廃東京タワー

20170707 クールアース・デー。それは戒厳令下の廃東京タワー体験のチャンスでもある。

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廃東京タワー、下から見るか、横に跳ぶか。**

 10100400。払暁にはまだ早い暗闇の中、ネオサイタマの死神とアマクダリ最強の戦士が廃東京タワーを舞台に相まみえる――!

 これは『メニイ・オア・ワン』屈指のビジュアルパワをもった名場面だ。戒厳令下の消灯を迫られたビル群。それらを覆うようにそびえる廃棄され朽ち果てた暗黒の廃東京タワーが描写され壮大な暗い都市部イメージを想起した読者に対して、我らがスパルタカス=サンはそのイメージを塗りつぶすようなカラテ絶景を見せつけてくるのである。

 廃東京タワーを垂直に登り、針めいた先端部に対して垂直に屈む
(この場面は書籍版でも強く強調されており強いパワがある、その目で確かめてみよう!)さらにそのインパクトもかすむ様なニンジャスレイヤーのこれ以上にない強力な二重螺旋・ツヨイ・スリケン描写である。(これはマカン・コー・サッポ級の描写である。当たれば死ぬ)
 遭遇したら即逃亡を推奨される規格外ニンジャの規格外のスリケンだ!生で拝んで驚きやがれ!!

 ところが!

 廃東京タワーのアンテナから真横に跳び、音速を超えるスリケンを飛び石にして(ほとんど高度を下げることなく)チャドー待機ビルに到達してニンジャスレイヤーをカラテのめす我らがスパルタカス=サン。ここでカラテ描写が絶頂に達した。もはやこれはカラテ絶景どころではなくカラテ文化遺産である。
 巨大な暗い都市部の遠景とクローズアップされた二者の動作のカットバックが距離感のメリハリを生み、規格外よりも規格外なスパルタカス=サンの規格外さをこれでもかと見せつけてくる。

 すばらしいカラテ描写である。しよう!

聖地巡礼へ

 さて、この大激闘の舞台は具体的な地形描写が多いため現実世界でもカラテ聖地巡礼が可能である。方角的にはカスミガセキと東京タワーを直線で結んだ国道一号線のビルのどれかがチャドー待機ビルであろうか。あなたがニンジャかアーバンサラリマンであれば、周囲の高層ビルに登ってもよい。
 高所に陣取り針めいた先端を狙いチャドー呼吸を深める。あなたは見上げた先の東京タワーの角度……赤さ……巨大さを体験し……さらに巨大なカラテ圧力を感じ取って打ちのめされるであろう。

 ドネートを惜しまぬのであれば、東京タワーの大展望台へ登ってもよい。改装中のため特別展望台にたどり着けないことに留意して頂きたい。(特別展望台から伸びるジップラインを見れば何が待ち構えているのか想像に難くない)
 しかし、大展望台(150m)であっても、そこから跳躍して隣のビルへ飛び移るニンジャ位置エネルギーの消費量に思いを巡らせれば、スパルタカス=サンのそれは想像を絶する偉業であったことを実感するだろう。

 カスミガセキ・ジグラットはまだできてないので、代わりに虎ノ門ヒルズや万魔殿ロポンギルズとかを睨み付けたりするとよいだろう。

 しかし、それだけで満足せず「せっかくだから周囲のビルや東京タワーを強制ライトダウンした状態で聖地巡礼したいな~」とお嘆きのあなた!
 奇しくも来る20170707に戒厳令下のネオサイタマの廃東京タワーを再現するようなイベントが開催されるのである。

時は来た

 さて、賢明なるアーバンサラリマン諸兄においては、クールアース・デー ライトダウンキャンペーンをご存知であろうか?

クールアース・デー ライトダウンキャンペーン
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolearthday/

クールアース・デーとは、天の川を見ながら、地球環境の大切さを日本国民全体で再確認し、年に一度、低炭素社会への歩みを実感するとともに、 家庭や職場における取組を推進するための日。2008年のG8サミット(洞爺湖サミット)が日本で7月7日の七夕の日に開催されたことを契機 に、毎年7月7日がクールアース・デーと定められました。
2017年7月7日 20時~22時の間にライトダウンキャンペーンが行われます。

 この時間帯は、惑星直列的に日本中のビルが消灯をするのである。
 つまり、東京タワーも周囲の高層ビルも何もかもが消灯して暗い都市部を再現する。つまり、戒厳令下ネオサイタマにおける廃東京タワーを再現するという神秘体験のまたとないチャンスなのである。

チャンスまで割りと短い!タイムイズマネー!!

20170707追記。
東京タワーの消えた世界。
スパルタカス=サンの飛距離に想いを馳せる。



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