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【ポケカ】こないだのシティリーグでイケメンに完全敗北を認めたら決勝トーナメントに出ることができてマジで両負けを回避するのって大事だなと思った話

 こんにちは、ゆうびんやです。現在2021年1月11日、三連休の最終日です。今日は久しぶりに家でゆっくり過ごすことにしました。暇なので、先日宝島可児店で行われたシティリーグシーズン2に出場して「両負けを回避することって本当に大切だな」と思ったときのことを書きます。いつもどおりほぼ日記です。「2.本編」だけ読むのを推奨。


1.試合が始まるまでの話

 当日、受付の開始する9時ちょうどに会場入りした僕は、検温と消毒を済ませて、店内を物色していました。当日の現地の気温は−3℃前後で、換気をしっかりと行なっているのか、開店したばかりだからか、店内は暖房が入っていながらも結構寒かったのをよく覚えています。

ポケモンカードの販売コーナーには、ショーケースの端に、「傷あり特価」と書かれたカードが並ぶコーナーがありました。何か掘り出し物はないかと見てみると、そこにはなんとVスターターに収録されていた「カプ・コケコV」が490円で売っていました

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ご存知の方も多いとは思いますが、先日公式サイトにて、1月22日(金)に発売予定の新弾に「カプ・コケコVMAX」が収録されるという情報が発表されました。それに伴いスターターに収録されているこの「カプ・コケコV」も改めて注目を集め、すでにこの日にはフリマサイトで1枚1,000円前後で取引がされていました。そんな中、傷ありとはいえ490円は非常に魅力的ですし、雷タイプのポケモンが大好きな僕としては絶対に集めておきたい1枚です。

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 しかしながら財布を開けてみれば、なんと所持金1,000円程度。恒常的に金欠ではあるものの、28歳のいい大人が所持金1,000円。辛うじて「カプ・コケコV」は買うことができますが、流石にその後のことを考えると少し躊躇います。そうしてショーケース前で悩んでいると、同じくシティリーグの参加者と思われる男性2人がその「カプ・コケコV」を見つけて、これは安いだのお得だのと話し始めました。まずい、このままでは買われてしまう。このとき、愛読している「カイジ」シリーズより「班長」の言葉が脳裏に浮かびました。

 「フフ......へただなあ、カイジくん。へたっぴさ........!欲望の解放のさせ方がへた...」

 気付けば僕は店員さんを呼んでいました。だめなんです。ちまちまと考えていてはだめなんです。欲望は溜め込むだけ身体に毒、むしろこの欲望を吐き出すことが次に繋がるのです。そう言い聞かせて気付けばゆうびんや、豪遊。なんと残金が41円になるまで特価コーナーで買い物をしてしまいました。これにはゆうびんや、猛省。

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 こうして僕は身体も懐も冷えた状態で、シティリーグへ挑むのでした(ここからが本題です)。


2.本編

 第一試合の卓に着くと、清潔感のある、若く、顔の小さい高身長のイケメンが目の前に現れました。彼は友人とグループでシティリーグに訪れていました。待ってくれよ、こっちはいい歳した小汚いブサイクなおっさんが1人で来てるんだぜ、しかも所持金は41円ときたら、これでポケモンカードで負けたら俺にはもう何も残らないじゃないか、なぁ、助けてくれよ。そんな捻くれたプレッシャーを感じながらも、試合が始まりました。

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 当日僕が握ったデッキは「ピカゼク」と呼ばれる、「ピカチュウ&ゼクロムGX」という強力な雷タイプのポケモンを使用した、比較的安定感のあるデッキでした。「デデンネGX」や「クロバットV」など、特性を持つポケモンを使用して盤面を広げていく、スピード感のあるデッキです。対して相手は「ドガスドイナ」と呼ばれる、「ムゲンダイナVMAX」と「ガラルマタドガス」を組み合わせた悪タイプの非常に強力なデッキを使用していました。

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 試合は、序盤からガラルマタドガスの「かがくへんかガス」にこちらのポケモンの特性を封じられ、苦戦を強いられました。そこで僕はサブアタッカーである「クワガノンV」の「パラライズボルト」で相手のグッズを封じてスローペースな戦いに持ち込んで、なんとか山札からキーカードを引いてくるだけの時間を稼ごうとします。イケメンもこれにより少し動きが止まり、お互いに悩ましい盤面が続きます。

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 色々あって試合終盤、イケメンが「デンジャラスドリル」の使用を宣言しました。こちらのベンチには160ダメージの乗った「デデンネGX(HP160)」がおり、「大きなおまもり」によって辛うじて気絶を免れていました。相手の残りサイドは2枚。この「大きなお守り」をトラッシュされれば僕は負けてしまいます。

 しかし、イケメンは同じくベンチいた「ピカチュウ&ゼクロムGX」についていたポケモンのどうぐをトラッシュすることを選択しました。一応確認のため「ピカゼクについているのでいいですか?」と聞いてみましたが「はい」とのこと。あれ、助かったぞ!

