アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」第6部 「ストーンオーシャン」完結。折角なのでシリーズを追い続けた私自身の事も含めて振り返ってみた。

私がジョジョを初めて知ったのは2013年。メンタル疾患で新卒で入った会社を退職。回復を目指していた頃に見たこの動画だった。

「ジョジョの奇妙な冒険　オールスターバトル」（以下ASB）の街頭PV。

新宿アルタを包む大熱狂と大歓声からの「無料で遊べちまうんだッ！」からの大暴落＆リアルスピードワゴン祭り。

一部始終を見物して「何が起こってるのか？」となって作品を知った。つまり炎上がきっかけだったという事。「ジョジョを知ったきっかけは？」と聞かれても正直、答え辛い。

後日見た再放送ですぐに魅了された。凄まじい熱量と圧倒的絶望を乗り越えるカタルシス。。3部のアニメが始まる頃には再就職を果たしていた。

2014　スターダストクルセイダース

3部は毎週リアルタイム視聴。特殊OPで本当に時が止まる感覚を体感した。

タイアップ先のタワーレコード渋谷店を訪ねると「ジョジョの奇妙な冒険　アイズオブヘブン」（以下EOH）発売を控えたサイバーコネクトツー社長・松山洋氏のトークショーが開催されていた。

松山氏は岸辺露伴のコスプレで登場。前から2番目の列でお姿を拝見した。年齢を重ねた今になって思う。
あのウエストは食が細いとか1日30回の腹筋とかそんなチャチなものでは断じてない。何か月にも及ぶ節制と実物に寄せる美意識。ある種、好きへの狂気がなせるものの片鱗を見た。

しかしながら肝心のトークショーが殆ど盛り上がっておらず、再びPVが流れるというんで訪ねた新宿アルタも人が疎ら。案の定、売上も振るわず。
ポルポの言う「信頼を侮辱する」という言葉の意味をこんな形で見る事になるとは思わなかった。

2016　ダイヤモンドは砕けない

吉良吉影が登場後のOP曲「chase」が気に入り、一人部屋で歌っていた。

アニメ終了の翌年、山崎賢人主演で実写版が制作。
見るか否か決めかねていたある日の事。会社のランチで山崎賢人のファンである同僚が舞台挨拶に行ってきたというので話を聞くと。。

「何の話か分からなかった」
「終わった頃、全員首を傾げていた」

見に行かない選択をして結局、続編なく打ち止め。
続いていたら吉良吉影は誰が演じていたのだろう。

第5部開始前に六本木でジョジョ展が開かれたので、そちらは探訪。近辺のローソンがオーソンになってて、ちょっとしたお祭りムード。洗練された国立新美術館の内装も堪能した。

2018　黄金の風

キャスト発表会見を旅行先のハワイ（後に第9部の舞台と判明）で見て熱を高めて見た5部。死闘に次ぐ死闘の連続でこの部が一番好きかも。

前期EDのJodeci「Freek'N You」がムーディな曲に聞こえて歌詞がド下ネタで笑ってしまう一方、後期EDのEnigma「Modern Crusaders」が素晴らしくカルミナ・ブラーナをミックスした曲調とベースに鳥肌が立った。

NHKで「岸辺露伴は動かない」をドラマ化すると聞き、嫌な予感がしたがスタンドを登場させない演出でCGの違和感を省くやり方に唸った。高橋一生の事も覚えた。原作好きの本人にとってもライフワークになってる感がある。

2021　ストーンオーシャン

新型コロナ蔓延で在宅がスタート。調子の悪いWeb環境でギアッチョの如くPCに当たり散らしていた中で迎えた今回の6部。

難解な作品なので、NetFlix⇒地上波と繰り返し視聴する事で理解を深める。
骨＋植物＝緑色の赤ちゃん＋13の言葉＝重力＋新月＝「天国」。段階が多い。最終回OPとEDに今までの感情がブワっと蘇るものがある。

「岸辺露伴は動かない」もルーブル行き匂わせからの映画化決定。
展開の早さに驚く一方、中の人が藪箱法師とホットサマー・マーサを地で行く事案を起こしていた。もしや露伴役が決まった時点でローリングストーンズが出現していたのかもしれない。

ファンからしたら「勘弁してくれよ」というのが本心であり調整に辺った関係各所お察ししますとしか言いようがない。

池袋で開催の10周年記念展はついでに寄ったサンシャイン水族館にヤドクガエルがいた。見た目は可愛い方なのに恐ろしいものだ。

これから

9部「The JoJoLands」2話が公開。誰もが驚いたあの人の登場は予想外だった一方、本当に風呂敷を畳に行っている感じはした。

一方でまだアニメ化されていない部もあるので次の10年へと歩みは続いていくだろう。引き続き次を楽しみに見守る格好になるのは同じだ。

こうして振り返ると10年前と今では世の中の状況も変わるもので。
ニコ動が衰退した代わりにNetFlixが出てきた。
半世紀前の曲であるYESの「ROUNDABOUT」がTikTokで使われた。
ASBはASBRになり評判は前より良好。シーズンパス第2弾が望まれるほど長く遊ばれる作品にはなっていると思われる。

私は失職してしばらく無職だったけど正社員に戻れた。決して高給取りではないけど、ひとまずは職に就けている。

落ち込んだ人、下手こいた人、やっちまった人。
「人間賛歌」をテーマにするジョジョの物語は人の再生の話でもあるので、露伴役の人含め現在、下手こいた人もここから10年先に向けて再起する未来がある事を祈っておきたい。

それこそ「ぼくはまだ「マイナス」なんだッ！「ゼロ」に向かって行きたいッ！」という7部主人公のセリフのように。