2018 / 2 /17(土)HMC6 忘備録

HMC6から早5日、もうビズや学校等の日常に戻られてる方がほとんどだと思いますが皆様いかがお過ごしでしょうか。
私はというとHMC6の3日後に見事にインフルエンザに罹患し、絶賛治療中です。ヒマだったこともあり、ベッドで横になりながらアカウントだけ作って放置していたnoteをHMC6の回顧も兼ね、更新することとしました。

まずは以下プレイリスト。

1.Jon Hopkins / Open Eye Signal

ノロワレ=サンから当日「最後はラムシュタインからつなげるよ」と言われ、もっとロックっぽい曲から始めた方が良いかと考えたものの、インダストリアルなラムシュタインからつなげる分には特に問題無いと判断し、当初の予定通りの曲で開始。この曲自体も静かに始まりながらも、インダストリアルの影をちらつかせつつ段々攻撃的になっていく。「ニンジャ・サルベイション」の冒頭でかかっている曲はこういうものだろうというイメージがありました。

2.Moderat / Rusty Nails

ModeselektorとApparatというミュージシャンのジョイント・プロジェクトとしてリリースされたアルバムから。ダブステップ&エレクトロのビートメイカーModeselektorと美しいメロディに定評があるApparatの両方の良さが出ている名曲。

3.Burial / Rival Dealer

ダブステップタイム2曲目。UKダブステップ界隈で数々の名曲を送ってきた、Burial。言い知れぬ不穏さ、社会の暗黒面、ただ流される人々のイメージ。

2ndアルバム収録のこの曲(↓)もオススメ。

4.Death Grips / Giving Bad People Good Ideas

HMC4でも使った、アメリカはカリフォルニアのエクスペリメンタル・ノイズ・ヒップホップアーティストDeath Grips。前曲までで繋いでいた「段々来る」不穏さを断ち切り、暴力的なノイズを打ち込んでいきます。「夜道で目の前に突如ニンジャが現れたら?」というイメージがありました。

HMC4で使ったのはこちら(↓)。

なおこのDeath Gripsのフロントマン、Stefan Burnettのビジュアルがヤバすぎで、「何人か殺してるんじゃないか?」と思っています。昨年のフジロックで本人を見ましたが殺意そのもののようなステージングに叩きのめされました。ハチャメチャにカッコ良かったです。

5.Blanck Mass / Silent Treatment

UKはブリストルのエレクトロニック・デュオ、Fuck Buttonsのメンバーの片割れによるソロプロジェクト。アルバム・アートワークにも現れているとおりの獰猛かつ凶暴なエクスペリメンタル・エレクトロニック。それでいながらメロディアスなフックも持った、昨年出たアルバムの中でも個人的に10指に入る名盤「World Eater」から1曲セレクト。フロアを焼き払う暴力サウンドが上手くハマったかと思います。

こちら(↓)とどっちを使うか当日まで迷いました

6.Arca / Anger

ベネズエラ出身の奇才、Arca。かのビョークとも共演した、奇怪かつグロテスクな楽曲群は、やはり不気味なアートワーク含め一度見たら忘れられないインパクト。あんまりフロア向けじゃない曲が多いですが、Blanck Massの直後だと自然に繋がっていきました。

なんだよこのアートワーク

7.Skream / Midnight Request Line

ここで少しダブステップに舵を戻す。UKダブステップの巨星、Skreamの初期作にして最大級のドアンセム。この頃のダブステップだけが持っていた一種の緊張感の塊のような曲が暗黒めいたフロアにマッチ。(私の中ではダブステップというとこういう曲を指すのです)

8.Gold Panda / Time Eater

UKのエレクトロニカ・IDMミュージシャン兼プロデューサー。いつもと同じ日常を繰り返し、時間を徒に費やしていく、虚無感といったものが漂っています。今回選んだ曲の中ではおとなしめですが、フックでは静かな盛り上がりを見せていきます。

9.Depeche Mode / Enjoy the Silence('04)

なぜか日本には来ないイギリスの世界的バンド、Depeche Modeのこれまた最大級の名曲のリメイク作。実写版攻殻機動隊にも使われていたので聴いたことある人も多いのでは?

今回使ったのはリメイクの方ですが、原曲に関しては昔から「デッドムーンの車内でかかっているダークエレクトロポップとはこの曲だろう」と思っていました。

10.Squarepusher / Dark Steering

ご存知(?)超変態ベースミュージシャンにしてAphex Twinと並ぶコーンウォール一派の一角、ドリルンベースといえばこの人、Squarepusher。この曲や別名義「Shobaleader One」で彼がつけているメンポに憧れ、似たようなメンポを購入し当日着用してました(後述)。なのでそのリスペクトも込めてセレクト。この曲についてSquarepusher本人は「核ミサイルが夜空を飛び交う、まるで世界の終わりのような悪夢を見る夜が続いたことがあって、あの興奮と恐怖と悲しみが混ざり合った不思議な組み合わせを映像と感情で再現しようと思った」とのこと。

