見出し画像

『冥丁』からいくつかの連想

Meitei is an ambient producer/trackmaker from Hiroshima, Japan. His music focuses on recreating a "lost japanese mood".

「失われた日本の空気」を再現する音楽。
和楽器メインの華々しい和風BGMじゃなくて、本当に「空気」を再現してる。

虫や蛙の鳴き声とか、何かが軋む音とか、リアルなノイズが入ってる。
私は田舎の古い家に住んでるので、それが現実の音なのかスピーカーからの音なのか分からなくなる。その感覚が気持ちいい。

「自然がいっぱいで懐かしい感じ」といえばジブリ音楽の久石譲みたいな曲をイメージしがちだけど、こういう湿っぽくてちょっと怖い解釈もありなんだなと思った。

『怪談』

「地蔵」

2:12あたりの呪文はこれっぽい。

オン アボキャ ベイロシャノウ
マカボダラ マニ ハンドマ
ジンバラ ハラバリタヤ ウン

けど何か違う。最後「払われたや」って言ってる気がする。

「魍魎」

その者、赤い目と長い耳を持ち、身体の色は赤黒く、美しい髪を持つともいわれる

冥丁の音楽聴きながら京極堂シリーズ読むの最高。

「山怪」

山怪シリーズも流行りましたね。

山の異界といえばこれ。

ジャケット

勝川春章「市川團十郎と岩井半四郎」

The Actors Ichikawa Danjuro V as a Skeleton, Spirit of the Renegade Monk Seigen (left), and Iwai Hanshiro IV as Princess Sakura (right), in the Joruri "Sono Omokage Matsu ni Sakura" (Vestiges of Pine and Cherry), from Part Two of the Play Edo no Hana Mimasu Soga (Flower of Edo: An Ichikawa Soga), Performed at the Nakamura Theater from the First Day of the Second Month, 1783
五代目市川團十郎(骸骨、僧侶清玄の怨霊(左))と四代目岩井半四郎(桜姫(右))
『江戸花三升曽我(江戸の花、市川曽我)』の第二幕より「其面影松桜(松と桜の面影)」
1783年如月朔日より中村座で上演
※筆者訳

題材はこれ。

女性じゃなくて女形だったようだ。

で、清玄ってどっかで聞いたなと思ったらこれだった。

骨のほうは、こういう感じの舞台表現だったのかな。

『小町』

鈴木春信『夜の梅』シカゴ美術館

『夜分』

余談

オモコロチャンネルでダ・ヴィンチ恐山の詠唱を聞いた瞬間、「塔婆」がものすごい勢いで頭の中を駆け抜けていった。

こういう声質って怪談に向いてるのかもしれない。