ギャラクシー

ギャラクシー賞選考委員に加わりました

毎月発表されているギャラクシー賞の月間賞、8月度受賞したのは以下の4番組でした。

『病院ラジオ』(NHK総合、8月9日放送)
『NHKスペシャル「“駅の子”の闘い~語り始めた戦争孤児~」』(NHK総合、8月12日放送)
『ミステリースペシャル「満願」』(NHK総合、8月14~16日放送)
『超逆境クイズバトル!! 99人の壁 夏の大花火』(フジテレビ、8月15日放送)

いつもなら、「俺が選んだみたいだ!」なんて軽口を叩いているところですが、もうしばらくは言えなくなりました。
なぜなら、僭越ながら、今回から僕もギャラクシー賞(テレビ部門)の選考委員(正確には「選奨事業委員会」というそうです)に加わったからです!

お誘いいただいた時は、これまでもギャラクシー賞にも信頼を寄せていたし大変光栄な仕事だと思いましたが、お引き受けするのは迷いました。なにしろ、あまりにも責任重大。まだまだ若輩者ゆえ小忙しい状態の僕に(時間的にも資質的にも)務まるのかと不安でしたし、正直言ってメリットもデメリットもあると思いました。(ハッキリ言って金銭的にはまったく割に合わないし、上記のような軽口が言えなくなったりとか、変に権威的なイメージがついちゃわないかとか…)
それでも、こんなに意義ある仕事ができる機会はめったにないと思いお引き受けしました。ちなみに任期は原則2年間(以下に書く概要には大抵「原則」がつきます)。

ギャラクシー賞(テレビ部門)の選奨会は大きく分けて2種類。月間賞4本を決める毎月月末に集まる月評会と、半年に1回、上半期、下半期(年間)の大賞・優秀賞などを決める会。
月間賞は12人の選奨委員が集まって決めます。
まず、それぞれが「推奨したい番組」や「話題にしたい番組」を挙げていきます。
そして、その番組について各人が選評を語っていきます。
その中から毎月4本に絞って選ばれるのが「月間賞」です。
(ちなみに一部で「ギャラクシー賞は番組側からの自薦」というような情報を目にしたことがありますが、これは一部誤解。
月間賞はあくまでも選奨委員が推薦していきます。自薦の番組が候補になるのは「上半期」「下半期」を決めるとき。ですが、これも完全に自薦なわけではなく、期間中の月間賞+自薦の番組の中から決めていくそうです)

今回は月評会では『病院ラジオ』が圧倒的に票を集めました。
こんなにも票が集まったのは異例のことだそうです。
といっても、月間賞は票の多数決で決めるわけではありません。
選評等をみんなで聞いて総合的に判断します。
選奨委員とはいえ、あらゆる番組を見ているわけではないので、単なる多数決では本当にいい番組が埋もれてしまう可能性があるからでしょう。
とはいえ、『病院ラジオ』は満場一致で月間賞に選出されました。
この番組が海外からフォーマットを買ったものということは知っていましたが、元の番組は病院だけでなく、町のいろいろなところでやっていたというのを選奨会の選評で知って唸りました(選奨委員の方々は皆さんテレビ愛に溢れ、その知識も豊富だから、そういう方々のお話を聞けるだけで選奨委員になって良かったと思いました)。サンドウィッチマンを起用したのも見事だし、病院に特化したのも素晴らしい選択だと思います。

また、どうしてもこの手の賞の場合、ジャンルが偏ってしまいがちです。多数決にしないのはそれもひとつの理由だと思います、たぶん。
実際、8月は戦争もののドキュメントの放送が多く、候補には多数の戦争ドキュメントが挙がりました。
そんな中で、「戦争孤児」という他とは違う視点で戦争を描いた『“駅の子”の闘い』が選出。僕も戦争ドキュメントの中ではこれが出色の出来だと思いました。
ドラマ『満願』は第2夜の「夜警」(主演:安田顕)が特に高い評価を受け受賞(まったくの同感!)。
そして、4月の特番でも獲ってほしかったと思っていた『99人の壁』が選ばれました。

ちなみに今回僕が選奨したのは以下の番組です。
・『病院ラジオ』(NHK総合)
・『99人の壁』(フジテレビ)
・『人生を諦める技術』(テレビ東京)
・『透明なゆりかご』(NHK総合)
・『はたらく細胞』(TOKYO MXほか)
なお、連続ドラマ等に関しては最終回が放送した月が対象になるので、とりあえずそれ以前の月では「話題」にあげ、他の選奨委員に見ておいてほしいと推薦しておく、というような意味合いで挙げる仕組みになっています(挙げなかった『dele』は当然他の方から挙がるだろうと)。

『病院ラジオ』はシリーズ化してほしいし、おバカ教養番組の振りをした真っ当な教養番組『人生を諦める技術』もまたやってほしい! 『99人の壁』はレギュラー化されるのでその際は是非多くの人に見てほしいです! 『はたらく細胞』はアニメですが、本当に勉強になるし、何より面白い! 昨日最終回を迎えた『透明なゆりかご』は本当に素晴らしい、つくり手の覚悟あふれる作品でした。
詳しい選評等は『GALAC』という雑誌で読めますので是非!



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