 その処理を終えて数手後、イケメンも気付いたようでした。お互いに「やっぱりさっきのここ(デデンネ)に打つべきでしたよね〜!」「ですよね!」と照れ笑い。笑った顔もイケメンでした(当然)。シティリーグやチャンピオンズリーグなど、大きな大会やCSPのかかった大会はやはり緊張しますし、こういった勝ち筋を逃してしまうミスも起こり得ます。多分気付いていないだけで自分たくさんしてきたんだろうなあ。明日は我が身、気を付けたいですね。

 そして制限時間残り1分程度となったタイミングで僕の番が回ってきました。まだ僕はギリギリ首の皮一枚でしたが生き長らえており、「リセットスタンプ」などの妨害カードを使用しながら立ち回れば、次のターンくらいは生き残ることできそうな盤面でした。しかし同時に、このまま数ターンに渡ってゲームが続いても勝ち筋がおそらくほとんどないであろうことも簡単に分かりました

 結論から言うと、残り15秒となったタイミングで投了を宣言しました。イケメンに「投了しますので僕の負けでいいですか?」と聞いて承諾を得ました。予選に「引き分け」や「サドンデス」は無く、(細かい説明は割愛しますが)時間切れとなっても決着しなければ両者が敗北という扱いになります。これは予選順位を決める上で、非常に不利です。

 予選においては、最終的に同じ勝ち数の者の中での順位をつける際、その者が対戦した相手がどんな成績だったかを参照して順位を決定するシステムになっているそうです。みんなが「オポネント」とか「オポ」と言っているのはこの順位の決め方のこと(厳密には定義が少しズレるかもしれませんが)です。なので、両者負けという「自分の相手の成績が悪くなる」決着は、自分の成績のためにも避けておきたいものです。

 こういった計算はもちろん、このまま試合を続けても勝てる見込みがないであろうこと、そして何より僕はあの「デンジャラスドリル」のタイミングで本来なら負けていたはずであったこと、そういった理由から気持ちよく自分から負けを認めることができました。

 こうして、僕は初戦にていきなり黒星となってしまい、正直もう決勝トーナメントに残ることはできないかな思いました。残った一縷の望みはイケメンと僕が共にここから全勝すること。確率としては非常に低いと思います。それでもやるしかないのでイケメンに「ここからぜひ全勝して僕を引っ張り上げてください!!」と願いを託しました

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 そしてなんだかんだで予選が終了し、結果発表のお時間となりました。僕の成績は3勝1敗。イケメンの成績は、なんと、4勝0敗。僕は予選最終成績6位で決勝トーナメント進出を果たすこととなりました。こんなことってあるんだな…イケメンはやはりイケメンでした。惚れてまうやろ。同時に、全てにおいて僕がイケメンに敗北した瞬間でした。負けでいいです。

 でも、もし僕が第一試合で投了していなければ、僕は決勝トーナメントに出られていなかったかもしれません。予選最終成績では9位までが3勝1敗ラインでしたから、僕がその9位で涙を飲む結果になっていたかもしれません。そう考えると、あそこの投了は我ながら英断だったなと思いました。その後のことはイケメンのおかげなんだけどね。びしょ濡れだぜ
 
 もちろん、両負けになってしまったプレイヤー全てがオポネントの計算をしていないとか、潔くないとか、そういう批判をしているわけではありません。直前までお互い必死に勝利をもぎ取ろうと戦っていた相手に対して急にドライに敗北を認めるのは難しいことだと思いますし、タイムアップした後の投了が認められていない以上残り時間の管理も大変だと思いますし、それに、「このまま両者負けになるくらいなら相手の方が投了するべきだ!だって俺が有利なんだもん!」ってお互いが思ってるかもしれませんし、本当に本当に本当に難しい問題だと思います。実は以前には僕も両負け経験してるし、本当にすごく難しいんよ!

 でも実際、投了した方がマシなんです、成績的に得なんです。やっぱりそれをちゃんと自覚して冷静になって判断することって、そういうシーンを実際に経験して、本当に大事だなと思いました。いろんな大会で試合を見てきた経験上、絶対に投了した方がいいだろって試合って世の中結構あるし、両負けになったら後味本当に悪いし、無意味な両負けがこれから少しでも減ってくれたら嬉しいなあ。投了するしないは自由だから別にこういう発言で圧力をかけたいわけじゃないんだけど、「自分のための投了」って考え方はもっともっと浸透しても良いのかなって思います。

 あと、今回みたいな時、自分とそこまでの接戦にもつれこんだ相手だし、もうその試合で自分が負け濃厚なんだったら、その後しっかり勝ち上がってくれると信じて託すっていうのも悪くないなって思いました。イケメン、ラブフォーエバーだぜ…。


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