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【NJSLYR】マーメイド・フロム・ブラックウォーター【第二部感想#02】

稚気じみた宇宙世紀へのあこがれを残すメカニック少年カキオは水没オイランドロイドを再生するためアブナイ橋を渡る。このことがサイオーホースめいて複雑に絡み合い彼の人生に大きな影響を与えていく。

前説:チャンピオンRED誌上でのコミカライズ版「ニンジャスレイヤー:キョート・ヘル・オン・アース」開始を記念して『ニンジャスレイヤー:第二部:キョート殺伐都市』のTwitter版連載を再読して感想を書きます。これは時系列順で読みます。文学的な解説とかは期待しないでください。第4部進行中の未来視点でコメントするので軽度のネタバレ警戒重点。

マーメイド・フロム・ブラックウォーター

アブナイ橋を渡り水没オイランドロイドを修理した少年カキオは蘇った彼女と路地裏や退廃ホテルをめぐる冒険の旅に出るが水没オイランドロイドを追う邪悪な絶望ニンジャが出現して少年に試練を与える。

しかし、カキオは甘美な死の堕落に陥りはしなかった。なぜなら彼には夢があり約束があり若さがあったからだ。少年は厳しいネオサイタマジャングルをサヴァイヴし第4部ではメカニック機巧師として活躍をしているようだ。

総合格闘技めいたカラテ

このエピソードは第2部序盤らしい「苦戦するニンジャスレイヤー 」を見ることができる代表的なイクサだ。フジキドには往時のパワフルさが薄く通常技の差し合いやマウントポジションの取り合い描写が続き、決め手になるのはローキックからのスナイパー空手という感じで堅実で現実的なカラテを使う。

デスナイト=サンは、非常にワザマエが高く地の文にも「不相応に低い扱い」を受けているとされている。死亡してから株を上げるタイプのニンジャの代表格だ。ニンジャスレイヤーが誕生した際のマルノウチ抗争でザイバツ側の指揮官の一人とされるほどの高位ニンジャであり、アンブッシュからのダブルポンパンチでニンジャスレイヤーの体力を九割ほど削る等ほとんどキンボシに近い戦果を挙げるが、彼は任務優先と性癖のために集中力を欠き敗れる。自我を通したものが強い。カラテだ。カラテあるのみ。

デスナイト=サンの外見は実はそれほど鎧っぽい装束ではなく関節部分のみが鎧っぽい構造となっておりそれを器用に使い打撃を弾いたりする。野生のデスナイト=サンを発見したら観察してみよう。見つかったら殺されるよ。(DIY行為をする場合は、ニンジャ装束の上からL字の塩ビ管を羽織るとよいだろう)
彼はリンボ=サンのように死にたがりではあるもののバイオイーグルとの甘い生活も捨てられないという、どっちつかずの感傷的なニンジャで印象深い。最終的には選択の余地なく亡者に掴まれて沼へ沈んでいく。インガオホーな。

また私を作ってね

このエピソードはオイランドロイドとの淡い関係ということで「ターボキッド」を想起させる場面も多い。(※観たばかりの映画に影響を受けるタイプです)キッドがもう少し幼ければカキオに、もっと大人になっていればデスナイトになっていたかもしれない。全てはサイオーホース、しかしその差はゴジュッポヒャッポのハナフダの裏表なのだろう。

初心者にもオススメ

ニュービー向けエピソードとしては、なぜかニンジャスレイヤーの出番が少ないものがチョイスされる傾向がある。本エピソードも主役はカキオ、エトコ、デスナイトといった登場人物であり、ニンジャスレイヤーは冒頭と決着部分に登場する程度なのでオススメです。

※ニンジャスレイヤー=サン本人が初心者向けではないという意味ではなく、ネオサイタマやキョートの街並みやそこに暮らす住民を描く群像劇的なエピソードが世界観を理解するうえで適しているという奥ゆかしい推奨理由があります。フジキドは落ち込まなくていい。

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