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ニューヨークタイムズの「人生相談」が素晴らしすぎる

アメリカの新聞は日本の新聞と紙面構成がかなり異なる。日本のは本紙のみだが、アメリカのは本紙にビジネス、アート、スポーツ、ライフスタイル、旅行、フード、ファッションなどが「別紙」になり、本紙に挟まれている。

ビジネス、スポーツ、アートなどは毎日、フードは水曜日、ファッションは木曜日、旅行は土曜日という具合に曜日によって別紙も変わる。

ヴォリュームも日本の倍くらいある。短いベタ記事が紙面の大部分を占める日本の新聞だが、こちらではほとんどが日本で言うところの特集記事のように文字数多く掘り下げて書いている。

日本の雑誌、週刊新潮や文春が毎日届くような感じだ。

前置きが長くなったが、NYT紙を愛読して25年以上の私が大好きな別紙が、日曜日に挟まれてくる「Sunday Styles」だ。

この中に「人生相談」みたいなコーナーがあるのだが、これが何とも素晴らしい。

相談内容は多岐に渡り、時には恋の悩み、あるいは親子喧嘩のもつれやご近所さんとのトラブルだったりする。

遺産相続や法律相談のような専門家が必要なトピックはない。あくまでも「こんなとき私はどうすればいいでしょうか?」的なアドバイスを求めて読者は相談する。

例えばこんな感じ。

「クリスマスのギフトに、甥っ子にいつも100ドル相当のものを贈っているが、義妹(甥っ子の母)はうちの娘に30ドルくらいのものしかくれない。気に入らないので来年から自分も30ドル相当のボロいものをあげようかと思う。それとも『どうしていつもうちがあげるものより格段に安いものをよこすのか?』とズバッときいた方がいいでしょうか?アドバイスをください」

という何ともアドバイスしにくい相談を受けるのである。しかし返す刀で惚れ惚れするような回答を読むとき、私の心は満たされる。

回答者の名前は書いてあるが、彼/彼女がどういうバックグラウンドで何をしている人なのかわからない。

上記のような無理難題に彼らは次のように答える。

「まず最初に、あなたの怒る気持ちは理解できます。しかしクリスマスギフトというのは、期待するものではないのです。それと金額の大小は贈る側の気持ちとは関係がありません。どんなものでもいただければありがたいものです。こちらが贈ったものに対する満足度を求めるのもおかしいです。義妹さんにきくのはご自由ですが、些細なことであなたの弟さん家族と疎遠になるかもしれない質問をあなたはしたいですか?あなたが金銭的にお困りなら来年からは義妹さんに「今年はこれだけしか甥っ子にあげられなくてごめんなさいね」とできるだけのギフトを贈ればいいのです」

と思わず唸るような名回答がなされる。まさに大岡裁きのよう。

「隣りのおっさん、早朝からバカでかいラップ聴いててうるさい」とか無茶振りの相談にも答えてくれる回答者さん。

毎週日曜日に笑わせてもらえるのだ😆

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