学生の声を無視した大学の現状

意味がないことなのかもしれない。
余計なことをしているのかもしれない。
投稿したことを後悔するかもしれない。
それでも声をあげなければと思った。
きっと何も変わらないだろう。
この投稿が人の目に触れるかすらも怪しいのに。

それでも一石を投じたいと思った。

 うちの大学には第一学生ラウンジ(※1)というスペースがある。
 大学での多くの講義が行われる建物である講義棟の1階にある学生ラウンジは空きコマでの自習や、図書館等の静かな場所(大学図書館内にも声を出して話してもよい会議スペース等は設けられているので一概には言えないが)ではしにくい話し合い、昼休みに食堂に座りきれなかった学生の昼食の場として機能していた。
 コピー機が置かれ、自動販売機もある。教室に近いことから講義のレジュメを印刷してから行く学生もいたことだろう。自分もそのうちの一人だ。

その学生ラウンジが、移転することになった。

そして今日(8/9)、移転に先立ち、学生ラウンジが閉鎖された。

その学生ラウンジの場所は来年度の4月から事務室となるため閉鎖する。
学生ラウンジは第二食堂(※2)の2階へ移転する。
                     (届いた通知の要約)

 2019年6月、突然の通知だった。

 「学生各位」という文字から始まる無機質な通知。
 事の重大さにしては非常に短い通知だった。全く詳細な状況の分からない、一方的な通知だった。
(本当に短かったよな、と思って今試しに文字数を調べてみると210文字。Twitterのツイート、1.5ツイート分である)

「事の重大さ」とはどんなことか、書いて行こうと思う。
 一番重大な部分としては、学生が多く利用する場を閉鎖する・移転するということを、それまで全く学生に知らせることなく、全てが決定している状態で、しかも閉鎖の2か月前に通知したということである。
 何故全て覆せない状況になってから知らせるのか。学生たちが移転に反対する機会を全く与えずに一方的に閉鎖・移転を知らせたことは問題ではないのだろうか。

 こう考えることの妥当性を示すために学生にとって学生ラウンジがどのような役割を担っていたか、そして学生ラウンジの移転に伴い学生がどのように困るかについて述べていく。
(ただし、以降の記述は私自身や周囲の人がどのように学生ラウンジを利用しているかの印象での記述でしかないことは注意しておく。私自身が何か調査を行ったというわけではない)

・自習
・話し合い
・昼食
・コピー機の利用
・自動販売機の利用
・Wi-Fiの利用

 この中の全て自分自身の学生ラウンジを利用する理由として実際にあったものだ。
 特にWi-Fiの利用は多かった。(自分だけだろうか)
 というのも、うちの大学では、ちょうど学生ラウンジがある建物の一部でWi-Fiが全く無い。何かの呪いかと思うほどに教室内にWi-Fiが届かない場所があり、ファイルデータを友人らとやり取りする際などにパソコンにダウンロードする時などは非常に困るのだ。Wi-Fiが通っているからと言って直前直後の講義で使用する教室以外に入ってパソコンを広げることははばかられるし、Wi-Fiがありそうな廊下に突っ立ってパソコンを開くわけにもいかない。
「Wi-Fi拾ってくるから先行ってて」
 というやり取りを何度したことだろう。もちろん「拾ってくる」その場所は学生ラウンジだ。
 そして、学生ラウンジの大きな役割は昼食の場としての役割だろう。(主観です)
 我が大学には2つの食堂がある。しかし、昼時には大変混雑し、座るのに一苦労するのだ。席数を増やしてほしいという学生の声もある程だ。きっと多くの大学で食堂は混むものだろうとは思うが。
 そのため、食堂で学食を食べるのを諦めて学生ラウンジで食べる学生がいる。弁当持参の学生も、友人が食堂に行く場合は一緒に行くことがあるのだろうが、学食を買って食べるわけでもないのに混雑する食堂で食べることは気が引けるだろう。
 学生ラウンジは、2つの食堂で賄いきれなかった席数を保障していると言える。それでも十分ではないときもあるのだが。

その学生ラウンジが移転したらどうなるのか。

自習利用、話し合いは図書館でもできると言えばできる。
食堂でも昼食時間を避ければできるだろう。
昼食は食堂で食べればいい。
コピー機も第一食堂や第二食堂、図書館まで行けばできる。

何も困ることは無い。

そんなわけがない。

 講義棟内という立地で、学生ラウンジがあることに意味があるのだと私は思うのだ。そして、学生ラウンジを第二食堂へ移転させることも妥当ではない。

 前述したとおり、昼休みには食堂は非常に混雑する。座れないこともある。移転先がその食堂であることは非常に問題だ。
 移転先が「第二食堂2階の一部」である、ということは単純に考えて、学生ラウンジに合った分の席数が第二食堂に吸収されたと考えていいだろう。後述する7月末での詳細説明のWordデータに、席数を増やすことが記載されていたが、それでもスペースの都合上移転前よりも減ることは確実だ。

 そして、学生ラウンジ自体は移転して残るが、コピー機は撤去される。
(ラウンジ移転後に置かれるという事務室にでも置いてくれりゃいいのに)
第二食堂1階にもコピー機はあるため、もしラウンジの移転で一緒にコピー機が移動していったとしても、無用の長物になるだけだが。自販機も同様。
 コピー機が必要となるのはどのようなタイミングだろう。私自身は授業と授業の合間にコピーを取ることが多いのだが、学生ラウンジが無くなってしまえば、別のところ(第一食堂や第二食堂、図書館)へ走るしかない。これがあまり近くないのだ。
 うちの大学の講義棟付近の一番近い自動販売機が、学生ラウンジの自動販売機だった。これを無くしたことで、学生は購買部に買いに行くか、第二食堂横の自動販売機まで行くか、ということになる。

この移転に対して、学生が何も動かなかったわけではない。

学生の自治団体が署名活動やアンケートを行ったのだ。

そして、その活動に対しての答えは、

既に周知しているとおり、閉鎖し移転することになっています。(要約)

というメッセージだった。
 2019年7月末、移転理由を含む詳細な説明を求めるという要望に対して答えたという内容で、以前よりも詳細な説明の「お知らせ」が学生全員に来た。詳細な説明はWordデータが添付されていた。(ちなみに、先ほどの通知の比較として。文字数は約1200文字)

 署名活動は、移転の詳細の説明を求めることと、第二食堂への移転が妥当ではないとするということを目的としていたような気がするのだが、2つ目の方には触れられることもなかったのだろうか。

 結局、決まったことは覆せないのだろうか。
 決まったことが覆せないのなら、何故決定する前に教えてくれないのか。
 反対する権利は無いのだろうか。

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