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部外者が無責任に責めることの罪

よかれと思って、あるいは自己利益のために、あるいは致し方なく、あるいは否応なくなど、色々な経緯はあるにしろ、他人が他人事に対して口を挟んだり、力を及ぼしたりして成したことが、後々、大変な問題となってしまうことがある。

例えば、かつてのヨーロッパ諸国による植民地支配。さんざん搾取した後、その国が独立をするときに、勝手に国境線を決めちゃったり、宗教の地域を決めちゃったりしてほっぽり出すもんだから、今、そのことで争いが起こっている。

日大のアメリカンフットボール部の問題。
かつて、部員の成人男性が、プレーが終わった後にクオーターバック(QB)に後ろからタックルして問題になった。
コーチが「レギュラーになりたいならQBをぶっつぶしてみろ」みたいな発破をかけたというが、そんなことは、アメフトのどこのチームでも、誰にでも言っていることだと思う。まさか「プレーが終わった後でもいいから」などと言っているとは思えない。
しかし、マスコミが先頭になって、そんな事を言ってプレッシャーをかけたコーチたちが悪いということになった。レギュラーになりたくてやり過ぎた選手が可哀想だと。
で、コーチ陣がみんな辞めて、どこかの馬の骨みたいなコーチを連れてきて、「選手の主体性」でチームづくりをするということになった。
そうしたら大麻だ。
マスコミは、今度は自分たちが祭り上げたコーチなどの管理責任には触れず、その上の、話題性の高い林理事長をはじめとする大学運営側に攻撃目標を定めたらしい。
アメフト部が廃部になったら、その後の影響はどんなことになるのだろうか?

新聞の販売部数のために、視聴率のために、問題の一部をやいのやいの言って責めて、相手が引っ込んだら後は知らんぷり。その無責任さは、イスラエル・パレスチナ問題に対するヨーロッパ諸国よりたちが悪い。
もっと社会を良くするためのやり方があるだろうと思うが、そうと分かっていても自分の利益が最優先になってしまうのだろう。人間とはそういうものだ。かつて危険タックルをしてしまった選手だってそうなのだ。
しかし、そんな人間の業を超えて、報道機関は良心に立脚していて欲しいものである。


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