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カラコル(イシククリ州)案内(1)

2019年2月16-17日にかけて、イシククリ州の東岸に位置する街、カラコルを訪れた(個人的には3度目の訪問)。カラコルは、キルギスにおける観光名所の1つであり、歴史的にロシア人やカザフ人、ドゥンガン人など様々な文化の影響を受けた街であり、文化都市である。夏は、イシククリ湖の周辺拠点として観光客でにぎわう。また、ハン・テングリなど天山山脈へのトレッキングルートへの拠点となっており、近郊にアルティンアラシャンなどの温泉やスキーリゾートがあり、冬もある程度観光客が訪問する街である。1941年から1991年までのカラコルは、帝政ロシア時代に同地域で活躍し死去したロシアの探検家・地学者・軍人のニコライ・プルジェバリスキーにちなんで、プルジェバリスク(Przhevalsk/Пржевальск)と呼ばれた。

カラコルは、ロシアの入植地として19世紀後半に開発されて、1969年に、ロシアの軍事拠点と行政の中心になった。元々は人口の大半は西シベリアから来たコサックが占めた。1880年代にドゥンガン人(イスラムを信仰する中国系)が大量に流入。その後、タタール、ウイグル、ウクライナ、さらにロシア人が流入して、彼らは農業と畜産業に従事した。20世紀前半までには、町は3つの醸造所と7つの石鹸工場、2つの製材所、12の製粉工場、2つの協会、9つのモスク、7つの学校、1つの軍事病院が存在した。ロシアの探検家、プルゼバルスキーが最初に来たのは1860年代。その後、彼が1888年に戻ってきたときには、腸チフスにおかされており、その後、結核で死亡したといわれている。今日、彼の記憶を保持する博物館がある。彼が住んでいた家を改築、町から10キロ離れたところにあり、プリスタン・プルゼバルスク(Pristan Przhevalsk)、湖の近い南のところに位置している。カラコルは彼の探検家としての功績を称えて、プルゼバルスク(Przhevalsk)に名前を変えて、その後、レーニンの命によって元の名前、カラコルになった。

この街は、その後、スターリンの命によって再度プルゼバルスキーに戻った。キルギスが独立するまでその名前は続いた。ソビエト時代にこの街は相当の人数の科学者、軍事専門家を輩出している。潜水艦と魚雷のベースがある。独立後は人口が減る一方で特にロシア系は、ほかのキルギス人よりも流出していく傾向がある。

【カラコルの主な見所】
ロシア正教会(Holy Trinity Cathedral)


1895年建立。ロシア人の最初の入植者たちの集会所として建立。1890年に地震により破壊。特徴は木造づくり。全て木のみで作られていて、一時期はダンスクラブとして使われていた。再建は1960年開始。今は神父ウラジミールのもとで、イシククリ州のロシア正教会を総括している。様々なイコンがある。日曜日の朝、10時より前が最も昔のロシアの雰囲気を感じるのに適した時間。

ドゥンガン・モスク(Dungan Mosque)

これもまた、木造建築。赤緑黄色、イロドリミドリの色で作られている。パゴダ(塔)、モンゴルの仏教寺院に似ている。仏教寺院との共通点は、民族的には中国人(Dungan)が建てた。このモスクはドゥンガン・コミュニティーにより、1907ー1910年に建てられた。中国の建築家と、二十人の職人のチームで建てられた。釘なしで作られたているのが特徴。淡青色。寺院の境内には新彊と中国のモスクの要素が一部ちりばめられている。1933年、ソビエト政府により、このモスクは閉鎖された。1943年に再開。今日は、ドゥンガン人だけはなく、キルギス人や中国のムスリム、そして観光客にも開かれた空間。金曜日の午前の礼拝の間は人々で一杯になる。

郷土歴史博物館(Regional History Museum)

石器時代のスキタイ人の製造物がたくさん展示されている。青銅器。キルギスの伝統文化製品、遊牧騎士が使用した動物の皮で作られた水筒、楽器、フェルト、シルダック(キルギスのフェルトでできた絨毯のようなもの)。
現在は、スイス政府の支援により、スイスの作家・旅行家のElla Maillart(1903-1997)が1930年代に中央アジアを旅行した際の写真を展示している。当時モスクワからキルギス、ウズベキスタン、カザフスタンを旅し多くの写真をモノクロに収めている。

日曜動物市場(Sunday Animal Market)

町の北側の端に動物市場がある。毎週日曜日に開催(日曜日にスケジュールを立てる必要がある)。この市場では、馬、羊、牛が大量に売り買いされている。豚はイスラム教に配慮して、場外の特別な場所で売り買いされる。キルギスじゅうからここで人々が、家畜を売買している。羊は、一頭約120ドルから、馬は一頭約300ドルから。

動物園
プーシキン公園の南側に位置する、入園料50ソム 営業時間9ー18時。土曜日休日。

※ カラコル案内(2)に続く。

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二瓶直樹 / Naoki Nihei

キルギス在住(2017年1月〜)。シルクロード・中央アジア地域をフィールドワーク中。過去、国際協力機構(JICA)や国連開発計画(UNDP)にて開発途上国の支援事業に従事。海外駐在10年目。

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