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元店長が語る、無印良品に行く前に知っておきたい「収納用品のサイズ」の話

日本全国に展開する『無印良品』さん。
生活者の視点で丁寧につくられた製品群は衣類、家具、食品にまで及び生活に関わる幅広い分野に及んでいます。
かくいうdocket storeの店主も10年間社員として働いてきた思い入れのあるブランドでもあります。店舗の什器としても無印良品の家具をフル活用しており、その影響は計り知れません。中でも、無印良品の家具と収納用品は『モジュールの統一』といって、商品ごとにサイズが合わないことのないように極めて意識的にサイズ設定が行われており、非常に便利です。

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しかし皆様。実際にお店に行くとあまりの商品の多さに圧倒されませんか?
どの家具にどの収納用品が合うのか・・・なかなかひと目では判断できないのではないでしょうか。しかも実際にすべての家具や収納用品のサイズに互換性があるわけではありません。イレギュラーなサイズ設定が行われている商品もあるのです。
そんな皆様も、無印良品の収納を使いこなしている皆さんにも知っていただくと便利な『収納用品のサイズ』のお話を今回はさせていただきたいと思います。

「26cm✕37cm」のサイズがすべての基本

はい。もうタイトルで答えを言ってしまっているようなものですが、「26cm✕37cm」のサイズで幅と奥行ができている収納用品。基本的にこれを買っておけば間違いはありません・・・というのはさすがに言い過ぎかもしれません。しかし、このサイズを押さえておくだけで無印良品の家具選びと収納用品選びはとても楽になります
ちなみに無印良品のオフィシャルサイトでもそれは明言されています。

日本古来の長さの単位である「尺」。このサイズ感でつくられている日本の住宅の押入れにピッタリ収まる家具を作り、その棚の内寸80cmに3つ収納用品が並べられるようにしたところ、幅26cmの収納用品のサイズが割り出されました。

では「奥行きの37cm」はどこから出てきたのでしょう?
これには我々の身近でもコピー用紙等に使われている「A4サイズ」が大きく関わっています。

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図の左側がA4サイズの用紙のサイズ、それに対して右側が無印良品の収納用品の基本サイズとなります。
A4サイズのコピー用紙に対して無印良品の収納用品の基本サイズの方が余裕をもったサイズとなっているのが見て取れると思います。ちょっとした2穴ファイルなどにいれても、収納用品に収めることが可能なサイズとなっていますね。
あわせてご覧頂きたいのが短い辺と長い辺の長さの割合です。
短い辺を1とした時、長い辺はA4サイズの場合 1.41、無印良品の収納用品のサイズの場合 1.42とほぼ同じ割合でできています。
(ちなみに、この割合は『白銀比』と呼ばれる日本の建築でもよく使われる割合で、A4サイズの用紙を半分にしたときに相似な形が生まれる理由にもなっています・・・がこの場では割愛します。)

すごくざっくりとまとめると、「奥行きの37cmというサイズは、A4サイズのコピー用紙に合わせて書類も入れやすいようにつくった」ぐらいざっくりにご理解いただくのがよいと思います。

対応する収納用品のバリエーション

では、この基本サイズに対応する収納用品のバリエーションを見ていきましょう

まずは定番のポリプロピレンケース

自然な風合いが人気な天然素材の収納用品

布貼の収納シリーズも対応しています

その他にも様々な素材が同じサイズを基盤にして展開されています。

廃盤になったものなども含めると他にも存在しそうですが、ネットストアで見つかった商品だけでもこれだけの種類が対応しています。
もちろんこれらの収納用品は家具と組み合わせなくても単体で使うことができます。しかもA4サイズという大きさは世界中で幅広く使われているため、他社の家具などにもぴったりと収まることが多いため非常に汎用性が高いです。

一方でこのサイズ展開に当てはまらない商品も数多くあります。
例えばこのトタンボックス。幅25.5cm✕奥行33cmと法則性から外れていますし、基本となっているサイズの展開は今のところありません。

他にも同じ素材でもサイズ展開が特殊なケースもあります。
中でも「角型」というサイズは長い方の辺である37cmを幅にも奥行にも使用した正方形のような形をしています(厳密には正方形ではありませんが)

