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AIでドラッグストアのマスコットキャラクターを作る①

プロデュース部の上島です。昨今、生成AIによる文章作成や画像生成が大変盛り上がっております。「人間の仕事が奪われるのでは」と危惧している人もいます。
私たちデザイン会社も決して他人事ではありません。むしろ当事者です。しかしここはあえてAIに積極的に絡んでいき、逆に使いこなしてやろうではないかと思い立ちました。

AIはゆるキャラに弱い

いろいろと触ってみたところ、AIの弱点がわかりました。「AIはゆるキャラに弱い」。ゲームテイストのファンタジーイラスト、萌えアニメ、写実的なイラスト、それから人物や風景の架空の写真。AIはこういったものは非常に得意で、普通のイラストレーターを凌駕するクオリティの画像をやすやすと生成してくれますが、AIはゆるキャラにはめっぽう弱いです。
これは学習量の問題なのでいずれ解決されると思いますが、現状ではいい感じのゆるキャラを作ることは全く不得意です。

AIによる画像生成を成果物にするのは難しい

AIはゆるキャラも苦手なのですが、一回生成した画像を微修正することもあまり得意ではありません。「今の画像をもう少し引きの絵にして」「横顔ではなく正面にして」「服装の一部だけを変更して」こういった修正をAIに的確に行ってもらうにはかなり指示が難しいです。ですので、商業デザインに使用するイラストをAIだけで完成させるのは現状、かなり厳しいと言えます。

AIにたたきのラフを作ってもらい、人間のデザイナーが仕上げる

そこで、「AIにキャラデザインのラフを考案してもらい、それを人間のデザイナーが仕上げる」という現状の最適解を試してみました。キャラクター名もAIに考えてもらいました。

■キャラクターコンセプト:ドラッグストアで使用するマスコットキャラクター。ネコの外見をしているが、ロボットなので質感はメタリック。等身は低く、愛らしい見た目をしている。医薬品に詳しい。
 →AIのネーミング提案:ネコメドくん

ネコメドくん、いいじゃん。続きましてネコメドくんのイラストをAIに書いてもらいます。画像生成にはstable diffusionを使いました。stable diffusionにはいわゆる「絵師」にあたる「model」というプログラムが必要なのですが、ゆるキャラのmodelが見つけられなかったため、なるべくゆるキャラに近いふたりのAI絵師を探し出してイラストを描いてもらい、それをいいとこ取りして人間のデザイナーが仕上げるという形にしました。

■AI絵師Aさんによるネコメドくん

可愛いし悪くないんだけど、ゆるキャラというよりはアニメやゲームキャラクターぽいタッチ。デザインや色合いは悪くないので参考にする。

■AI絵師Bさんによるネコメドくん

どこがネコでどこがロボットなの?

しかしゆるキャラにはこちらの方が近い。嫌いじゃない、いや、好き。むしろBさんぐらい枠にとらわれない自由な発想を持てたら、人間はもっと他人に優しくなれるのかもしれない。Bさんの思い切りを取り入れつつ、Aさんのデザインを参考に仕上げていく。

■ティラノがデザインしたネコメドくん

人間のデザイナー、完璧ですね。手にカプセルを持ち、サイドにある「耳」は錠剤の形をしていて、名札があり、萌え袖の白衣バージョンもある。鈴の首輪も可愛いですね。デザイナーいわく「尻尾で充電でき、端子はUSB TYPE-Cで幅広い機器に対応」という細かい設定もあり。

こういった「気が効いてるなあ」という描写は、まだまだ人間じゃないとできません。しかしラフを描くのはお手軽なので、今後もこのフォーマットを活用してキャラクターを生み出していこうと思います。ということで、

→マスコットキャラクターデザインのご相談はティラノまで!


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