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2018年にもなって映画版「CASSHERN」を観た。(2004年の映画)

よくきたな。お望月さんです。(まだ慣れない)

#平成最後の夏 、平成の総決算をしました。

00年代で最もフットーしたカルトムービーの一つである「CASSHERN」をご存知であろうか。デビルマンと並び称される「二柱」として真っ先に名前が上がる映画作品の一つである。

評価については以下のように二分しており、良い部分と悪い部分が激しくぶつかり合っているようだ。これはチェックするしかないだろう。ということで見ました。

感想の例
「デビルマンよりマシ」
「怒りで攻撃力が上がる」
「思い出すだけでむかつく」
「観てないけどヒドイらしい」
「僕は好きだけど酷評もしたい」

こちらの関連記事となります。
2018年にもなって映画版「デビルマン」を観たのでホメる。(2004年の映画)

あらすじ

大ユーラシア帝国の上層部は支配の永遠の延命のために万能細胞「新造細胞」の開発を追い求めていた。狂気の科学者東博士は無数の死体を漬け込んだ万能細胞遺伝子プールを開発し日々研究を続けていた。ある時、そこへ稲妻っぽい物体が突き刺さりなんか遺伝子再生が活性化。無数の死体を繋ぎ合わせた「新造人間」が生み出されてしまう。彼らは人類の復讐のため悪の世界征服をたくらむのだ。

なるほど。

しかし、悪の新造人間達にも事情があり勝手気ままに生命を弄ぶ帝国が悪いのではないか、その帝国を無限に延命しようとしている自らの足を食らうタコの如き上級国民のわがままが全ての元凶なのだ!

ありがとうございまし……まだ続くの?

やはり人類は愚かだ滅ぼさねばならぬ。降りやまなぬ粛清の雨!!クーデター勃発!!帝国上層部での殺し合い!もはや茶番と化した延命の儀式!笑わば笑え!これが帝国の稚気じみた真実だ!

はい、100%わかった。ってなに?まだあるの?

しかし!!最も恐ろしいのは人間だ!!稚気じみた帝国内の権力争いの果てに将軍はついに爆撃と虐殺を過激化。神よ!この世界に救いはないのですか!? 

すみません、まとめなおしてもらえますか。

雷っぽいものが落ちて万能再生細胞プールがバグったんで東博士が戦死した息子を漬け込んだら新造人間として復活。同様に復活した悪の新造人間達との対決のためにヒーローとなる。

はい、ありがとうございました。
こんなの最初にスターウォーズ形式でガーッと流しておけよ!

誰かカントクを止めてください

以上がオープニングから50分くらいの展開である。主人公(キャシャーン人間)はまだ服も来ていない。小説作品「虐殺器官」にも似た血と脳漿と虐殺のにおいがするストーリーが延々と続き、たまに主人公らしきキャシャーン男の風景がフラッシュバック的に織り込まれるわけです。「虐殺器官」は小説だし、最後の数行だけで5億点というふざけた作品なので飽きたら最後の10ページくらい読めば問題ないんだけど、これは映画ですからね。ご存知ですか?映画館からは逃げれれない。

デビルマンと決定的に異なるのはカントクの作家性が強く浮き出してしまった点だろうか。監督がキャシャーンを借りて体現したいことは何となく伝わってくるんだけど……そういうのは客に出す前に済ませておくことでしょうが! 最近は仕事ばかりではないだろうか? 家族と話をしているだろうか。

なお、映画自体はあと90分くらい残っている。

誰も信じていない

とにかく演出が冗長アンド冗長アンドありがち。
製作陣が観客を信じていないので全部をセリフにして説明しないと気が済まない。観客の理解度をなめてる。出演者から予想される客層をなめている。

作品への理解が薄い(興味がない)観客をターゲットに説明をすると、元々興味がないので説明は聞かないので携帯電話や紙のレシートをいじりだし、劇場の空気は辛くなり、作品を信じて真剣に楽しみにきた真の男が死んでいくことになる。私は平気なんですけど、真の男が傷つくのでみんなで考えていきませんか。

それでもにじみ出るものがある

カントクはこの作品に娯楽性を求めてはいないのだろう。それでもアクションシーンは独時の愉快さがありチャカポコチャカポコしたビートに合わせた格闘シーンやロボット軍団をまとめでなぎ倒す超人チョップの場面は、いい意味でチープな効果音と合わさって楽しい場面だ。

ヒーロースーツも外骨格的な強さと美しさがあり戦闘時に瞬時に開閉するフェイスガードは作品ビジュアルを引き締めている。

主人公(伊勢うどん)が、讃岐うどん県とのうどん対決で「俺はキャシャーンだ!」だと名乗るシーンは間違いなく盛り上がる場面だ。ここで盛り上がらなくてどーするよ?という場面ではちゃんと盛り上げてくれるので憎めない。

バケットホイールエクスカベータ的な巨大兵器を登攀するキャシャーン。これは完璧な工業ポルノであり巨人討伐フェチの人も大満足なフェティッシュなシチュエーションだ。(しかし、ストーリー展開の都合で説明セリフをオーバーラップされるので愚息もションボリ)お前さー、そういうとこだぞ。

天使か悪魔か。否、デビルマン人間だ。

結果的に、人間としての善良さと悪辣さを兼ね備えてしまった作品となっている。ある意味で調和されある意味で互いに汚染された二種類の生物がまじりあった存在。奇しくも作品(監督)自体がデビルマン人間となった作品である。鬼の首を取ったかのように生首を抱えてワッショイワッショイするにはあまりに忍びない、人間として生きようとした悪魔のような作品であった。

結論:別にみる必要はないけど、他の人の酷評を鵜呑みにして叩くとお前がデビルマンになってしまうぞ。

クソ映画という前評判だけでほっとくのは惜しいけど、そこまでのリスクをとる必要があるかは微妙。しかし、たしかなキャスティングや楽曲提供やアーティストのカメオ出演なんかでカントクの業界内人気は感じました。あのミュージシャンも出てます!!

まとめ

ダークナイトって出ろ。

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