実のところ今回一番被りを恐れたアーティストでもあります(出演陣にSquarepusher / Shobaleader One好きが少なくとも自分以外に二人いたため)。

11.Kllo / Dissolve

オーストラリアの男女エレクトロ・デュオ。UKガラージ的なサウンドに甘いボーカルが絡む、女性版Disclosureといった趣。昨年出たファースト・アルバムもとても良いものでした。Squarepusherで迎えたピークを少し抑えつつ、次曲にも繋がるエモさを出したいと思ってセレクト。

12.The xx / On Hold

今月来日したばかりのUKバンド。元々暗く、内省的でミニマルな曲が持ち味だった彼らが、昨年出したアルバムでは解放感溢れる美しい曲を多数披露。フジロックでもベストアクト級の存在感を放っていました。デビュー時からずっと応援しているバンドですが来日する度にビッグになっていく、先が楽しみなバンドです。この曲も今までの彼らからは考えられないくらいとてもエモい。この曲が流れた時に「これで終わりだろう」と思った方も多いのではないでしょうか。しかし…

(HMC4で使ったのがこれ↓「intro」なんてそっけないタイトルなのに超カッコイイ)

13.These New Puritans / We Want War

エモい流れを容赦なくぶったぎり、邪悪そのものの暗黒サウンドで〆。今回のHMC6の副題が「ウェルカム・トゥ・ネオサイタマ」に決まった瞬間に即座にセレクトされた曲です。つまり今回一番流したかった曲がこれザイバツ視点の「ウェルカム・トゥ・ネオサイタマ」のイメージです。ザイバツ・シャドーギルドによるネオサイタマ侵攻が始まる。

以下未使用曲

Massive Attack - Superpredators

元々エンディングSEとして用意していた曲。セットチェンジ時のバタバタで使うのを忘れてしまったという…(そもそも微妙に尺が足りてなかったのですが)。テーマ的にマッシヴ・アタックは使いたかったのですが。

He Says, He Needs Me - 3D, Young Fathers

映画アサシンクリードで使われていた曲。時間が足りず直前でセットから外れる。この曲にもマッシヴ・アタックのメンバー(3D)が関わっています。

Clark - Winter Linn

同じく時間が足りなかったためお蔵入りに。PVが好きです。

Plastikman - I Don't Know

ニンジャ・サルベイションの冒頭でかかってそうな曲その2。当初1曲目として想定。30分というショートセットの中に入れようとするとカット部分が多くなりすぎ、この曲の持ち味が失われるので却下(あとノロワレさん辺りがリッチーホウティン使いそうだと思ったというのもある)。この曲が入ってる「Closer」というアルバムがとても好きで未だに愛聴しています(超暗い作品です)。

今回つけていたメンポ

HappyJointというサイトから購入しました。音に反応して模様が光るようになっています。なんかこんなメンポつけたハッカーニンジャいそう。

以下雑文

今回よりにもよってほんやくチームの直前という畏れ多いポジションを賜り、選曲の方向性をどうしようかということに今までで一番悩みました。恐らくほんやくチームがロックで来るだろうということ、トリ前のポジションということを考えるとそれに次ぐような選曲(本来こっちが持ち味)をすべきなのかと悩みましたが、2部のコミッカライズが開始!HMC6のサブタイが「ウェルカム・トゥ・ネオサイタマ」!ということからどうしてもWe Want Warを流したいという考えを拭えず、諸々を振り切って今回の方向性と相成りました。直前のノロワレ=サンのダークさもあり、なかなか邪悪なステージになったのではないかと思ってはおります。

とはいえほんチ前で思った以上にメンタルがガタッガタになっており、ノロワレ=サンのプレイ中に粗相をかましたり、セットチェンジのタイミングが想定とずれ、ほんチの開始時間がちょっと押してしまったり(HMCの中の人すまぬ…)、エンドSEは流せず無音の時間ができてしまったり、それ以外のプレイに関しても反省点が山ほどあったりと「やりきってやったぜ!」という達成感は微妙に持てなかったというのが正直なところです。今回の反省を次回(お呼びがかかれば)に活かせればと思っております。

次あるとしたら初心(HMC2の時のような)に帰ってロック寄りにするか、他の出演陣があまりやらなそうなジャンル(ヒップホップ、エレクトロニカ、ファンク、R&B、インディーポップ、ゲームミュージックなど)に染めてみるか…色んなパターンを考えておこうかなぁと。
ほんチ待ち中で邪悪な音楽を聴かされてドン引きした人にも楽しめるものを持っていきます(多分)

メンポのおかげで顔面蒼白になったり目が泳いだりしてたりというのは上手くごまかせたかなぁ…w

それにしてもほんやくチームの選曲すごかったですね。全然奇をてらってない、ドストレートにロックの名曲を連発してるのに安っぽくなってないのがスゴイ。あのカッコよさはたとえ同じセットで臨んだとしてもマネできないなぁ…。杉=サン超クールで憧れる。

次回のHMC7は大阪(!)。出演者として行くのか、客として行くのかは未定ですが必ず行きたいと思っています。

今回はありがとうございました、ではでは。


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