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神戸に来て変わったこと(主に街の歩き方編)

小さい頃から住んでいた街は、学齢が上がるたびに自宅から同心円状に行動範囲が広がって行った。
結婚するまで実家にいた私は、神戸に来て初めて故郷以外の街で生活を始めたのだが、新しく住んだ街はインクの染みが広がるように、いくつかの点から広がって行く感じがする。
電車に乗って移動し、駅を起点に駅周辺の土地勘が徐々に養われる。

それぞれの場所で大きな道路を通るが、うまく線を描けない。
この道路を進んだらどのあたりに出るのか、方角はあっているのか、目的地に遠いのか近いのか、ピンとこない。

今でも大阪へ向かう方角と三宮へ向かう方向が反対のような気がする。

北海道に住んでいる内地出身の人たち(北海道の人は本州を内地と呼ぶことが多い)は、北海道を外国と呼ぶ。起伏が少なく、まっすぐな道で分けられた人工的な街は古い街から来た人たちから見れば、とても奇妙に感じるらしい。たしかにこちらには通りたくなるようなドキドキする路地だがたくさんある。

神戸では海から離れるとすぐに上り坂になるので、初めはずいぶん体力を削られた。今は札幌に1週間帰っていると、足の筋力が少し落ちてしまう。道が平坦なのと車に乗って移動する機会が増えるからだろう。
神戸に来てからヒールのある靴はほとんど履いていない。下り坂で足が前に滑り落ちてしまい、つま先が痛くなってまう。

そして何よりも雪が降らない。
北海道の人は、雪が降ると少し体感の気温が上がると感じる。雪が積もるということはそれなりに寒いはずなのだが、冬で1番寒い時期が雪が積もる直前の時期と答える人が多いと思う。
これには体感気温の問題もあるが、服装の問題もあるかもしれない。雪が積もったらひとつ厚手のコートを着るようにするという人もいると思う。
ともあれ、雪が降ったら少し暖かく感じるのだ。でも、神戸には雪は積もらない。積もったら大騒ぎだ。
神戸で1番寒い時は、北海道の雪が積もる前の気温と近い。数字がどうであれ体感はとても寒い。そんな日が何日も続く、寒くて堪らない。外も寒いが屋内も寒い。札幌では着たことのないようなモコモコのパジャマで生活している。
冬といえば、ストーブの前でTシャツ短パンでアイスを食べていたのに……。
だから意外にもこちらに住んでからの方が厚着をする。

雪の降る北海道には野良猫が少ない。越冬が難しいからだ。(多頭飼育崩壊は多いようだけど)
街を歩き、猫に会うのも楽しみの一つだ。

生まれた時から住んでいる街じゃないのでまだまだ慣れないけれど、楽しい経験を重ねることができていると思う。

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