2対3

これは中々受け入れ難いものもあるし、かつてない2-3であるし、一喜一憂がそれぞれ濃密で、今までに味わったことのない初めての2-3だと思う。よく考えないといけないし、それはサッカーに精通する人だけの問題でもないし、CMやサッカーファン、サッカーを生業とする人が願い掲げる「サッカーを文化に」のスローガンを本当に達成して、W杯での躍進や好成績、海外主要リーグの有力チームでのプレイヤー個々人の活躍などという数多の夢から現実にするために、この悔し過ぎる激しい90分間の末の敗北を始め、このロシア大会4戦を熟考しないといけない。

先制点、追加点はシュートそのものはファインゴールだったし、前半のスコアレスは2-0の過程として、非常に良い土台として機能した。しかし、ボールを奪い返されるシーンや安直なパスミスも目立った。縦パスのカット、縦パスするも収まらず、密集ゾーンを脱し切れずにベルギーの連続攻撃を許すなどプレスにハマるよりも引っかかる近距離のパス交換の失敗もあり、結果3点取るベルギーの攻勢は前半から凄まじかったのは言うまでもないが、0-0が不思議な状態で何とか凌いだ。

西野監督の前日会見でのピッチのどこかに落ちているチャンスや勝機をモノにして、2点もギフトを早い時間帯に手にした。先制点はカウンターで敵陣を切り裂くスルーパスからのフィニッシュ。2点目はパス交換から直ぐさまのミドル。思いもよらぬスーパーゴールのリードが、負けられないベルギーに火をつけたのは確かだろう。

一失点目は、セネガル戦と似ていると思う。フィールドプレーヤーの結果的にその場凌ぎのクリアがクリアミスとなって、ベルギーにとってはラッキーな形で反撃の狼煙を上げる一点になった。この時のもう一つのミスは緩いヘディングへのGKの対応だ。ミスと不確かなはっきりしないボールの動きに、時間が止まったかのように、手も使える最後の砦が何も出来なかった。疑惑の反応となったコロンビア戦のフリーキックの失点とも被る。ポーランド戦では致命的なシュートを2点防いで、このベルギー戦では連続ピンチをコーナーキックに逃れた。しかし、コロンビア戦とセネガル戦、そして未明の一失点目のトータル3失点は紛れもなく悪いパフォーマンスだった。

二失点目は、敵エースに突っかけられた末に、ターンとドリブルを織り交ぜての逆足となる左足クロスから交代選手が特長である高さを活かしてのヘディングで同点弾。これは、どうしようもない気がする。しかし、これもセネガル戦の二失点目に似ている。精度の高い、又は突破を許す形で近い距離という状況が揃った時に、ピンポイントで合わなくとも、二次三次と厚みのあるフォローやこぼれ球狙いで、圧力に屈する形で失点はある意味事故でもあるわけで、この状況を作り出したベルギーの巧さが光ったと認めざるを得ないし、マークの問題なのか、クロス以前の一対一の問題なのか。思うところは、願わくば一失点目がこれであれば、この局面でこれを最後に良いシーンをもう作らせない、そういう教訓とするような最少失点になっていれば、タラレバで考えてしまう。

三失点目は一気呵成のスーパーカウンターで、日本の先制点の形を凌ぐと共に引導を渡すと言わんばかりの、90分間でのトドメの一撃になった。これがなければ、延長そしてPKとチャンスを後へ後へと延ばしたくはなるものだが、ベルギーの猛攻を見ていれば、恐らく延長戦30分間は90分間とは異なる試合展開となっていた可能性が大きい。二失点目と三失点目はゴールキーパーにはノーチャンスだ。

3点目を取れていれば、ということも何度も過ぎる。攻撃を試みた中で、2点も取ったということは、確実に勝ちに行ったし、1-0ではなく、複数得点で何とか凌ぐということだったと思う。一点や二点は取られる、失点ありきで攻めを考えたことが窺える。ここには、試合の進め方も課題になるし、他に当初からの臨み方で言えば、点を取り合うのか、強力な攻撃力を抑えるのか、「個の力」だけで片付けることからは外れて、別のところにも問題はあることもまた論じられるべきだろう。加点で言えば、グループリーグは突破出来たものの、コロンビア戦では10人の相手に、セネガル戦では勝ち越し点を逃した。ポーランド戦では、前半序盤のチャンスを生かせなかった。こういう敵を戦意喪失させる決定的な得点を挙げることは叶わなかったことも、ゲームメイクが得点力と決定力と併せて強化すべきパーツだ。

