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キルギスの政局動向

キルギスでは、アタムバエフ前大統領とジェエンベコフ現大統領の間で、対立関係が続いており、4月は様々な動きがありました。アタムバエフ氏がメディア等で、ジェエンベコフに体制移行したことを後悔したり、現政権を批判する活動を続ける一方、彼が与党を務める社会民主党内では、すでにほぼすべての党員が現大統領派に回っており、アタムバエフ氏を党から追放する動きを強めていました。4月3日、首都ビシュケクではアタムバエフ氏を党首から追放し、新しく選出された党首サギンベック・アブドゥラマノフ氏の正当性をアピールする大規模集会が行われました。その直後、4月4日にはキルギス国会で元大統領職にあった人物に対する刑事免責をはく奪する法案が可決されました。これにより、仮にアタムバエフ氏が、汚職等の事由により逮捕されるという可能性も想定されることになりました。

4月13日、2017年のキルギス大統領選挙で、ジェエンベコフ現大統領と最後まで競ったビジネスマンのババノフ氏が長らく身を寄せていたロシアからキルギスに帰国するといったニュース流れました。帰国に合わせては彼の支持基盤があるタラス州をはじめ、国内数か所で彼の支持者が大規模な集会を計画していました。ババノフ氏の帰国が、彼の政界復帰や第三勢力として政治への介入を意図していた可能性がありますが、結局帰国は中止となり、国内での支持者による集会もすべて中止されました。ババノフ氏は、2017年の選挙キャンペーン期間中の演説内容に関して、違法な内容が含まれていたことから当局の捜査の対象になっているといわれており、帰国後すぐに逮捕されるという憶測もありました。その場合は支持者による国内の治安悪化等、様々なリスクを抱えていたこともあり、帰国を中止した模様です。

4月23日には、首都ビシュケクで現在刑事裁判のため拘束中のテケバエフ元首相の支持者による大規模な抗議集会がありました。過去に首相を務めた人物や国会議員等が複数、刑事訴追裁判のため身柄を拘束されているキルギスでは、日々集会や抗議デモ等のニュースが続いています。党首を追放させられたアタムバエフ前大統領やババノフ氏による第三勢力の動き、そして、2020年秋に5年ぶりの国政選挙を控えるキルギスでは様々な政党間での連携等の模索が続いており、政局の動向が今後も注目されます。

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二瓶直樹 / Naoki Nihei

キルギス在住(2017年1月〜)。シルクロード・中央アジア地域をフィールドワーク中。過去、国際協力機構(JICA)や国連開発計画(UNDP)にて開発途上国の支援事業に従事。海外駐在10年目。

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