード版は同時期に発売されてるのにゲームシステムが全然違う
ファミコン版が1985年12月7日発売。アーケード版が86年2月? とかなり近め。これは知ってたけど、あらためて考えてみるとこの差が面白い。アーケード版スペランカーはファミコン版に比べて強い、って点ばかり取り沙汰されるけど、隠し要素やルート構築の妙に舵が切られてるんですね。これはアーケード版の2(23の鍵)にも繋がる独自の進化路線で、昨今のスペランカーにはほぼ無いものです。
ファミコン路線が繊細な操作を要求されてミス=死の『イライラ棒』スタイルなら、アーケード路線は多少の無茶をして仕掛けを解いて進む『ダンジョン』スタイル。なんなら未知を旅する冒険感はアーケード版の方が強いかも。
●ステージ構成の類似点
ゲームシステムは全然違うのにファミコン版とアーケード版でステージ構成が似ている……のはAtari版を参考にしてるからでしょうね。アーケード版の滝を壺みたいなので下って縄梯子(?)を打ち上げるギミックなんかAtari版まんま。ファミコン版だと連続ロープジャンプの難所で、壺は平行移動にしか使われてない。
※自分でプレイしてスクショ持ってくるのしんどいのでYouTubeから引っ張ってきました。
Atari版(動画:https://youtu.be/hyP5TgDxx34?t=1306)
ファミコン版(動画:https://youtu.be/0aHSadRrBUc?t=455)
アーケード版(動画:https://youtu.be/ILcTLnnobHw?t=1491)
●ファミコン版のカートリッジ、蓄光っぽいのに光らない
言われてみれば確かに。明るい黄色だしLED以外も光りそう。オバケも蛍光ピンクっぽいしね。
●全然ゲームシステム違うのに、ファミコン版の没グラフィックにアーケード版と似たものがある
没グラフィックというか没スプライトというか。昔データをアレコレしてるときにアッ! ってなったやつ。
クソゲー処理概論の以下のページ上部でもスプライトが確認できます。
クソゲー処理概論:番外!ファミコン修理記録 ~後編~
これはマジでスペランカー考古学会史上最大と言ってもいい謎で、今日まで解き明かされていません。あのクソゲー処理概論でも、後年のスタッフへのインタビューでも。たぶん。何せこの没グラフィックの存在そのものがスペランカー知識の中でもかなりマニアックなものなので……。
もしかしたらファミコン版の最初期ではアーケード版と同等のゲームシステムになる予定だったのかも、というのが私の個人的な予想です。そしたら歴史はかなり変わってましたね。
以上。忘備録終わり。
最後の史上最大の謎の答えを知る方、連絡お待ちしております。あとPC版スペランカーコレクションもお待ちしております。
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