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Oradano明朝GSRRフォントの指標には青山進行堂『富多無可思』を活用

冒頭の画像は、1887(明治20)年にサンフランシスコのPalmer & Reyという活字鋳造会社が発行した『Third revised specimen book and price list of printing material』に掲載されている「指標(Fists)」の一部です。

これ以前の米国系活字会社の活字見本帳でも同様のものを見かけるのですが、かなり良好な画像をウェブで見ることが出来る例として、掲げておきます。当該頁の中央部にある「指標(Fists)」の全体像は、次のようになっています。

明治大正期の日本の活字会社は、こうした米国系(あるいは英国系)の活字を輸入して使っていました。

そうした活字会社のうち、おそらく東京築地活版製造所経由でこの「指標(Fists)」活字を入手していたと思われる青山進行堂が、創業20年を記念して明治42(1909)年に発行した『富多無可思』という活字見本帳兼定価表があるのですが、Oradano明朝GSRRの「☞」記号には、この『富多無可思』に掲載されている「指標」を採用しています。

ある程度細かい線を拾い出すために、手元にある『富多無可思』を活用したという次第です。

どの「指標」が使われているか、ぜひOradano明朝GSRRフォントの「☞」で確認してみてください。


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