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カザフスタン大統領選の前倒し実施

3月20日、カザフスタンで初となる体制転換、つまりは独立後28年の間で大統領として君臨したナザルバエフ前大統領が退任する出来事が起こりました。憲法上の規定でカシム=ジョマルト・トカエフ前上院議長が大統領代行を務めることになりました。当面はナザルバエフ前大統領が院政を敷きながら、信頼が厚く、外交等で有能なトカエフ氏が2020年4月までに実施されると見込まれていた大統領選挙まで政権を運営するという見方がなされていました。そして、選挙後は、ナザルバエフ氏の長女ダリガ・ナザルバエヴァ上院議長に体制が移行されるのではないかとの憶測が流れていました。

また、首都のアスタナが前大統領のファースト・ネームである「ヌル・スルタン」へ改名されたことが、世間をにぎわせていた矢先、4月6日に、突然、新大統領の選出選挙を6月9日に実施することが発表されました。それに引き続き、カザフスタンの与党ヌル・オタン党は23日に、大統領選挙の候補者として、トカエフ大統領代行を指名しました。これにより、カザフスタンの次期大統領は、トカエフ氏になる可能性が大きくなりました。注目されていた前大統領の長女ダリガ上院議長は候補に指名されなかったことから、これは、ナザルバエフ氏が露骨な世襲に対する民衆からの批判を避けて、中継ぎを経由して時間をかけて、長期的な体制移行を視野に入れているようにみられています。

大統領選に関しては、野党のアク・ジョル党がダニヤ・イェスパエヴァ氏を大統領選挙候補として発表しました。これは、カザフスタンの大統領選挙の歴史で初となる女性の候補者となります。トカエフ氏に勝利することは非常に難しい状況でありながらも、女性が大統領選挙に出馬することは、ある意味、次期大統領が女性になることもありうるということを世間にアピールするための動きなのかもしれません。

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二瓶直樹 / Naoki Nihei

キルギス在住(2017年1月〜)。シルクロード・中央アジア地域をフィールドワーク中。過去、国際協力機構(JICA)や国連開発計画(UNDP)にて開発途上国の支援事業に従事。海外駐在10年目。

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