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吾輩は猫になりたい梟である

梟ってなんて読むんですかと何回か訊かれた。

「ふくろう」と読む。

noteを始めるときに、
はて。名前なににしようかしら。
と思い、5秒くらいで決めたものを、
変えられずにいる。

そう、私は生粋の梟好き

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ではない。
全く別のしょうもない理由で、梟を名乗ってしまった。

まぁどっちかというと好きな生き物だ。
というより、
なんとなくこの生き物が私は気になる

だってさぁ。
首360度回るんだよ。
やばない?
(正確には270度らしい)


そしてこの目である。

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あなたは一体何を知ってしまったの。

知恵の象徴というのはよく聞く。
少し調べてみると各国の神話にも登場する生き物らしく、
「賢さ」のイメージがある。


また、私が大好きな漫画、『進撃の巨人』にも、
“フクロウ”と呼ばれるキャラクターが出てきて、
“正体がばれない”存在として描かれている。

知性があり、世界を俯瞰していて、正体がばれない。

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なんかカッコいいじゃないか。孤高じゃないか。

私は生粋の梟好きではないが、
梟のようになりたいとは、どこかで思っていそうだ。

知識が、知性が、知恵が欲しい。
私が知らないことを知っている人に、私は憧れる。

「知らないことを知りたい」という気持ちが、
私の生きるモチベーションであり、
私らしさなのだと思っていた。のだが。

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本を読み漁って、
知識やハウツーをかき集めることに必死だった時期もある。
これからも何か問題にぶつかれば、同じことをするときがあるだろう。
賢明になることが楽に生きることの近道だと思っていた。

私は青年期に入ってから、
自分のことを何故か社会不適合者だと心の底で思いながら過ごしてきた。
自分の考えていることや価値観はズレていると勝手に思い、
自己表現することを恐れてきた。
とにかく自分を知ろうと藻掻いたが、
自分を知るだけでは、苦しみは消えなかった。

それどころか、膨大な「気づき」にがんじがらめにされ、
気づけば、表情は固くなっていた。

そしてこの目である part.2

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20代後半になって分かってきたことはどうやら、
私は知りたいことを探求すること好きなのであって、
本当は「正解」を誰かから聞きたいわけではなかったということだ。

私は自分の疑問を探求し続けたい。
限られた残りの人生の時間を使って、もっと世界を知りたい。

でも、私が知れるのは、今の私に見える視界の範囲だけ。

360度どころか。
まだ60度くらいしか見渡せない。
いや、15度くらいか?

憧れの人と同じ景色を見ようとするのはやめた。
私には私のペースがある。
世界中を飛び回る元気も無ければ、
全く興味の無いことまで手を伸ばして知ろうとする余裕も今はない。

現時点の自分の視野を受け容れる。
興味を持って買ったけど難しくて放置してる本が少なくない。
でもいつか読んだら理解できるかもしれないと思うと棄てられない。
咀嚼して飲み込むのに時間がかかりそうな程の記事に出逢った時はスキを仕舞っておき、いつか改めて押しにいくことにしよう。
そのときには迷わず投げ銭できる少しの余裕もあればいいのだが。
今すぐぜんぶ知ろうとしなくたっていいや。


そして私から生まれてくる疑問には自信を持って探求する。
面白いことに、そうしたら実生活でも、
少し自由に自己表現できるようになった。

そして、noteという場所に来た。
私は子どもの頃からずっと、言葉を書くことが好きだった。
文章は、ちょっとした日記も含めれば、きっと10年以上書き続けているのだが、
noteにきて、書き手の私に変化があった。
守られた枠の中で安全を感じられると、
人は表現し始め、変化する。

言語化が難しいが、なぜかnoteには安全な空気を感じる。

まるで巨大な一人の治療者に見守られているかのように私は表現する。
「見守りの巨人」が築く壁の中で、そしていずれは外へ進撃する。的な。


私は梟のように賢明になりたい。
こんなふうに表現できるとは、変わったものだ。
でも、もう一つ憧れる姿がある。

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猫だ。

猫は、何者かになろうとせず、猫であり続けている。
それでいて、世界に溶け込み、愛される。
達観とも違う静かな心の在り方を、
猫に見る人は多いような気がする。


私はこれからも私の疑問と向き合い、知る努力をする。
焦らず、少しずつ。

梟のように、かつ、猫のように。
賢明に、孤独に、気ままに、静かに。


吾輩は猫になりたい梟である。

・・・うまいことオチた?
『吾輩は猫である』を実はちゃんと読んだこと無いことだけバラして去っていこう。

【※本記事に掲載した梟の写真は2017年に長崎ハウステンボスの「フクロウの森」にて撮影したものです。】


挿入歌 フクロウ/山口一郎(サカナクション)

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我が家の冷蔵庫

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