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Bd.5: 筆欲 =フデヨク=

何か文字を書きたい。
だけど、特段書く用事はない。
だから、何を書けばいいか分からない。
でも書きたい。

こんなときがままある。

この欲求はやっかいで、なんだかんだなかなか収まらない。

仕方がないから、目に見えた掲示を文字だけ書き写してみたり、
最寄りの鉄道路線の駅名を起点から順々に書き連ねてみたりする。

住所とかにも、ある種の形態美を感じて書きたくなるのだけれど、
個人情報で処分に困るから、なるだけ書かないようにしている。

そんなこんなで、「自分は地名も好きなんだなあ」とか、
「横文字は眼中にないんだな」とか、
興味の方向を自覚するきっかけになったりもする。

でもこれは何も今に始まったことではない。
小学生中学生の時分には、黒板に落書きをするのが大好きだった。
休み時間とあれば、たいていはチョークを持っていたような気もする。
その落書きもほとんどが文字だった。
(昔っから「運動嫌い」「絵が描けない」という背景は大いにある…)

ただ、字が書きたい。
その一心でペンを、チョークを振り回し続けてここまで来た。
そんな感じ。

この瞬間もなぐり書くのが快い。

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