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イラストの作り方と考え方

はじめまして。
趣味でTwitter等にイラストを投稿しています。TYAUIと申します。(@illust_TYAUI)
おっかなびっくり右も左もわかりませんが、先日投稿したファンアートを例に用いて、イラストを描くときに考えていることや、力を入れるべきだと思うポイントなど、自分なりに絵の作り方をnoteにまとめてみました。
稚拙な文章、イラストですが、良ければお付き合いください。


はじめに

まずはじめに、私は殆ど独学でイラストを描いているので、知識的に間違っている部分も多々あると思われます。ご了承の上で閲覧ください。

また、私は多くの場合線画を描きません。
少ない数のレイヤーにぺたぺたと色を乗せていく、所謂『厚塗り』と呼ばれる手法を使っています。
しかし『アニメ塗り』など、他の描き方をしている方にも生かせるような考え方もあるかと思いますので、自身の絵作りと照らし合わせて楽しんでいただければ幸いです。

エスキース


所謂案出し作業です。
私はここの作業が一番楽しくて好きです。
ここでは大雑把に『だれが』『どこで』『なにを』しているかを決めます。
SNSで投稿されるイラストはコミュニケーションと言い換えても差し支えない程に、『伝える』『伝わる』が重要な要素になっています。
単純画力で勝負できないうちはとにかく、なんの絵なのかを明確にして伝える努力をすべきだと私は考えます。
私の過去作品を例に挙げてみると、

ジャンクにて、六花が裕太をこっそり見つめているイラスト
(TVシリーズでは裕太→六花の感情が顕著に見られたが、イラストはその逆)
[SSSS.GRIDMAN]
ナンジャモとハラバリーがお揃いの表情を浮かべて笑っているイラスト
(相棒感)
[ポケットモンスターシリーズ]
レッドリーフグリーンの三人が、初代ゲームボーイを持って集まっているイラスト
(ゲームの中のキャラがそのゲームで遊んでいる)
[ポケットモンスターシリーズ]

このように、数箇所目をやれば大まかな場面が伝わる作りになっています。
二次創作だと多くの場合、見る側は『キャラクターや背景を理解している人』になりますので、
いかに面白い構図や小ネタを仕込めるか?いかにそれらを伝えるか?
の勝負になる訳です。
今回のイラストでは、ポケモンと人が共にある様子(LEGENDSアルセウスの主題)を描いています。

前置きが長くなってしまいましたが、エスキースの解説です。

本当にざっくり、描き込み過ぎはタブーです。
画面をピンチして、太めのブラシで描きましょう。縮小すると単純に線一本を引く時間が短くなるので進みが早いです。これはラフも同じ。

今回は2周年前日に「ワンチャン間に合うな…」で見切り発車したので比較的簡単な構図になっています。
山頂でポケモンと景色を眺める絵、でもビッパは花より団子。
あとはこれをどう魅力的な絵にしていくか…

ラフ


ほとんど変わらなくて申し訳ない。いつもはもう少し真面目に描いてます!本当なんです!!

何の説得力もありませんが、ラフではめんどくさがらずに、『角度のつくもの』から逃げないようにしています。
具体的には『目』『腕』『足の設置面』といった、『違和感の原因』になる場所です。
誰しも『絵がそこそこ進んだ段階で違和感に気づいて、修正に何時間もかけた末に結局納得いかなくて没!』なんて経験があるのではないでしょうか。
経験則ですが、それらは後々から生えてきたものではなく、あなたが、私たちが目を逸らしてきた結果の産物です。
「いい感じのラフできた!」で見て見ぬ振りをしてきた、塗りつぶしてしまった、違和感の芽です。向き合いましょう。

話が逸れました。なぜ『角度のつくもの』なのかは簡単で、知識がないとつまずきやすいパーツだからです。
とはいえ、今一枚絵描きたいだけなのに人体学べはかなり酷です。馬鹿です。
そうじゃなくて、逃げないこと。
似てる写真を探すなり、自撮りしてみるなり、やりようはいくらでもあります。
その場しのぎでもいいからたくさん考えて、経験値を貯めることが上達の近道だと私は思います。
しっかりとした構造は、覚えたくなったら覚えりゃいいです。

適当でいいよ

また前置きが長くなりましたが、ラフの解説です。

私がラフで大切にしていることがいくつかあって、
その内の一つが『衣装を全部描かなくていい』というものです。
時間かかりそうな模様だとか、フリルやメタルパーツのような、全体のシルエットに大きく影響しない部分は後からどうにでもなるので適当です。
その分の浮いた時間で布の回り込みや厚さの描き分けなんかに神経を使った方がお得です。
冬服は細かいシワできづらいよな…とか、ボタンと穴の距離バラバラすぎてこれじゃ止められないな…とか。
矛盾と違和感をつぶすことに集中。

