見出し画像

【目標設定】具体性を高めるための注意点

新年(1月1日)
新年度(4月1日、または会社ごとの規定による日付)
新シーズン(競技スポーツや部活動の事始め)

様々な切り替わりの時期において、多くの場合に目標を立てることがあるかと思います。

また近年は、様々な書籍やネット記事において、目標の重要性 や 目標設定のコツが語られていて、誰もが自身に合う(と感じる)方法を見つけやすくなっています。
※玉石混交の可能性にだけは要注意

私1人の目が届く範囲は、その中のほんの一部に過ぎません。
しかし、いくつか見聞きしている間に、どの情報源にもキーワードとして共通しているものがあることに気付きました。

・なりたい状態をイメージできるような目標を立てましょう
・具体的な目標を立てることで実行力を高めることができます

そんなニュアンスが込められた、「具体性」です。


ただ一方で、その「具体性」という言葉について、
「どのような目標が、行動力を高める具体性的な目標と言えるのか」
という点があまり語られていないようにも感じました。

そしてそんな重要ポイントについては、目標設定について語られている本や記事だけでなく、意外にも言語 や コミュニケーションといった他分野にまで目を通すことで「具体性」の理解が深まることがあるのではないかとも感じました。


そこで今回は、私自身がいろんな本を読んで学びながら、実践してみて
「これを意識したら、目標に向けて動きやすくなったな」
と実感したポイントを、いくつか述べていきます。

この記事を書いているのはちょうど年始の時期ですが、同じように目標を立てたくなるようなタイミングでお読みになっている方へ、今後のための一助となれば幸いです。




1. 数値を用いる(ただし、注意点あり)

いわゆる「数値目標」というのは、目標設定のポイントとして広く語られているのを見聞きするのではないでしょうか。
多くの場で語られているだけあって、私も有効性を強く感じている者の1人として、オススメしたい事の1つです。

「数値目標を立てるなんて、あたりまえでしょ」
と言わずもがなと捉える方は少なくないかと思いますが、そのような方へも、注意すべき点を改めてお伝えしようかと思います。

それは、「身の丈に見合わない数値は、むしろ害悪になる」ということです。


これは、
・無理な大幅減量は、不健康の原因になる
・勤務日数に対して、明らかに計算に合わない数値は目標にならない
といった、生理学的には可能だけど… や 制度的に実現不可でしょ… といった観点によるものではありません。

自分自身の力量として、現状維持や停滞を招いたり、実現可能性がゼロに近かったりしないかということを考慮してほしいということです。


例えば運動習慣を身につけたい人が
「365日、毎日10kmのランニングをする」
という数値目標を立てたとして、ヒトとしてはそれを実行する身体機能をもっているかもしれませんが、自分という人間の趣向や心の健康なども考慮して、実現可能なのか?

例えば何かの業務成績を過去5年に10%ずつ伸ばしている人が
「今年は成績を200%にする(100%伸ばす!)」
という数値目標を立てたとして、限られた勤務条件の中で10%ずつの成長傾向があるところから、どういう考えで100%伸ばすという話になるのでしょうか?


そういった目標は後々に、実現できなかったことによる虚しさ、達成感を味わう機会の損失、無力感によるモチベーションの低下を招くことになり、目標設定がマイナスにはたらく要因となり得ます。

取っ掛かりで目標を立てたその時点で、1度は
「この数値に著しい不可能性はないだろうか」
「不条理な数値設定になっていないだろうか」
といった視点からも、自分の身の丈に合っているかを見直してみてください。


2. 便利な言い回しをしない

・バランスの良い食生活を心掛ける
・出来るだけ早く退社して、勉強時間をつくる

実行力を高める、いわゆる「行動目標」として、このような目標を口にする人をたまに見かけます。
そしてハッキリいって、そうして実行できている人は滅多に目にしません。

なぜかと言えば、このような目標には、本質的には具体性が欠如していて実行力を生まないからです。


ここで見出しにしている「便利な言い回し」というものは、ついつい用いてしまう、具体性を見せかけてその気にさせてくれる言葉のことを意味しています。

「バランスの良い食生活」の "バランス" とは、どのような内容なのでしょうか?