無印良品の売場ではこれらの商品が、タグだけがついた形で整然と並べられています。その姿はとても美しく自分の部屋が片付く姿を想像させてくれるのですが、一方で基本サイズを知らないとどれが標準形でどれがイレギュラーなのかがわからなくなってしまいます。

A4サイズを入れやすいサイズが無印良品の収納用品のサイズの標準とおぼえていただくとそれだけで定番をおさえやすくなるとお考え頂ければよいと思います。
ちなみに無印良品の総合カタログはここ数年A4サイズ。カタログをみて商品を探しながら、サイズを確かめるのに使うのもおすすめです。

標準サイズがシンデレラフィットな収納家具は2つ

無印良品の収納用品は無印良品の収納家具にぴたりと収まる。
単体でも使える収納用品が、そのまま家具の引き出しのように自然と収まるのは本当にすごいことだと思います。
ただ、その一方で気をつけていただきたいこと。収納用品がどの収納家具にもピタリとおさまるわけではない!ということです。適当に買ってしまうと実は収納家具にきれいに収まらない・・・なんてこともありますので、先程の標準サイズをフルに活かせる収納家具をいくつかご紹介したいと思います。

まず、今回の標準サイズの開発のきっかけにもなったというユニットシェルフシリーズのご紹介です。複数種類がありますが奥行41cmのタイプを購入すれば、標準サイズの収納用品(奥行37cm)がいい感じに収まります。
幅58cmのタイプと幅86cmのタイプがセットとしては販売されており、標準サイズの収納用品が幅58cmには2個幅86cmには3個きれいに収まるものと考えてください。
素材もスチール、ステンレス、パイン材など色々な種類の展開があり、棚の位置も組み換えできて非常に使いやすい家具です。docket storeでもデスクとしての使用感をイメージした組み合わせや、レジカウンターとして使用しています。

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続いて紹介するのはスタッキングシェルフ。
いまや無印良品の収納家具を代表するアイテムとなっています。

こちらのタイプは正方形のマス目に収納用品がぴたりとおさまるようにできています。奥行は27.5cmとユニットシェルフよりも短いですので、先程は長い辺を奥行として棚に入れていた収納用品を90度回転させて収めるような形になります。ポリプロピレンのケースのような引き出し式の商品が同じ外寸で引き出し場所を変えて2種類作成されているのもそのあたりに理由があります。

ちなみにスタッキングシェルフはdocket storeでも商品陳列棚として活用されています。

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標準サイズがすんなり収まらない収納家具

無印良品を代表する2大収納家具であるユニットシェルフスタッキングシェルフ。
これらには収納用品がすんなり組み合わさって美しい収納がすんなり作れることがわかりました。では、他の収納家具はどうでしょう。実は意外と対応していないサイズがあるので注意が必要です。

例えば「カラーボックス」と他社では呼ばれて販売されているパルプボードボックス。こちらはA4サイズを意識しているため収納用品の標準サイズが入らずはみ出てしまいます。

廊下などに置いてもじゃまにならないオーク材の薄型ラックシリーズ。こちらも最大奥行が22cmとなっているため、標準サイズの収納用品ははみ出してしまいます。

スタッキングシェルフと同時期に発売されたスタッキングキャビネット。こちらもなかなかの曲者で、マス目の幅と高さはスタッキングシェルフと全く同じなのですが、奥行が39.5cmと長めなため、標準サイズの収納用品を入れると奥行か幅が余ってしまいます。ちなみに前述した「角型」というサイズ(奥行き37cmの正方形に近い形)をいれるとちょうどよく収まります。

まとめ

以上が無印良品の収納用品の標準サイズと収納家具のお話となります。
乱暴にまとめてしまうと「A4サイズに近い収納用品」と「ユニットシェルフorスタッキングシェルフ」を買っておくとサイズがバッチリ合うから便利だよ」ということになりますね。
無印良品で10年近く働く中で培われた知識であるため、知っておくと店舗でのお買い物にも役に立つと思います。
これからの新生活シーズンの家具や備品の買い足しの参考になれば幸いです。

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