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ヨーダの物語 76

【前回までのあらすじ】
 少年ヨーダはジェダイ・アカデミーに通うジェダイ・イニシエイト。
 親友ギークは、元シス・ツキシマとの戦いで顔に傷を負い、さらに謎の老人レイゴウと戦うが完敗する。そしてレイゴウのもとで修行をし、ダークサイドに堕ちてしまう。そしてジェダイ・マスターふたりを殺し、ヨーダにも圧倒的に勝つ。
 ヨーダは、師匠となるグラドゥの住む星へ到着し、賞金稼ぎ集団(傭兵)に襲われるが、みごと全員倒した!

 
 「終わったようだね」
 グラドゥが顔を上げずに言った。
「ごめんなさい。ぼくが森に逃げたばっかりに、大切な木を何本も壊してしまいました・・」
 「あんたにはフォースとライトセーバーを使うな、というのと、森に入るな、とも伝えるべきだったね。しかし、これでやつらも相当懲りただろうて」
 「本当にごめんなさい・・、杖もありがとうございました。とても丈夫な杖ですね。折れもしないし燃えもしなかったです」
 ヨーダは両手で杖を差し出し、グラドゥは受け取った。
 「そんなに酷使したのかいっ。これは丈夫も丈夫じゃ。なにせ、シューマが特注で作ってくれた仕込み杖じゃからなあ」
 グラドゥが杖の頭の部分をひねると頭が抜け、そこから黄色い光刃が出てきた。
 「ライトセーバー!」
 ヨーダは目を丸くした。だから木の杖にしては重く感じたのだ。杖を無事にグラドゥに返せて良かったと思った。
 グラドゥはしばらく森の方に手のひらを向けた。ヨーダはわけもわからず、それを見つめていた。そのあと、グラドゥはヨーダの背中の籠に手を入れると、
 「山菜も無事じゃな。よくやった。これで近所のじいさんも喜ぶよ」
 と言って微笑んだ。
 ふたりとQQ11はしばらく歩き、おじいさんに山菜を無事届けると、とても喜んでくれた。お礼にパンをひとかかえきただき、グラドゥの家に向かった。太陽はそろそろ沈みかけていた。
 グラドゥの家は、平らな岩の地面のひらけた場所ににポツンとあった。ふぞろいな板状の岩を積み上げた壁で作られていた。岩の煙突もあり、こじんまりとしているが、かなり頑丈そうに見えた。
 「シューマからだいたいの話はきいているよ。友達をダークサイドから救いたいって?」
 グラドゥはスープを木の器によそって、ヨーダに差し出しながら言った。
 「はい。ギークというジェダイ・アカデミーの友達で、お姉さんを元シスから守ろうとして強さを求めるあまり・・ダークサイドに堕ちてしまったと思います・・。おそらくレイゴウという、別のシスにたぶらかされて」
 「レイゴウか・・」
 「レイゴウを知っているのですか?シューマ博士もレイゴウのことを知っていました」
 「レイゴウは、ジェダイ・アカデミーのあたしの後輩だよ。それはそれは強いジェダイじゃった。やつもまた、強さと永遠の命を求めるあまり、ダークサイドへいってしまった・・。力を持つ者は、強くなればなるほどさらなる強さを求める運命なのか・・。まるで喉の渇きを塩水で潤そうとするように・・」

 (ヨーダの物語 77へつづく)