「出来るだけ早い退社」の "出来るだけ早く" とは、どれくらいの水準なのでしょうか?

具体性を意識する心掛けはあるのに、そこをもう1歩だけ深掘りできていないのが、実にもったいない。


現在の食生活を見直してみて、
・風を引きやすく、少し肌が荒れやすいからビタミンが足りていないかもしれないし、「毎食で緑黄色野菜の入った物を食べよう」
・トレーニングをしているのになかなか体つきが変化しないから、「毎食でたんぱく質の豊富な食材を1品ずつ増やそう」
といった具合に、自分にとって必要な物を熟考し、実践に取り入れてみる。

これまでの働き方を省みて、
・いつも定時になってから、その日の振り返りや明日の準備をしているから、「定時の15分前から振り返りや準備に取り掛かろう」
・毎日残業するのが当たり前でダラダラ仕事してしまっているから、「残業は週2回までと決めて、時間内で仕事を収めよう」
といった具合に、前述の数値目標で目安を明確にする。

そういった工夫をすることで、便利な言い回してフワッとしか捉えず固持しづらかったルールを、徹底しやすくなります。


自身が定める目標 や 現在進行中の目標について、便利な言い回して曖昧に済ましてしまっている点はないか、今一度見直してみてください。


3. 横文字を言い換える

前述の「便利な言い回し」に類似した話になりますが、横文字の多様というのも、意外と具体性の欠如を招くことがあります。
というのも、日本語の中に横文字を用いると、文脈次第で捉え方が変わりやすかったり、多様な意味を含んでしまう場合があるからです。


例えば
「仕事のパフォーマンスを高めるために、モチベーション維持の工夫をする」
という目標を立てた人がいたとします。

この目標を読んであなたは、この人が日々どのような行動をとるか、具体的なイメージが持てますか?

パフォーマンスの内容は職業によって様々ですし、仕事のパフォーマンスがたった1つや2つだけの要因で決まることは、どんな仕事においてもまず有り得ないでしょう。
また、モチベーションは人それぞれの性格によって浮き沈みのしかたが様々ですし、趣味の時間と仕事の時間でモチベーションが高まる要因が異なる可能性もあります。


例えば、前述した
「バランスの良い食生活をする」
という目標についても、ビタミンやたんぱく質を用いた考え方というのは、"バランス" という言葉を言い換えたものになります。

食事に限らず「バランス」という言葉はよく遣われますが、そもそもバランスというものは複数の要因が関連し合っている概念ですから、その1単語だけでは不明確なのが当たり前です。
どうしても、
「あなたにとってのバランスの良さとは、どのようなものなの?」
「現状、どこにバランスの悪さがあるの?」
といった疑問点が残ってしまうのです。


外来語でも和製英語でも、横文字は文章内のキーワードとして用いられたり、パッと目について目立ちやすかったり、瞬時に耳に障って残りやすかったりするものではないでしょうか。

そこで誤魔化したり、あやふやに流したりせずに追及して、曖昧さに気付き、具体性を深める好機にしましょう。


まとめ

以上が、私が実践してみて実行力を高められたと実感できたポイントです。

これらを通じて、目標に向けた取り組みをしてみて得られる感触は、
目標設定当初の状態から、取り組み後の状態まで、一貫性をもった行動を続けられる
というところが大きいと感じています。

努力が100%報われるとは限りませんし、想定より長い月日をかけてしまうことはあります。
しかし、長期に及んでも完遂まで粘って達成感を味わったり、報われなかった中での反省が違う場面に応用を利かせられたり、そういった糧や成長を得られるは、自分の行動指針からブレずに実行し続けたときなのではないでしょうか。

そして、ブレない姿勢を取るためには、実行力を生んでくれる具体的な目標が強力な助けとなってくれるのは疑いようがないと思います。


目標の重要性 や 目標設定のコツを語る様々なネット記事の1つとして、参考になりそうな点がありましたら、是非とも取り入れてみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?