あとの大きな変更点で言えば、モクローが追加されていますね。
モクローはかなり絵的に便利なポケモンで、空を飛ばせるとメンバーのバランスが取れるし、ちょっと抜けてる性格なので小ネタ要員にもできます。
今回は普通に「好きなポケモンだから描きたいな」で追加しましたが、後々アヤシシ様の顰めっ面回避パーツになったのでとても助かりました。

ここまでで、『だれが』『どこで』『なにを』に加えて『いつ』の情報も出ました。土台が固まると迷いが減るのでとても楽です。

カラーラフ

めっちゃ迷いました。
ひとえにてめェがラフをサボったせいだが…。

カラーラフでは脳内完成イメージに近い配色をひたすら追い求めます。
二次創作の場合、公式絵からスポイトする人も案外多いのかなと思いますが、個人的には色彩感覚も育つので自分で色を選ぶことを強くお勧めします。たくさん睨めっこしよう。
今回の絵は寒さを感じさせすぎず、山を登りきった達成感のような気持ちよさを画面に作りたかったので、淡いさっぱりとした色使いを目指しました。
ここではブレンドモードの『乗算』『オーバーレイ』『スクリーン』等を使用しています。

しかし、「淡い色にしよう!」に意識が強く行きすぎると、メリハリがつかず弱い印象になってしまうことも多々あるので、マフラーの一部分にだけ強い色を使っています。
物体の設置面に強い黒を使って影を描いているのも大体同じ理由です。
メリハリ大事。

また、みんな知ってるのかもしれませんが、
作ったカラーラフを複製→全体ぼかし→ラフの線にクリッピング→オーバーレイorスクリーンを薄くかけてやると1秒で線画色が馴染むのでおすすめです。

描き込み

いよいよ描き込みです。1番長くて苦しいけど1番絵描いてる感があります。
日によって順序は結構バラバラですが、
基本的にはメインモチーフの顔→服→四肢大雑把→背景大雑把→サブモチーフ大雑把→モチーフが触れている部分→全体の描き込み→加工
みたいな流れで作業します。

SNSキャライラストは『顔(主に表情)』『手』『フェチを感じる部分』が重要視される傾向にあると思っています。中でも顔は最も重要。
寒い地方なので耳や指を赤く悴んで見せたり、動きをつけるためにわざと髪の生え際をずらしてみたり。とにかくアイデアを浮かべて、実践します。

逆に、言い変えてしまえばそれ以外は手を抜いてもいいのだと思います。
単純にそうした方が楽だと言う話だけではなく、情報差を作るのです。
情報差ができることで視線誘導を狙えますし、より魅力的になります。
例を挙げると、

背景をぼかしてキャラを浮かせることで、3人に目がいく
[プリンセスコネクト!Re:Dive]
ツードロ作品、キャラの身体の流れだけ丁寧に描いて服の破綻を誤魔化す
服の線数を減らして視線を外す
[プリンセスコネクト!Re:Dive]

みたいな感じ。


今回のイラストは、背景が遠くなるほど線と色を少なく、近づくほど描き込むことで、強めの遠近感と山頂であることを表現し、キャラクターに目がいくよう調整しています。よくわからんって方は空気遠近法でググってみてください。
また、白枠で切り取ることでも遠近感を強調しています。便利なので私はよく使います。

強い黒を目立たせたい部分に使うのも有効です。目や輪郭をなぞってあげると一気に締まった絵に変身。お試しあれ。

完成

花の色を調整して少しだけ鮮やかにしてみたり、石を配置して単調さの回避、四隅に粉雪を舞わせることで描き込みの少なさで不足していた情報量を足している等。
適当に加工したら完成!!いじりすぎも良くないので慎重に、できれば時間を空けて試したいところ。

私はせっかちすぎて絵を寝かすことなく公開しちゃいますが、基本的には寝かして目と脳を休めた方が問題点も見えてくるのでした方がいいです。以上。

おわりに

今回はイラストの作り方についてまとめてみました!いかがでしたか?

次回以降も作るかは反応を見て考えてみます。参考になれば幸いです。

長文にお付き合いいただきありがとうございました。お相手はTYAUIでした。
Twitterもよろしくね(https://twitter.com/illust_TYAUI


おまけ

使用ペイントソフト… Procreate
使用ブラシ…なんかフェードペン
制作時間…9時間くらい

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