先日の物議となった時間稼ぎ、まあ今回は2点リードの段階で残り約40分という状況だった。ベルギーのメンバーチェンジが後半20分、残り25分からも時間稼ぎは途方も無いことだ。ただ無難にプレーするスタイルチェンジも十分に有り得たが、それをしなかった。それは、決勝トーナメント進出の為とは言え、露骨な時間稼ぎをまた行うには心理的ハードルも高いし、ボールロストからのカウンターも考えれば、得策ではなかった。負けを待つベルギーでは無い上に、恐ろしい攻撃力を前には、中々難しい選択肢だった。ポーランド戦でも、カウンターを恐れてという策だった。要は守備力に絶対の安心は持てないままに、試合を進めてきたし、コロンビア1+セネガル2+ポーランド1+ベルギー3という一試合約二失点の惨状は、勝ち残る為に足枷となった。

メンバーチェンジのタイミングは、疲労や足攣りを考慮して、得点した選手外せない選手調子の良さそうな選手を使い倒すのではなく、より適切なメンバーと適切なタイミングで行う必要はあった。後半15分から20分、一失点目のタイミングとメンバーに関して、他のオプションはあったのではないかと、結果論ながら考える。チェイスと得点なら岡崎や武藤だし、攻撃のタクトを忘れないのなら山口よりも大島だ。攻撃のスイッチとして本田と山口だったのか、攻撃は本田で守備重きに山口なのか、最近の起用を見ていると、曖昧であり本当に効果的なのか、監督のカードの切り方と共に、強力なカードとして戦力が整っていなかったのかとも想像でき、23人本当に充実してポリバレントだったのか、底上げと粒を両立して揃えるところで、育成にもスポットは当たるし、今後に反省と改善すべきものは、何処から手を付けていくべきか、大きくて重い問題が突き付けられている。

ロシアは調子の良さを見せていたが、ウルグアイに敗れて勝点6で2位通過。スペインを辛くも破ったが、それはPK戦。クロアチアもデンマークと熱戦の末にPK戦勝利ではあるものの、ここまで6/ベスト8は、5チームがグループ首位通過の実力をそのまま発揮している。フランス、ウルグアイ、クロアチア、ブラジル、ベルギーだ。やはり、ベスト8になる為には、首位通過するに値する強烈な力を持たなければ、難しいことが表れている。そういう意味では、国際親善試合でも日頃から負けずにFIFAランクを引き上げたり、アジア大陸内では勿論負けている場合ではないし、伍するためには組み合わせ抽選の時にポット1にランクされるレベルでなければ、ベスト8の先の優勝も夢のまた夢のままだろう。

今回ではロシアが、悪い表現で言えば、アクシデントでスペインを下した。勝ったチームが強いし、より上のステージに立つべきなのは間違いないが、これから先のことを考えた時に、事故で棚から牡丹餅でベスト8を目指すのか、それとも相応しい実力を培って、他国との力関係や前回までの実績や歴史を持ち出させないのか、グループリーグ首位通過が順当にベスト8という構図が基本的に存在するならば、W杯開幕前からグループリーグから、決勝T一回戦では、運良く勝ち抜いた可能性も持つ2位通過のチームを相手に出来るように、本腰を入れて真の実力を付けなければならないこともまたよく分かった。残りの2チームに何処がベスト8として割って入ってくるかは分からないし、仮に日本が1位通過を果たして、イングランドなのか又は2位通過のベルギーが相手となって、勝利を収められていたかは不明だが、首位通過する実力をと考えた時には、何が何でもFIFAランク、その為の実力が前提条件になってくる。

非常に良い試合はしたが、45度のシュートやミドルシュートは見せたが、ベルギー相手にペナルティエリアやゴールエリアを一体何度陥れ本気で焦らせたか、攻撃面も課題アリだし、結局負けた。守備面の不足もあるし、攻守で簡単なミスもしているし、ドリブル突破や反転して入れ替わる時に、今までには見せたことのないイエローカード覚悟のファウルや汚いプレーもあった。失点防止の効果的なプレーの認定はするが、やりたいプレーをさせてしまっているところにこそ、個の差や日常で体感しているレベルの相違が表れており、その強度を確保する為に何が出来るか、移籍なのかJリーグ全体の底上げか、アジア圏や欧州と南米以外における全地域の問題なのか、近いうちに日本がベスト8以上の壁を越えていく為に何が必要なのか、模索の日々は続く。

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