見出し画像

どすこいジャパンカップ(芝2000m/両国)(第3話)

(第二コーナーのおさらい)

全世界が注目する今年最後のG1レース。

「ジャパンカップ」

両国の街そのものを利用した世界最重量の市街地レースだ。

────────────

どすこいジャパンカップ(芝2000m/両国)

第3話「第3コーナー」

────────────

01. 泥土竜 【脱落】
02. 酸鼻 【脱落】
03. 穴昆蛇(あなこんだ) 【脱落】
04. 潮測(しおはかり)
05. 聴海(ちょうかい)
06. 模写櫓(もしゃやぐら)
07. 押井守(おしいのかみ)
08. 福の胆
09. 渡鴉(れいぶん)
10. 塩の海
11. 力魑(りっち)
12. 自我海(えごのうみ)
13. 久地裂袈(くちさけ)
14. 露出強(ろでつよし) 【脱落】
15. 円出(まるだし) 【脱落】
16. ロマノフ・シコルスキー(ろまのふ・しこるすきい) 【脱落】

────────────

先頭で逃げるのは久地裂袈と渡鴉。
それを追う先頭集団で小競り合いが発生して3名が脱落。
後方集団がひそかに勝負所を探る展開となり、福の肝は「テトロドリキシン」の神経操作によって強豪力士の同士討ちを狙う。

福の肝が触れたのは力魑。角界でも珍しい不死(アンデッド)力士だ。しかし陰陽の術に秀でた力魑は肉体を喪失しており暗黒魔法や毒を受け付けない肉体であった。

(( 愚カ者メ……<omomom><omomom> ))

力魑の呪術障壁が福の肝を強く打ちのめした。

「アガガガガ!!」

暗黒魔法の波動を敏感に感じ取ったのは塩の海。後方へ向けて異能「潮吹雪」を発動させる。

「ハ=カータ・ノ・シオ!!」(ヘブライ語で"邪悪なるものよシオンの前に跪け"という意味)

不死力士は神聖な力士と塩に弱い!!力魑は瞬時に塩の柱と化した!!

「六億五千粒、いや四千九百九十八粒か、いい塩だぜ」

塩の柱と化した力魑の総粒子を瞬時に測ったのは潮測。塩の海の絶対的な天敵が彼を抱き寄せ、耳元でささやくと潮の海は胸が高鳴り膝から崩れ落ちた。そのささやきを異常聴力で聞き取ってしまった聴海も同時に胸が高鳴り脱落!!

江戸時代の名大関恋煩井は、激しい取り組みの直後に恋人の名を叫び土俵上で抱き合ったことで胸が高鳴り、心の臓が破れて帰らぬ人のなったという伝説が残されている。力士の恋は死を招くのだ。

福の胆、力魑、塩の海、聴海が一気に脱落ゥゥゥ!!」

「これはすごい」

潮測が後方集団から抜け出しました。先頭の久地裂袈と渡鴉を追う展開となります」

模写櫓、押井守、自我海の姿が見えませんね」

「彼らは存在自体が虚ろな力士達ですからね」

「なるほど」

「存在を信じることで姿が見えてきます、ほら

「なるほど。うすぼんやりと自我海の姿が見えてきました

「信じてください、自我海の実在を」

「はい、見えてきました。二人の自我海が

「えっ」

「えっ」

驚愕したのはコース上の自我海も同様であった。己の自我を確立してレースに復帰した瞬間に自我を揺るがす大事件が発生したのだ!!

「よう俺」


「……ヌーン……」

自我海は自我喪失して雲散霧消!!
残った方の自我海が姿を変えていく、そこ残ったのは無貌の力士、模写櫓(モシャ=ヤグラ)であった。

そして久地裂袈、渡鴉、潮測、模写櫓がまとめて第4コーナーへ突入した!!

【残り5名】

謝辞

本作品に登場する非実在力士達は読者投稿のオリジナル力士を再構成したものです。キャラクターや言動は本作独自のものでありオリジナル設定に影響を与えるものではなく、どのような狼藉も力士発案者に影響を及ぼしません。


#ジャパンカップ#競馬 #相撲 #フィクション #小説 #非実在力士シリーズ #相撲フィクション #なんですかこれ #読者投稿力士 #大量消費 #クトゥルフ神話 #人がいっぱい死ぬ #黒魔術 #ソップ型 #BL #相撲はヘブライ語 #自我 #アイデンティティクライシス #国技館ロイヤルランブル

いつもたくさんのチヤホヤをありがとうございます。頂いたサポートは取材に使用したり他の記事のサポートに使用させてもらっています。